アフター・アースのレビュー・感想・評価
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憧れと憎しみで子は育つ
ウィル&ジェイデン・スミス親子共演、M・ナイト・シャマラン監督作。
人間にとって有害な惑星となった1000年後の地球を舞台に、
葛藤を抱えた父子が生き残りをかけて冒険に挑むSF映画。
がっかりする前に言っておいた方が良いだろうか。
本作にドンデン返しは無い。
『ハプニング』の頃から、シャマラン監督は
どんでん返しに対するこだわりをスッパリ捨てたんだろう。
個人的には物語のどんでん返しよりも、特異な状況におかれた
人間達の絆を描く方としてシャマラン監督は好き。
『エアベンダー』で少々茶を濁したが、今回は
その人間ドラマを重視するシャマラン監督が戻ってきた感がある。
とはいえ面白いのはやはり過酷化した地球の描写。
人の手を離れて密林と化した世界は美しく、そして危険だらけ。
かき分けてもかき分けても続く鬱蒼とした森。
有毒な空気の中ではまともに息も吸えない。
猿や鳥はおろか、小さな虫のような生き物でも油断できない。
人間がいなくなっても地球の生物はこんな風に
しぶとくずぶとく生き延びていくんだろうか。
しかしながら、進化した地球の生物の姿はもう少し凝ったデザインが
見たかったかな。リアルに描いたらきっとあんな感じなんだろうが、
そこはもっとホラを吹いて良い所だと思う。
また、物語の肝である父子の葛藤を描く最初の導入はもう少し長く、
というか詳しく見せてもらいたかった。
『異星人との攻防』という設定もよけいな風呂敷を広げただけかなあ。
重要なのは人の恐怖を嗅ぎ取るという生物“アーサ”の方だし、
中途半端な印象を与えるだけだったような気がする。
その“アーサ”は殻の剥けた甲虫みたいな気色悪いデザインで
個人的には好きだけど。
と、不満をつらつら書いておきながら、大満足の4.0判定。
なぜならここで描かれる父子の絆に、一筋縄ではいかないものを感じたから。
ジェイデン演じるキタイの葛藤と成長が物語の中心と思いきや、
この映画は英雄と称される父レイジの成長を描いた物語でもあった。
レイジは息子を思うが故に反発され、そして自分に背いた息子が
自分自身を越えていく瞬間を目の当たりにする。
それは父親として喜びばかりの感情ではなかったろう。
どんなに愛情深い父親もいつかは、息子を恐怖に満ちた世界へと、
情け容赦の無い危険な世界へと送り出さねばならない。
子どもを危険な目に遭わせたくないと心底願ったところで、
いつまでも子どもを護る事など出来ない。
モニタ越しに息子の無事を願うしかない日は必ず来る。
生きる術を教え込まなければならない。
自分の経験を語り、成功の秘訣を知らさねばならない。
一方で、父は図らずも己の失敗を、欠点を、息子に晒している。
それ故に息子の憎しみを買う。
それさえもきっと必要な事なのだ。
息子が自分と同じ過ちを犯さず強く生きるためには。
息子を己以上の存在にする為には。
鳥について。
あの鳥はどうして最後にあんな行動を取ったのだろう。
ネタバレにならないよう詳しくは書かないが、
親が子を想う気持ちはどんなに過酷な世界でも変わらないのかもしれない。
親の屍の下から這い上がるという、あのイメージ。
これはひたすらきれいで後味の良い親子愛を描いたSFドラマではないと思う。
過酷化した地球でのサバイバルというSF設定を軸に、
子どもの、そして、父親としての通過儀礼を描く。
この映画の主眼はそこだったのだろうと考えている。
設定は面白いのにSFとしての個性に欠けるという点はあるが、
父子のドラマとして心に残るものがある。僕は好きです、これ。
〈2013.06.22鑑賞〉
ジェイデンが主役です。
あららら~~。。。
こんなストーリーだったのね。
父と息子が協力して、次から次へと襲いかかる悪者をやっつけるのかと思っていた。
まあ、そうなんだけど、動けるのは息子一人だけ。
息子の成長を描く冒険活劇だった。
この作品は、どんなストーリーか確かめておいたらよかった。
映画会社の宣伝の仕方に、また騙されちゃったってカンジ。
原案ウィル・スミス。
パパが息子のために書いた、壮大な≪初めてのお使い≫。
それを、映画化しちゃったのね。
過去の出来事のせいで、偉大なる英雄の父へのコンプレックスやわだかまりを持つ息子。
きぐしゃくした親子関係。
子供と大人の間にいる不安定な年頃の息子。
環境破壊が進み、地球を人類が捨て、他の惑星に住みつくようになって1000年。
その惑星に元々いた住民=地球人から見ると異星人。
彼らの生物兵器が、人間の恐怖心にのみ感知して、襲いかかるというもの。
でも、その異星人も人間に似た格好だったのだけれど、彼らには≪恐怖心≫は無いのだろうか。
それなら、どうして≪人間≫にのみ、効き目があるとわかったのだろう。
猿、大鷲のような巨大な鳥、獰猛な虎、毒を持つヒル、などの野生動物との戦い。
一つ一つ、こなしていくうちに、少年は大人への階段を上る。
そんな中、大鳥のシーンは、何だかじーんとなった。
そして、最後のボス、「アーサ」との戦い。
ここでも、なんでわざわざそんな戦い方をするかな~と思ったけれど、
主題を伝えるために、遠回りしちゃったよね。
と、ストーリー設定の雑さが、とても気になった。
けれど、少年の成長を描く冒険物語だと思ってみると、まあ良いか~と。
少年の気持ちでドキドキ。
父の気持ちでハラハラ。
そんなところを、単純に楽しめれば良いかと思う。
シャマラン監督かわいそう・・・
ここんとこシャマラン監督に当たりがないなあ~っと微かな期待を込めて観ましたが微妙ですね。
クレジットを見ると、これウィル・スミスの原案ですね。プロデューサーも兼ねてるし、息子主演で、奥さんもプロデューサーとして関わってますねえ。シャマラン監督、今回完全に雇われてますな。ウィルはなんかここで親子の絆をやりたかったんでしょうな。
ストーリーは残念ながら伏線も展開も全て読めてしまうし、小道具や衣装、セットがちょっと手抜きな感じ(なんか布やビニールをふんだんに使っているが、効果はイマイチ)恐怖の象徴としての〝アーサ〟もデザインがねえ。 うーん、イマイチな作品ですな。
いつの間にかシャマラン監督って予告で紹介されなくなってたのね・・・頑張れ!
