「インドネシア映画」ザ・レイド Editing Tell Usさんの映画レビュー(感想・評価)
インドネシア映画
今回の作品は、インドネシア映画です。
アジア映画の一つの特徴でもある、格闘技をふんだんに使ったアクション映画をご紹介。
アメリカでいうアクションといえば、スーパーヒーローだったり、車や乗り物を使ったもの、あとは拳銃や最新兵器を使ったものが人気があります。
しかし、アジアではその国独自の格闘技を使った斬新なアクション映画がたくさん作られています。
日本に代表されるのは、黒澤明監督や、2011年から2014年にかけて日本でも大旋風を巻き起こした、るろうに剣心シリーズなどに代表される、日本刀を使った殺陣アクション映画です。
この日本独自の殺陣は、西洋でいう剣とは全く作法が違い、クエンティンタランティーノやスティーブンスピルバーグ、クリントイーストウッドなどハリウッドの大物監督も実際に劇中で使うなど、日本独自のアクションとして確立されています。
これもまた、日本の誇りでもある、黒澤明監督が世界的に認められている証拠でもあるでしょう。
そして、中国ではジャッキーチェンや、ブルースリーを代表とするカンフーや少林寺拳法が多くの映画で使われています。
そこから、東南アジアなどのさらに細かく分類された格闘技が映画で使われることが多くなりました。特別に訓練されたアクション俳優たちの見せるアクションは、ハリウッド映画では観ることのできない、極上のクオリティで見ることができます。
今作でも、インドネシアなどの東南アジアで行われる伝統武術シラット(プンチャック)がアクションシーンでは使われていました。その体術としてのスピード技の種類、舞踊でも用いられるという華麗さをカメラで収め、拳銃さえもしのぐ武術として描かれています。
このようにアジア独自の映画にも、世界の人々に見てもらう扉がどんどんと開かれているのが現在の映画界です。
ハリウッドはもちろん、古くから歴史のあるヨーロッパの映画、さらにはボリウッド映画、中国映画、日本人にも馴染みがある台湾映画や韓国映画。
さらにはロシア映画やメキシコ映画、オーストラリア映画、そして東南アジア映画、アフリカ映画と各国にそれぞれの文化を持った映画が存在しています。
言語や俳優は違えど、映像で物語を伝えるという面では全く違わない映画たち。これらがより世界の人たちに広まって、よりワールドワイドに映画としての交流・発展していけば、もっともっと映画界は大きくなるでしょう。
デジタル映画でどんどん製作・配給が簡単にできるようになっている時代なのだから、あとは視聴者の需要が追いついていけば、さらに豊かな芸術が生まれるんではないでしょうか。
ストーリーのことを話すと、主人公が誰なのかはっきりしないところから、人間ドラマの薄さ、アクションに頼り過ぎてしまい、画が飽和化してしまい、飽きが出てしまう。
この映画で何を伝えたいのか、どうやってオーディエンスの目を惹きつけるのかということを統一して行くことが、どれだけ大切で、どれだけ難しいかということがわかりますね。
監督一人ではそれができない。だからこそ、チームとしての映画、そしてさらには視聴者をも巻き込んだコミュニティーとしての映画を作り上げていく必要性がさらに明確になりました。