「粗もあるけど(・∀・)イイ!!」任侠ヘルパー 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
粗もあるけど(・∀・)イイ!!
ドラマの方はたまにしか観てなかったけど、草なぎ君の翼彦一はかなりのはまり役だと思う( ・∀・)アヒャ
あの風貌も佇まいも、そして「極道なめてんじゃねえぞ!!!」っていう啖呵の切り方も様になってて(・∀・)イイ!!
このドラマは『ロボジー』と同じで、「やくざ」と「介護」という一見水と油に思える物同士を合わせてそこに何らかの共通項を見出して、尚且つ1段階上の面白さを出すタイプのドラマだと思う。
『ロボジー』の場合は、最先端技術の象徴である「ロボット」と旧時代を生きてきた「老人」の動きが実はそっくりという見事な着眼点に注目したことで、かなり面白い映画に昇華できてる゚+。(σ゚∀゚σ)⌒Nice♪
そしてこの『任侠ヘルパー』は、暴力、激しさの象徴と言える「やくざ」と優しさ、いたわりの象徴である「ヘルパー」の共通項である「人情」という部分が言えるのではないかなと(・∀・)ウン!!
そもそも「極道」「任侠」と「暴力団」は似て非なるもので、同じやくざでも天と地ほどの差がある。
彦一は「暴力団」ではなく「弱きを助け、強気を挫く」「本物の極道」になりたいと冒頭で宣言してるわけで、だからこそコンビニ強盗に入った堺正章に金を渡す。
それが防犯カメラに写り込んでしまい、警察に逮捕されて刑務所でそのコンビニ強盗を働いた堺正章にたまたま再会。
そこで極鵬会という自分が昔いた組を紹介され、その後間もなく堺正章は死んでしまう。
そして出所してからつてをたどって極鵬会に行って、自分は舎弟だったと嘘をついて客分になって、年金詐欺、生活保護不正受給で荒稼ぎしてる組のシマである介護施設を任される訳だけど、その施設のひどさって言ったらないΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
廃校を再利用したような感じだけど、とても施設なんて言えるような状態じゃない。
間仕切りで仕切られてるところに老人が寝かされてて、残飯まみれで糞尿垂れ流しの状態(;´Д`)
まるでスクリーンから悪臭が立ち込めて来るような容赦ないシーン(;・∀・)
そして薄汚れたカーテンがその施設の荒廃ぶりを象徴してますな(;´∀`)
りりィ扮するヘルパーのやさぐれっぷりもまたΣd(゚∀゚d)イカス!
そんな時、堺正章の遺骨を渡した娘である安田成美と再会。
やくざの娘ってことで嫌な思いをしてきたんでしょうな(;´・ω・)やくざの助けは借りないと介護をしてる認知症の母親の施設入所を拒む。
このお母さんの描写も実に容赦ない(;´Д`)
在宅ヘルパーに虐待されてることを臭わせる嫌な描写も実にリアルだし、それを駄々をこねてるとしか家族に思われないという何とも救いのない状態も現実感あるな~(ノ∀`)アチャー
安田成美が乗る車もボロボロのハイゼットで、貧乏な家だということもうまく表現できてる。
そして幼馴染で地元選出の代議士で弁護士の香川照之のつてで格安で施設に入れることができるが、結局そこでやってることも鎮静剤を打っておとなしくさせるという事務的かつ非人道的、そして「効率化作業」(´Д`)ハァ…
それを知った娘は急いで連れ出すが、その時なかなか車のエンジンがかからず鍵が折れてしまって絶望に打ちひしがれてるところに・・・
彦一キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
西部劇よろしく救世主がやって来た感じのスローモーション(゚∀゚)アヒャ
からの・・・
「いいかお前等!!!今からこのごみ溜めみてえな施設をまともな施設に変える!!!!」
そこから怒涛の施設改造ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ
まともな施設に変わって、そこから入所してる老人がどんどん表情が良くなっていってピンクレディーの『渚のシンドバッド』の振り付けを覚えていくのも(゚д゚)イーヨイイヨー
安田成美の母親も彦一の背中の入れ墨を見て旦那を思い出し、それからと言うもの昔やってたミシンをまた使えるようになり、旦那を思い出して彦一に笑顔で手を振るようになるのは大変素晴らしい( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
