「考えさせられる戦争の悲惨さ」少年H 友里さんの映画レビュー(感想・評価)
考えさせられる戦争の悲惨さ
つい先日、終戦記念日を迎えました。
今年は中々終戦ドラマをやらないな…と、思っていたら、風立ちぬや此方の作品、これから上映予定の永遠のゼロ等、映画での題材が多いですね。
終戦の日のニュースのインタビューでは、若者が皆口を揃えて、今日が終戦記念日とは知らないと言っていたのが、記憶に新しいです。
そういう若者たちにも、是非とも観て頂きたい作品です。
たった6,70年前の日本。
何百年も前のことではないんです。
その日本は、こんなに閉息的で何が正しく、何が間違っているのか、分からない程の軍事洗脳で、僅か幼い中学生でもあんな訓練をしていたなんて…
中学生くらいの男の子が、あんなに悩み苦しみ、親であっても終戦直後は、いったい何のための戦争だったか分からない…
今の時代では全く想像できませんが、
このような時代がほんの数十年前に実際にあったとは、何とも言えない気持ちになりました。
私の祖父母が来年80。
終戦の頃は、丁度、主人公Hより弱冠年下の小学校高学年だったのでしょうか。
祖父は、満州開拓団へ、祖母は爆弾工場の近くに住んでいたため、空爆や空襲警報が怖かったと、戦時中や戦後の話はよく聞いていました。
祖父母たちがまだ子供だったころ、戦争とは、本当にあった現実なんだな…、こういう時代に祖父母は育ったんだ、と、想いを馳せて観ていました。
劇中の空爆のシーンは、とてもリアルでちょっと怖かったです。
水谷豊さん演じる父ちゃんの、戦争前と戦後のセリフがとても胸に響きました。
伏線で一番ジーンとくるシーンです。
相棒とは、また全然違ったお父さん役、とてもいい味出しています。
個人的には、奥さんの蘭ちゃんとのセリフの絡みやシーンをもっと見たかったような気もしますが、お二人とも良かったです。
少し前に、ジブリの風立ちぬを鑑賞しました。
風立ちぬは、アニメですし、戦闘シーンや惨い場面、戦争の黒い部分は余り描かれてはいなかったので、此方の作品と二作品観て、更に深く考えさせられた気がします。
平和な現代の日々に感謝すると共に、
このような時代があったことは決して忘れてはならない、決し繰り返してはならない、そう強く感じました。