「【マルジャン・サトラビが自身のパンド・デ・シネ「鶏のプラム煮」を実写化した作品。故に不思議な風合を醸し出している哀しき、ファンタスティックロマンス作品。】」チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【マルジャン・サトラビが自身のパンド・デ・シネ「鶏のプラム煮」を実写化した作品。故に不思議な風合を醸し出している哀しき、ファンタスティックロマンス作品。】
ー 天才ヴァイオリニスト、ナセル(マチュー・アマレリック)が思い返す人生と悲恋を、独特のビジュアルセンスで紡ぎ出した作品。
◆感想
・パンド・デ・シネを劇中に挿入しながら、天才ヴァイオリニスト、ナセルが本当は小さな頃からナセルが好きだったファランギースを妻にしながらも、愛せずに彼女に大切なヴァイオリンを壊されてしまう過程を時系列を逆にしながら描く。
・物語は、彼が人生を悲観して自室に閉じこもり死に至る8日間を主に描く。
・ファランギースが、ナセルが好きだった”鶏のプラム煮”を作るが、ナセルは背を向け食べようとはしない。
- 歯車が狂ってしまった哀しき夫婦。-
・ナセルが若き頃、恋に落ちたイラーヌを演じた若きゴルシフテ・ファラハニの美しき事、限りなし。
- 老いた彼女が、ナセルと偶然町で出会った際に、”知りません・・”と言った後に流す涙。
そして、ナセルの葬儀に人知れず立ち会う姿・・。ー
<人生は糾える縄の如し。
あの時に、もう少し素直になっていれば・・。
もっと頑張って反対する父親を説得して、愛する人を妻にしていれば・・。
ナセルもファランギースもイラーヌの姿も、哀しい。
不思議な風合の、人形劇の様な哀しくも愛しき作品である。>
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