ところが・・・
香川照之が立ち入り検査に入っって、このシマからの凌ぎがなくなっちまった極鵬会が放っておくわけもなく、この前に安田成美が夜の仕事をしてるクラブに彦一が行ってるが、その時に香川照之とのキスシーンを撮影してて、それを渡して何とか見逃してもらうけど、これが後にとんでもないことに・・・
香川は事故に遭って入院するが、そこでその路上キス写真と「介護施設斡旋を見返りに性的要求」という中傷ビラをばら撒かれ、香川は何もできなくなる。
そしてプロジェクトの入札が生中継で行われる中、介護施設を燃やされて施設にいた入所者、ヘルパーを負傷させられた彦一がその入札に殴り込んでからの怒涛のアクションシーンは凄い!!!∑(゚ω゚ノ)ノ
極鵬会も生中継されてるから公然と暴れられないから、外に出て大人数で彦一を追って行くシーンも迫力もあるしイイネ♪d('∀'o)
西谷弘監督は、『アマルフィ』で大失態を演じてからの『アンダルシア』での汚名返上以来ぐんぐん腕が上がってますなo(`・д・´)o ウン!!
ただ「( ゚Д゚)ハァ?」ってところもありますわ(´-∀-`;)
まずこの極鵬会、極悪な暴力団な割にはラストシーンで彦一を集団でぼこって殺そうとするけど、病院を抜け出した香川に啖呵を切られてそれで捨て台詞を残して素直に引き下がるのはどういうことだ???ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
バイクに乗って鉄パイプを振り回して、彦一を執拗に付け狙ってるんだから明らかに殺そうとしてるだろ?
香川と安田成美がいるなら、口封じにその2人も一緒に拉致するなり殺そうとするなりしてもいいんじゃないかと(*゚Д゚)
さらにドラマ版からの引き続きの出演となる黒木メイサ
妊娠中だったからなのか出番は少なかったけど、一体何の意味があった??
つうか出すなら他のドラマ版キャストも出せやと( ゚Д゚)㌦ァ!!
中途半端な感じが拭えない(^_^;)
そして一番の問題なのが、彦一が極鵬会とコンタクトを取るための手段。
旅館で宴会をしてるところにホステスを呼んで、調子こいた風間俊介がホステスの夏帆にちょっかいを出して彼氏に電話してるのを見て「お!!こいつの彼氏はやくざだな」と踏んでわざと旅館に殴り込みに来るよう仕掛けるが・・・
それで極鵬会とコンタクトを取ろうとするのはいくら何でもリスクが高過ぎると言うか、不確実性が高すぎると言うか(;・∀・)
さらに何で彼氏がやくざだって分かったのかね???
強引過ぎる(゚∀゚ ;)タラー
渚のシンドバッドっていう選曲もちょっとどうかとは思うけど、施設で老人にその振り付けを教えるのはハートウォーミングなシーンで(・∀・)イイ!!
宇崎竜童はさすがの貫禄で、怒鳴り散らしたり自ら暴行をしたりはしないけど、物静かな中に迫力と狂気性、凶悪性が醸し出てて良かったねえ~イイネ♪d('∀'o)
夏帆も最初見た時は誰だかわかんないくらいに見事にホステスを演じててΣd(゚∀゚d)イカス!
そしてカメオ出演とは言え、堺正章をキャスティングする辺りも素晴らしい!!!
杉本哲太も香川照之も、当然安田成美も大変良かった。
そして今回は子役の使い方が上手かったc(´ω`o)ォヶ
ラーメンを食ってる時に「おばあちゃんは家にいたかったんだよ!!」と言うお姉ちゃんも、エンジンがかからない車の中で家族3人でさめざめと泣いてるところに彦一が現れてから速攻で抱きつきに行く弟も大変感動的。・゚・(ノД`)・゚・。
ただもうちょっと細かいところに気を遣ってくれれば、もっといい映画になったと思う。
ラストシーンで彦一が駅から線路に降りて逃げるのも、妙な懐かしい感じがしました(´∀`*)
エンドロールでおばあちゃんが乳母車を押しながら歩いてくる絵も、高齢化社会を象徴するようなシーンで心に沁みる(*´・д・)*´。_。)ゥミュ
最初の施設の中での糞尿まみれの容赦ないシーン、建物が音を立てて燃える火事のシーン、そして大勢アクションシーンの迫力等々の見せ方もいいし、何より老人を食い物にして金を儲けてる奴等がのさばってることを容赦なく描き、介護とは何か、老いとは何かを観客に問いかけるこの姿勢は高く評価できますわワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
そして草なぎ君の演技も素晴らしい!!!
