ソハの地下水道のレビュー・感想・評価
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エンタメとしては・・・
考えさせられるテーマなんですが、変わり映えしないシーンが続きちょっと退屈でした。
水かさが増してくるところはハラハラしましたが。
せっかく中身のある映画なのに
ベッドシーンで台無しにしている気がします。
私が苦手なせいも有るでしょうが、いくつものベッドシーン、生々しすぎる出産シーンがしんどくて、繰り返し観たり誰かにオススメしたりは出来ないです。
ソハを通して問いかける。
ホロコーストの悲劇を地下水道に隠れ、生き延びたユダヤ人と匿ったポーランド人の実話。
原作を読んでから観たが、映画は正に『ソハ』の地下水道でソハを中心に展開し、苦悩や葛藤を描いた。
だからこそ終盤の『オレのユダヤ人だ』という台詞に重みが感じられた。
そして『人は時に神を使ってまでも人を罰したがる』との字幕で終わり、人の持っている心の光と闇を全て観させられた気がした。
ホロコーストの悲劇の事実だけではなく、人の本当の強さ善、悪とはなにかをソハを通して我々に問いかけてくる。
辛く重い内容だが観て損はない作品。
重いが観る価値の有る、これぞ映画!と言う作品だ!
この映画はアカデミー外国語映画賞ノミネート作品だ。
戦争の悲劇を描いた作品は、世間では必ず大きく取り上げられる事に成る。それは、戦争と言う極限状態の中では、人間の持っている本質がむき出しに晒される為に、そこには、必然的に否が応でも、人間の善人性と凶悪性と言う対局の力のせめぎ合いが必ず有り得る為に、ヒューマンドラマとしては大変に見応えの有る物語が展開され、決して平和な日常生活では観る事の出来ない、様々な人間の本質的な生き方について深く考えさせられる為に、あまたの数の戦争映画がこれまで、映画史の中で大きな位置を占めて来た。
「戦争映画何て物は、夜空の満天の星の数以上に有るさ」と、イヤミの1つも言ってみたくなる程に、世界中の映画会社は、戦争映画を作っては、金を儲けているのだ。
そして、一般庶民である観客は、それらの戦争映画を観る事で、戦争の理不尽さ、非情さに、涙し、戦争は絶対に嫌だと思うのだ。しかし哀しい事に、人類史上、戦争の無かった時代は無いのが現実なのだ!
どれだけ、数多くの戦争映画が描かれても、人々は決して戦争の無い平和な生活の中で生涯を閉じる事が出来ない。
何故なのだろうか・・・???
映画が終わって、映画館の中で、熟年2人連れの女性客が開口一番、「面白い映画だったわね」と大きな声で話し出した。
非常に多くを考えさせられる素晴らしい映画ではあるが、決して面白い作品ではない。
人は戦争は、他所の国の事、自分の事と関係の無い事と思っている、そんな他人意識が、争いを産み出す心の始まりの様な気がした。
この劇中でも、主役のソハがイエス様は本当にユダヤ人だったのだろうか?と疑問視する下りが有る。
いつも、人は神の名を借りて、戦争を肯定してきたのだ!
そして、本当に何時も女性や、子供など弱い立場の人間は殺されていった。
男も、戦争で死ぬのは絶対に御免の筈だが、家族を守る為、国を守る為にと否応なく戦場へと引きずられ、駆り出されていくのだった。
もう、こんな理不尽な、殺し合いなど2度と繰り返す事が無い世の中に成る事を祈らずにはいられない!
しかし、罪の無い善良な一般市民である人々も、磔になるイエスを見殺しにしたのと同様に、人は、我が身が一番可愛いし、臆病で弱い存在だ。
この映画のソハが、地下水道に、ユダヤ人を匿うけれど、その代償に高価な金品の要求をする。
しかし、地下水道に隠れ住む人々の生活に触れていく中で、ソハ自身の気持ちの中に大きな変化が生れて来る。
この気持ちの変化こそが、人が人として生きられる本質の礎になっているのだと思う。
互いの人間の持っている違いを理解すると言う尊い思いこそが、人間に最も必要不可欠な大切な要素だろうと、この映画から思い起こされるのだ。
相手を理解し、受け入れた人間を、人は決して傷付ける事は出来ない。互いの心を理解出来ずに、相手の本質を見ようとしないから故に残酷な人殺しが可能となるのだ。
ラストでソハが、地下水道から隠れて暮らしていた家族を救出したシーンでは、自然と喜びの涙が溢れ出た!ソハの行動をいつも心配し、ソハの行動を何とか止めさせようとしていた、ソハの妻が手作りのケーキを焼いたので、みんなで、食べてくれと、ソハが喜び、ケーキをふるまうシーンは感動的だ。
しかし、その後、テロップで、後にソハが人を助けようとして車に撥ねられ死亡した事を告げる。そのソハが亡くなった事故の原因こそ、ユダヤ人を助けたから、天罰が下ったと言った人がいたと言う。
本当に、人は神をいとも簡単に利用して、罪を他人に着せるのが好きなのだ。
何と、人間は罪が好きなのだろうか?
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