「のびのび生きてやる。」すーちゃん まいちゃん さわ子さん ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
のびのび生きてやる。
チラシや予告から受けるテイストは、毎年公開されている
女性向け仲良しトリオが醸す不思議世界のストーリーだろうと
そんな風に思えるんだけど、劇場にあった試し読み冊子が
ことのほか面白く読めたもので、ちょっと楽しみにしていた。
あはは~。あるある、いるいる、そういうの~(爆)
30代半ば?くらいの設定かな、彼女たちの言動に見られる
「あるある」ネタに、後ろの席のオバさんが大爆笑していた。
そうよね、中高年にだって通じるワケよ、そういうネタは。
オンナってホントに不思議。身体はどんどん歳をとって(爆)
やれどこが痛いの、足腰が重いのと言いながら、心だけは!
しっかりとオトメしてるんだもんね。幾つになっても~!?
まぁ、オトコは50歳からだ!なんて言ってるのと同じです。
でも私の若い頃と明らかに違うのは、今のご時世、不況だ!と
叫ばれている世の中ではあるものの、女性の社会進出は上昇し、
もう20代で結婚して出産して…なんていう、杓子定規な選択を
しなくて良くなってきてるでしょ。様々な人生の選択肢が増えた、
ということはそれに比例してストレスも増えているワケですよ。
それまではお父さんが味わっているだけだった社会ストレスを、
お姉さん、お母さん、オバサン達が味わっている時代、そりゃ~
会社にいれば大変ですし、家事をこなすのも一苦労、なんだけど
共働きしないと旦那の給料だけじゃやっていけない!なんていう
お話を、私も幾度、何回、聞いたか!(一応、言っていませんが)
今作に出てくるのは皆さん独身なんだけど、それは家庭を
持ってなくても、社会人としてのストレスは果てしないでしょう。
小ネタにクスクス笑いながら、あ~いるいるこういうヤツ!って
特に女性絡みの話なんかは、あまりにリアルで笑ってしまった。
私の周りにもいますよ、ああいう小狡いタイプ(爆)
しかし原作が女性だと、ホントに男たちが皆、情けないのは何で?
井浦新が演じたマネージャーなんて、お前がマリッジ・ブルーかよ!
ってなもんだし、さわ子さんの彼は妊娠可能証明書だぁ?バカか!
自分の面見てモノを言え!(ゴメン俳優さん)、まいちゃんの周囲は
クソ男ばっかりだったしねぇ。これ男性の皆さんが観ると凄く嫌な
気持ちになるんじゃないでしょうか?面接に来た男も痛かったし…。
ただ、最近になってよく思うことは(今作でも言っていたけど)
私なんかが若い頃~結婚した頃は、とにかく先のことばかり見てて、
将来、未来、その頃になって自分が痛い目に合わないように(爆)
今は辛くても、ガマン、ガマン。先輩・上司に、ガマン、ガマン。
結婚生活に?ガマン、ガマン。子育てオンリー、ガマン、ガマン。
いつか自分が歳をとった時に、良かった~貯めといて!(爆)って
思えるように、買いたいものも、ガマン、ガマン。そうやって…
先ばっかり見ていたから「今」を楽しむ時間がまるで持てなかった。
これって昭和の生き方なんだろうなぁ。
現代では「今」とにかく生きることが大切だって、若い子に言われた。
確かに今は未来が不透明すぎる。もっと夢を持ちたいところだけど。
すーちゃんたちは、やはり結局、恋愛問題にぶち当たっていたけど、
その際に決定を下したのは自分だったのだから、あれで当然だと思う。
幸も不幸も決めたのは自分で、違った人生なんてそんなもん誰でも
選べたことなんだもん。それを選ばなかったことに後悔するんじゃなく、
今の幸せに感謝して(とりあえずは健康で、生活が営めるということ)
十分に楽しんで生きてって欲しいなぁと思うのだ。
まいちゃんのように、仕事人間だった人はふと切なくなるんだろうが、
なーに!!子供が生まれたらそんなことを考えてるヒマもなくなる。
さわ子さんには頭が下がる思い。いずれ私もああやって親を介護する
日がくるのかもしれない、だけどあんな風に優しく支えられたら…と
思うのみ。要はそれぞれの、気持ちの在り方、幸せの捉え方なんだな。
ドラマだから、けっこうキレイに描かれていたけど、
漫画の淡々とした線の画にも、言いたいことがたくさん詰まってる。
どの年代にも悩みは尽きないけれど、どの人生もステキだよ。
(自分を肯定することは自分を楽しくさせるよい方法。それでいい、って)