「反逆の火種」ハンガー・ゲーム U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
反逆の火種
ファイナルを最初に観た。
なぜか縁のなかったハンガーゲームシリーズ
Netflixにて鑑賞。
面白かったとかではない。
よく出来た作品だった。
世界観を紹介するプロローグがとにかく秀逸だった。
明確な階級があり、生活水準は天と地程違う。
一部の貴族階級かと思ってたら、最先端の科学を持ち栄華を極める都市が君臨する。
主人公達の地区は、最低限の生活を維持できる設備しかない。着ている服も質素であり、都市部では原色の煌びやかな衣装となっている。
明らかな差別がある世界。
…虫唾が走る。
政府に支配され、享楽さえも提供される世界でソレに熱狂する市民達。扇動される市民感情とカットニスとの温度差の描き分けが見事だった。
序盤の彼女は常に孤立してた。
何に縋り誰を信じればいいのか、騙されるものか洗脳されてなるものか、そんな眼差しが印象的だった。
ゲームが始まるまでの緊張感…固唾を飲みながら画面を観たのは初めてかもしれない。
ジェニファー・ローレンスの卓越した演技の賜物だと思われる。
ゲームが始まってからは結果も予想はつくのでドキドキハラハラって事もないのだけれど、どんな勝ち方をするのだろうくらいしか思わないのだけれど、ラストに投入される犬だけは、ちぃと疑問だった。
だがそれも、誰が死んでもいいって観点からなら、貴族達の非情さを表らわしてるのかもしれないな。
バラエティ番組で、人が死んでいくのをゲラゲラ笑いながら見てる。そんな悍ましい世界なのだ。
ファイナルまで遺恨が続く大統領が、これまた憎らしく…素晴らしかった。
横顔で指を噛んでる所作のなんと太々しいことか。
途中にルールの変更とかあって、暴動を促そうとしている風にしか見えず違和感を覚える。
建前上、統治が目的なのだがそれとは真逆の発想に思え、どれほど見下されてんのかと怒りさえ覚える。
プロットが洗練されてるのだろうなぁ。
人物の配置や役柄、世界観に至るまで、よく出来た設定だと思った。
中身は醜悪なものではあったけど、第1作目としては申し分ない。ここから、反逆の狼煙があがる。
その火種が誕生したのだ。
明日は2を観よう!
そう思えるのは本作が優秀だった事に他ならない。