劇場公開日 2013年1月26日

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「さすがは哲太さん。どんな映画に出ても役者人ですね。」ナイトピープル 永賀だいす樹さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0さすがは哲太さん。どんな映画に出ても役者人ですね。

2013年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

難しい

youtubeにアップされた公式予告編動画に流れた

「現金強奪事件」というワード。
佐藤江梨子の「あいつを殺して。お金は二人のもの。わたしは、あなたのものだよ」
若村麻由美のショットガンのガッシャーン!(リロード音)
「予測不能の心理戦×銃撃戦」というコピー。
トドメはサトエリと北村一輝のチュウ。

に釣られて映画館に足を運んだわけですが、まさしく「釣られ」てしまったようです。

最初の方こそ、展開が早くてカットもきれいなバイオレンスサスペンスに仕立てられててハラハラするわけですが、話が進むにつれてリアリティを損ないまくってグダグダに。
ネタバレになるので詳しくは書きません。けど、商店街にアサルトライフル持ち込むとか、唐突過ぎて目を白黒させてしまいます。

確かにコピーでは「銃撃戦」とあるものの、まさかのアサルトライフが登場。M4カービン。(せめてAKにしとけよ)とか思ってしまいました。
まぁ、この辺に入ってくると、ため息じゃなくて苦笑い転じて失笑もどきの爆笑に入ってくるわけですが。レイトショーでシアター独占状態だったので、思う存分笑いながら鑑賞してました。

こうなってしまった要因は、「銃撃戦」と並んでコピーに使われた「心理戦」という言葉の扱い方ではないかと。
映画における心理戦というのは、観客だけが全部知っててキャストは断片的な情報に事実が明らかでないままストーリーテリングされるから成立するもの。
なんか知らんけど少しずつ明らかにされたネタはキャストの共通認識になってしまった場合、ヘタこいたら観客だけが置いてきぼりで「話のスジ読めないよ、バカ!」ってことに。

あと少ーしググってみたら、どうやらオール山梨ロケだったようで。
道理で無理やり感のあるシーンでの銃撃戦だったな、と。ペンションホテルの裏山とか、ちょっとさびれた商店街とか、アクションの見せ場としてはイマイチだなーって思ってたから、ナルホド、と。
たぶん、山梨の人たちには馴染みのある風景で、当地のシアターでは拍手喝采なんでしょう。
ところが残り46都道府県の人たちからするとピンとこないわけで。ご当地映画がブームらしいのだけど、こういう撮り方ってどうなのかな。

まじめに思い詰めたら、「こんな感じに収まらなくね? 衆人環視下で発砲してるし、人死んでるし、どうにも2億円強奪事件の臭いプンプンだし」ってな具合で違和感ありまくり。
ただまぁ、杉本哲太さん一人、最後まで役者してたので、ココは見どころと言えば言えなくもないかも。さすがは哲太さん。どんな映画に出ても役者人ですね。

というわけで評価。

キャスティング:7(サトエリと北村一輝さんが出てるから)
ストーリー:3(バイオレンスサスペンスからドタバタに転じていく展開がツラい)
映像:4(可もなく不可もなく。ちょっと地味)
お色気:3(サトエリと一輝さんのベロチューだけはスケベ)
おバカ:8(さんざんに書いてる通り)

よって総合21点とさせていただきます。
年イチで映画館に足を運ぶ人にとってはまったくオススメできません。
でもガランとしたシアターを独占して映画鑑賞したいという人には超オススメ。

永賀だいす樹