劇場公開日 2013年1月26日

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「団地、団地、団地・・・」みなさん、さようなら シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0団地、団地、団地・・・

2013年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

興奮

主人公の悟が一生団地から一歩も出ずに生きると決めたのは一体どんな理由だったのか、そこに注目しながらコトの推移を見守りましたが、まずその理由の重さにちょっとビックリでした・・・。
コメディ調の映画だとばかり思っていたので。
しかし、そんな彼を見守る母親や周りの温かい目線、そして彼自身が緩やかに・・・ゆっくりと一歩づつ成長していく姿に、不思議な感動を覚えました。

人にはそれぞれ様々な悩みやトラウマがあったりするものですが、それはもしかしたら他人から見たら物凄く滑稽なことなのかもしれません。
でも、他人がどうこうは関係ない、一歩づつゆっくりと向き合えば良いのです。
時には大山倍達(よくは知りませんが)の力を借りたっていいんです(笑)

まあ最初は悟になかなか感情移入することが出来ずにいたのですが、終盤に向かうに連れて、彼を応援せずにはいられない心境に陥ってしまいましたよ。
そう見る者の感情をうまく持っていく中村義洋&濱田岳コンビは、やっぱり最高ですね。
特に団地を守ろうとした終盤のあのシーンは、本当に爽快でした!!

濱田岳(悟)・・・13~30歳を演じても全く違和感なし。
子供がそのまま大人になった感じで、これ以上ない嵌り役だったと思いました。
2女優の胸を揉むシーンはちょっと役得でしたね(妙に生々しい演技が絶品でした)

倉科カナ(早紀)・・・マドンナ的存在としては申し分なしでしたが、個人的な印象で言うと80~90年代の雰囲気にはいまいち馴染んでいなかった印象も。
まあ何だかんだ言っても、人間はやっぱり何事も普通が一番良いんでしょうね・・・。

永山絢斗(薗田)・・・ナヨっとしたオカマチックな演技が何気に絶品でした。
そして精神の病み方も絶妙でしたね。

波瑠(松島)・・・倉科カナとは対照的に、各年代どれも見事に嵌っていたなと思いました。
もしかしたら濱田岳以上に違和感なかったかも。
悟とのベランダ越しの会話シーンが妙にツボでした。

田中圭(堀田)・・・良い人役も嵌るけど、悪役も相当嵌りますね~。
虐待を受ける子供が可哀想で可哀想で・・・だけに、あのシーンは本当に爽快でした!

ベンガル(師匠)・・・味のあるケーキ屋の師匠でした。
職人だからこその末路が切ない・・・。

大塚寧々(悟の母親)・・・覚悟を持った、いい母親でしたね。
母親の思いが詰まった日記には思わず涙・・・。

私も小・中・高と団地で過ごしたので、団地の友達と楽しく過ごした日々、その友達が少しづつ団地から去って行った時の寂しい気持ち等々、そんな時代もあったなと、妙に懐かしい思いに駆られながら興味深く見させてもらいました。
ただ、この映画で描かれた年代と劇中の時代背景が微妙に合っていなかったような?
もしかしたら私の気のせいかもしれませんが・・・。
まあとにかく、団地住まい経験者には必見の映画だと思います!

シュナイダー