劇場公開日 2012年6月23日

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「私にはこの映画を支持する理由がある」それでも、愛してる うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私にはこの映画を支持する理由がある

2022年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

おとぎ話をおとぎ話にまとめず、リアルな現実に引き戻した力業の脚本
特殊効果を使えば、「TED」のようにもできたのに、左手のビーバーが勝手に喋るのではなく、ウォルターも喋っているので、ファンタジーを期待する観客に「これは辛うじてリアルをキープしているんだよ」と分からせる
まるで現実に起きた出来事かのように簡潔に、かつエモーショナルに進行

メルの素晴らしい演技
鏡を使った演技は「スパイダーマン」のウィレム・デフォー
自分の左手と戦う「死霊のはらわた」ジム・キャンベルを彷彿
子供との掛け合いは「顔をなくした天使」の雰囲気そのまま
叫び声は拷問を受けるマーティン・リッグス
「マーベリック」の名コンビ再び。ジョディとメル…ま、前回は軽妙なコメディだったが
ジョディはLGBTを公言しつつメルと激しいベッドシーン、やはりエロティックさは感じない
ジョディ監督としてはメルに指示を出したのか自由にやらせたのか
ジェニファー・ローレンスの子役キャリア時代やはり光るものがある
アントン・イェルチンがティーンエイジャーを好演

うつを患った父親は仕事と左手を失い家族との絆を取り返したかのようだ
ゴーストライター稼業を糾弾された息子は痛いしっぺ返しに合うが本当の理解者を得たようだ
兄を失った才媛の美人は皮肉に満ちたスピーチを披露し何かを吹っ切れたようだ
見守るしか手立てのなかった母親はひとときの安らぎを得たようだ

2016.4.3

うそつきカモメ