「たとえ血の繋がりはなくても、長い関係性で構築された親子の情愛は、とても深かった。」そして父になる Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
たとえ血の繋がりはなくても、長い関係性で構築された親子の情愛は、とても深かった。
是枝裕和監督による2013年製作(120分/G)の日本映画。配給:ギャガ、劇場公開日:2013年9月28日。
是枝監督作ということで、いつものことながら、子供たちが何とも愛くるしい。特に、元福山家の子演じた二宮慶多のいじらしさは涙もの。
子供と接する時間が乏しいエリート社員を演じた福山雅治もサマになっていたし、彼のエリート臭い教育方針に不満ある妻役の尾野真千子も好演。対照的な理想の家庭的父を演じたリリー・フランキーも、かなり無理している感はあったが、頑張って絵にしていたし、真木よう子もとてもナチュラルな感じで好印象。
子供の入れ替わり以外は大きな事件も無く、淡々と進む二家族の描写だが、興味深く見ることが出来、流石是枝監督と思えた。妻たちは随分と仲良しになるが、リリーに対する職業的格差感も有り打ち解けない福山の描写が、見覚えがある様で上手いし、少々自分にも突き刺さってくる。
二宮慶多をミッションと言ってリリー家に送り出した福山。だが、知らない間にカメラで自分を撮ってくれていたことを知ったこともあり、愛しさが溢れ、我慢しきれずに会いに行ってしまう。血は繋がらないながら、長い関係性で構築された親子の情愛というものを描いていて、こころを打った。「万引き家族」の原点がここにあったのか。
監督是枝裕和、脚本是枝裕和、製作亀山千広、 畠中達郎 、依田巽、エグゼクティブプロデューサー小川泰 、原田知明 、小竹里美、プロデューサー松崎薫、 田口聖、アソシエイトプロデューサー大澤恵、撮影瀧本幹也、照明藤井稔恭、録音弦巻裕、美術三ツ松けいこ、衣装黒澤和子 、鍛本美佐子、ヘアメイク百瀬広美 、古川なるみ、音響効果岡瀬晶彦、編集是枝裕和
、助監督兼重淳、スクリプター冨田美穂、キャスティング田端利江、制作担当熊谷悠、音楽プロデューサー安井輝、ラインプロデューサー新野安行。
出演
福山雅治野々宮良多、尾野真千子野々宮みどり、真木よう子斎木ゆかり、リリー・フランキー斎木雄大、二宮慶多野々宮慶多、黄升げん斎木琉晴、中村ゆり、高橋和也、吉田羊、ピエール瀧、小倉一郎、大河内浩、清水一彰、林剛史、中村倫也、森崎めぐみ、足立智充、加藤四朗、滝沢美結、押場大和、ノザキ・オジエル、田中哲司、井浦新、風吹ジュン野々宮のぶ子、國村隼上山一至、樹木希林石関里子、夏八木勲野々宮良輔。