息子ジェイデンの冒険活劇だ!
ウィル・スミスが感情を抑えた演技で、自らも製作に関わった、
息子の成長とそれを見守る父親の愛がテーマの映画だ。
ウィル・スミスが主役かと思いきや、息子の冒険活劇だった!
(映画のテーマと同じ様に息子に成長の場を与えた、ということか)
SF的なバックグラウンドは結構面白いが、
映像(登場するメカニックやシーンなど)的にも、
ストーリー的にも、
SF的な見せ場はほとんど無い。
SFよりも父と子の人間ドラマにフォーカスされており、
ジョセフ・コシンスキーの「オブリビオン」とは正反対だ。
じっくりと描かれた人間ドラマには感動するところもあるが、
こちらはもう少しSFファンを喜ばす演出が欲しかった。
例えば、宇宙船のメカニックやワープシーン、
地球上で過去の文明の形跡を描くなど、
拘れる所はいくらでもあったろうに...。
凄く在り来たりな作品
何の捻りもなく、ただ目的地までダッシュダッシュダッシュ!
CMでは人類を滅ぼすために進化した地球とありますが、そんなことはありません(笑)
危険なのは自分たちが放してしまった怪物だけで他に危険なのがライオンとヒルと寒さだけです。
そして肝心なエイリアンですがエイリアンのペットが出てくるだけでエイリアン本体は出てきません。
人類はどんな状況なのか、なぜ主人公は宇宙を旅するのか…
ストーリーの全体像が掴めません。
ラストまでほぼ2人しか出てこないので飽きますし残念な作品です(-.-)
普通…
途中のエピソードがマイナス
てんこ盛りのテーマが、概ねバランス良く取り込まれている。
メッセージ的には
●親子は本気で話し合おう(2/10)
●自然を大切にしよう(2/10)
●残りの(6/10)はおそらく「私は弱い時こそ強い」と言うⅱコリントの聖句だろう。
アドベンチャーアクションとしては、
●川口浩探険隊未確認生物シリーズ(の何か)
●川口浩探険隊洞窟シリーズ(の「ギャオ」)
●そして、モンスターハンターだ。
ここからはネタバレになってしまうが、WスミスとJスミスの心理描写も、地味ながらイケてる。
前提としては、二人ともJスミスの姉が的に襲われた時に、助けられなかったと言う事にコンプレックスを感じている。Jスミスが軍隊を志願しているのは、一見父親の後を追っているように見えるが、実のところこのコンプレックスに悩まされている為だ、と言う事が話が進むにつれてわかってくる。
Wスミスも、冒頭この任務が終わったら引退と言ってはいるけれど、やはり傷は癒えていない。妻に「私の所で働くか」と聞かれた事に対して曖昧な笑いで答えている。片脚を失った兵士の敬礼に答礼する場面は、ラストシーンへの重要な布石だ。
救出後、Wスミスは片脚を失った兵士のポジション、JスミスがWのポジションでラストを迎えるが、Jスミスは答礼せずあくまで息子として振る舞い、軍をやめて母親の元で働くことを宣言、Wも同意するが、冒頭での妻との会話の時とは全く温度差が異なる。「弱い時こそ強い」のは目に見える怪物ではなく、コンプレックスに対する弱さである。
また、途中ウィングスーツで飛びたす場面があるが、この前後の会話〜機体後部に辿り着くまでは、やはり聖書の「放蕩息子の帰還」がモチーフになっていると思われる。
そして、マイナスなのはこの直後の部分なのだ。Jを襲った猛禽が何故か自分の巣に連れて帰り、その巣がライオンモドキに襲われてそれを協力してやっつけるも、雛は全滅。しかし、それに感謝した猛禽が凍えそうなJを自分を犠牲にして寒さから守ると。エピソードがしょぼいし、必然性が全く見られない。ウルッとしなければいけないのだろうが、突如的すぎて「???」となっただけで終わってしまった。ここはいらないと思うな。それより、途中でいきなり武器がなくなってるんだけど、その経緯が完全にカットされていて、そっちの方が気になるよ。
あ、マグマがドロドロ流れる洞窟で「毒ガスでやられちゃうんじゃないか?」というツッコミは川口隊長に敬意を評してしないことにします。毒蜘蛛を素手で払い落とすところもね。
地球おざなり。。
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