「刑務所の場所は伏せておくべきだった」大脱出 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
刑務所の場所は伏せておくべきだった
スタローンとシュワちゃん、二大アクションスターによる夢の共演ではあるが、大味になることは必至と予測できる。それでも観たくなるのは、水戸黄門的な安心感か?
この二人に真っ向勝負を挑む悪役、所長のジム・カヴィーゼルと傭兵ドレイクのヴィニー・ジョーンズがひけをとらない。絶対的な権力と非情さをもって、スタローンとシュワルツェネッガーを痛めつける。ここが、この作品を観られるものにした最大の要因。
ツッコミいれるヤツは見に来るなと言わんばかりのアクションシーンは、イスラム教徒のジャバド(ファラン・タヒール)も巻き込んで男臭さを前面に出すが、刑務所の外にはエイミー・ライアンをはじめとした魅力的な女優を配し、バランスをとっている。
ミカエル・ハフストローム監督は、これまでの作品でも生死の間をさ迷うような素材を扱いながら、どこかロマンティストな人柄を感じさせたが、今作もふうわりしたラストで和む。
歳はとったけどまだまだイケる二人を存分に楽しめる映画で、年明けの1本としては申し分なし。シュワちゃんがランボーばりに大型火器を小脇に抱えて撃ちまくるシーンも微笑ましい。
ただ、「墓場」と恐れられる刑務所の実態をなぜ隠さずに、予告篇などでバラしてしまったかは疑問。やっと外に出られながら、そこで味わう驚愕と絶望感を共有できなかったのが残念。
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