「シュールな屋外学芸会。」ムーンライズ・キングダム ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
シュールな屋外学芸会。
好みでいうと、ハッキリ好き嫌いの分かれる作品だと思う。
可愛い!面白い!って人もいれば、これの?どこが?って人も。
しかしこの監督の作品が公開されれば、何かと話題になるのは、
やっぱり好きな人が多いってことなのかしら~。
あれ?今回O・ウィルソンが出てないぞ…ってチト心配しながら、
ハイハイ、J・シュワルツマンさん。いつもありがとうございます。
B・マーレイも、歳とったなぁ…(当たり前か)なんて思いつつ、
おかしなダンスを披露するかと思ったら、今回はそれはナシ。
奥さん役マクドーマンド、福祉局員役のスウィントンもなかなか。
けっこう似合ってる?と思ったのが、ダメダメ隊長E・ノートンで
いつか見限られるんだろうな~と思ったら、本当にそうなった^^;
B・ウィリス、何やってんの?こんなとこで~?と思わせるほど
ダイ・ハードじゃない(運は悪い)役柄を本人が楽しそうに演じてる。
なんだか、俳優達が狭い狭い島で、内輪だけのキャンプを拓いて、
ワイワイ楽しくやってるだけのような、まったくせせこましいお話。
小さなおじさん?と、熟女?みたいな少年少女を主人公に据えて
彼らに駆け落ちというオトナの逃避行を味わってもらうスタイル。
およそ可愛い?とは言い難い風貌の、とても大人びたお二人。
いちいち交わされるシュールな会話に、お見通しか?と思わせる
的確な説明表現。いくら時代が1965年といっても、日本人の子供
達にゃ、あんな表現は絶対できないぞ。悪寒がするほど薄笑い~。
劇場前方席で、どこかのオバさんが大声でケラッケラッ笑っていて、
この世界に声をあげて楽しめる妙な勇気に乾杯&脱帽した。
ありそうにない世界観の中で、あり得ない事件が起きているため、
島内の皆さんがドタバタやってても、観ているこっちはゼンゼン
心配の種はない。まさか行方不明~とんでもないことにはならない
だろうと思いつつ、でも、天候悪化はマズいぞ…なんて少し心配。
しかしまぁどの場面であっても、色鮮やかなドールハウス?の中
という気がして、まったくリアル恐怖が感じられない(そこが狙い?)
高度な技術を用いた屋外学芸会。のノリで、
スクリーンが舞台のように使われている。最後にみんなで揃って
カーテンコールでもやってくれない?なんて思ってしまったほどだ。
一同が会したチラシの記念写真?が彼らのすべてを物語っている。
(ナレーターのB・バラバンみたいなおじさん、お人形で売ってるね)