いい映画ですよ(・∀・)
コメントありがとうございます(・∀・)
確かにそういう見方もありますね(^O^)/
俺の印象では、最初の旅館の宴会は舎弟の風間俊介が出所祝いで開いたことは分かるし、電話がしつこくかかってきてることから草なぎ君が「彼氏はやくざだ」と感づいたのも分かるんですが、これで飛んで来て返り討ちにしたところで果たしてスカウトされるか?ということです。
逆に「あの生意気な野郎を叩きのめせ!!」と返って極鵬会に目の敵にされかねないんじゃないかと思ってしまいます。
やくざだと感づくところでも、単に拘束がきついヒステリックな野郎という可能性もあるし、感づくとしたら例えば夏帆の同僚のひそひそ話を聞きつけるとか、何らかのそれっぽいキーワードが電話の中で出て来ればいいのでは?と個人的に感じた次第です。
それから草なぎ君をぼこった時に香川照之と安田成美に手を出さなかった理由として、くろさんの意見は確かにその通りですね(;´・ω・)
ただあそこまで騒動を起こしたのに、単に香川の啖呵であっさり矛を収めて去っていくのはちょっと納得がいかないと言うか(;・∀・)
確かに経済やくざは表だって方に触れることはしないとは言ってるけど、草なぎ君1人にあれだけ人数を動員してフルボッコにする時点でもう半ばやけくそになってる気もするし、そこまで頭に血が上った状態で他の2人が無事で済むのか?と疑問に思いました。
でも確かにチンピラ1人と地元の名士とでじゃ扱いは当然違ってくるし、その後の社会的な意味合いも全然違うから納得しました(^_^)
ご指摘ありがとうございます<(_ _)>
面白い映画でしたよね。
黒木メイサの起用については全く同意見です。
ただ、初台験さんが粗だと指摘してる部分が自分はそう思いませんでした。
まず、極鳳会とのコンタクト方法ですが、あれは最初からコンタクトを取るためにやった事ではなく、台詞にも有りましたが出所祝いのために舎弟の風間君がセッテングしたものだと思います。
相手がヤクザだという事は夏帆の同僚?が風間君に話してる時に後ろに映りこんでる草なぎ君もリアクションしてる事からこの時にわかったと考えられます。
そして、ヤグザの男との電話は夏帆がかけているのではなく、かかってきています。かなりしつこく。
また、堺正章の台詞の中に海しかない田舎町というワードから考えるとこの町を仕切ってるのは極鵬会だけだと推測が出来ます。(中の人は組の分布図は知ってるだろうし)
つまり、極鳳会のヤクザの男とデキてる女が目の前にいると判断できる状況だと思います。
しつこく電話するほどいれこんでる女に手を出して報復しないヤグザの方が不自然だし、しかもリアタイでヤラれそうになってると知ったらとんで来るのは必然だと思います。
ラストに近い極鳳会と対峙するシーンについては、暴力団内のイザコザで身寄りの無いチンピラが一人行方不明になるくらいならごまかせるしでしょうが、地元の名士の息子で元代議士の弁護士と一般人の主婦二人が行方不明になるのは社会的な意味合いが全く違うと思います。
ただでさえ主人公が極鳳会の名前を連呼して暴れて不正入札の件でも警察からガサ入れが入る(これも台詞でありました)という情報もあり、関係者でもある香川を拉致する事で面倒は増やしたくないでしょう。
経済ヤクザは表立って法に触れる事はしないという台詞も有りました。
よって、極鳳会が手出ししなかったのも不自然とは感じませんでした。