「人が銃規制に遂に成功した未来」アフター・アース Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
人が銃規制に遂に成功した未来
総合50点 ( ストーリー:20点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
朗報:人類は遂に銃規制に成功した。
悲報:宇宙人と戦争する時も銃は使用禁止である。
少年が父親の危機に1人危険な任務に命懸けで挑む。大筋の方向性としては面白いのだが、設定と物語がとにかく粗く、突っ込みどころに事欠かない。
人類が移民した惑星に住む異星人が人類を攻撃するためにアーサという化け物を放ってくるのだが、これが見事に見掛け倒しでとにかく弱い。そんなにもか弱いアーサに合わせるように、他の惑星に移民出来る宇宙船を持つほどの技術を持つ人類が、何故かアーサと戦うためには銃ひとつ使うことがなくわざわざ刃物で戦う。地球を滅ぼしたはずの人類がそんな弱いアーサを滅ぼすことが出来ず、そもそも異星人自体との戦いはどうなったのだろうか。
息子のキタイはまだ13歳、そんな彼は任務の途中で巨大な鷲に襲われて雛の餌にされるどころか何故か可愛がられる。そして何よりも巨大なアーサ相手に堂々と戦えてしまう、というよりやはり犀くらいある大きなアーサが弱すぎる。普通に銃があれば誰でも簡単に勝てちゃうんじゃないの。21世紀で銃の乱射事件が頻発したから、1000年たったこの世界ではあらゆる銃やさらに強力な兵器が全て生産停止になったのだろうかと疑わざる得ない。他にも色々と突っ込みところが多くてきりがない。
良かったのは地球の風景の描き方。映像に加えて撮影もなかなか良かった。演出の全体の質感は高い。でも人類が住めなくなったわりに自然豊かで生物が元気良く生きているのは何故だろうと考えながら観ていた。