劇場公開日 2013年4月27日

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ラストスタンド : インタビュー

2013年4月15日更新
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完全復活シュワちゃん、生涯現役宣言&州知事時代を振り返る

――あなたやシルベスター・スタローン、ブルース・ウィリスといった往年のアクションスターがいまだに人気があるのはどうしてだと思いますか?

「まず、アクションスターに年齢は関係ないと思う。年を取っても、アクションをリアルにこなすことができれば、観客は楽しんでくれるはずだから。ただ、ぼくらの世代のアクションスターは幸運に恵まれていたとは思う。次世代の人気アクションスターが出てこなかったからね。ぼくの場合は、7年も州知事をやってハリウッドから離れていた。不安だったのは、公僕としての務めを終えてハリウッドに戻ろうとしても、新世代のアクションスターがうじゃうじゃいて、居場所がなくなっていることだった。でも、実際にはそんな事態にはならなかった。役者復帰の第一歩として、『エクスペンダブルズ』にカメオ出演をした。労働4時間の短い出演場面だ。でも、観客はぼくの登場場面で拍手喝さいしてくれた。そのとき、州知事を終えたら、ハリウッドに復帰できると確信したよ」

――どうして「ラストスタンド」を選んだのでしょうか?

「ハリウッド復帰にあたり、ぼくは正しい映画企画と正しいチームを選ぶことを意識した。さらに、映画の製作費に責任を持とうと思った。実は、8000万ドルから1億ドル規模の大作映画を2つオファーされたんだが、断った。ぼくとしては小規模予算の映画から始めたかったからだ。そうすれば、撮影も演出もじっくりできるから良作に仕上がる可能性が高いし、役者の演技力に依存した映画になると思ったからだ。大作映画だとやたらと無駄遣いしがちだからね。だから、ぼくにとって『ラストスタンド』は正しい映画だった」

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――年齢に関するジョークがたくさん盛り込まれていましたが、年相応のキャラクターを演じることに抵抗はありませんでしたか?

「ぼくにとっては、自分の年齢を認めたうえで、それを笑いにすることが重要だった。そうじゃなければ、裸の王様になってしまう。『いまだに30代のアクション・ヒーローのつもりでいるのか!』と嘲笑されてしまう。認めることで、観客の反応も好意的になると思うんだ。『あいつは自分のことを分かっている』とね。年を取ったことを笑いにすると、ユーモアだけでなく、共感が生まれるものなんだ」

――10年ぶりに主役を張った気分はいかがでしたか?

「『エクスペンダブルズ』に先に出演できたのは、とても幸運だった。いきなり3カ月間ものあいだ、主役を演じ続けるのではなく、セットの雰囲気を体験できたからね。共演者はみんなとても親切で、とくにスタローンには感謝している。彼は親しい友人で、政治活動もずっと支援してくれた。もっとも、初期はぜんぜんそんなことはなくて、どっちの筋肉が大きいか、どっちが映画でたくさん人を殺したか、張り合ってばかりいた。でも、あるとき、ぼくらは気づいたんだ。『どうして、こんなにくだらないことでケンカばかりしているんだ?』って。その後は素晴らしい関係を維持している。とにかく『エクスペンダブルズ』シリーズへの出演のおかげで、映画ビジネスのリズムに戻ることができた。そして、『ラストスタンド』の撮影でニューメキシコに入り、銃を撃ったり、ハーネスでぶらさがったり、転がったりしていくうちに、元の感覚を取り戻していったよ」

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――韓国のキム・ジウン監督との仕事はいかがでしたか?

「素晴らしい才能があって、映像派で、しかも、情熱にあふれている。彼の英語はそれほど上手じゃないので、通訳が必要だったけれど、日常会話は全く問題ない。それでも通訳を連れてきたのは、自分の演出を事細かに説明するためだったようだ。だが、撮影開始から1週間ほど経ったら、ぼくは彼の言いたいことが通訳なしで分かるようになった。身ぶり手ぶりを加えて話すし、スタントについて説明する際は、自らジャンプしたり、転がったり、倒れてみせる。まあ、そのせいで、彼はあちこちに体をぶつけていたわけだが(笑)」

――役者に復帰したいま、州知事としての仕事で懐かしいことはなんでしょうか?

「州知事としての任務は、ものすごい挑戦だった。とてつもなく重い責任があり、あのような職務を任せてもらえたことは身に余る光栄だった。毎日30分ごとに、まったく違った題材についてのミーティングがあり、脳はスポンジのようにたくさんの知識を吸収していった。そういう面では、ものすごく刺激的だった。州知事としてのこの要素は、いまでもときどき懐かしく思う。ただ、州知事になるとどんなことでも非難されるという側面がある。ぼくのように目立つタイプは、徹底的に攻撃された。ぼくは右派や左派といったイデオロギーにとらわれず、問題の解決を最優先するタイプだ。州民が求めていることを優先し、党利党略は無視する。でも、議員のほとんどは党利党略で動いている。ぼく自身、政治家のあいだの内紛があれほど激しいとは知らず、ショッキングだった。そんな世界から抜け出すことができて、いまはとてもハッピーだ。映画ビジネスでは、そういう内輪もめなしに、いろんなことを達成できるからね」

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――州知事時代、ハリウッドが懐かしくなったことはありますか?

「実はまったく感じなかった。毎日、職務に邁進していたからね。カリフォルニア州のあらゆる問題に取り組んでいた。カリフォルニア州の人口は3800万人もいて、アメリカで一番大きな州だ。だから、難しい問題が山ほどあった。だから、『ハリウッドに戻りたいな』なんて、のんびり考えている暇なんてなかった。ぼくがもし、ターミネーターのようなマシンなら、昼間は州知事、夜は俳優なんてことができたかもしれないが(笑)」

――引退して、リラックスしたいとは思いませんか?

「ぼくは仕事をしているときに、最もリラックスできるんだ。子どもの頃から『人の役に立て』『働け』と言われて育てられた。だから、6時間も睡眠を取って目を覚ますと、自己嫌悪に陥る。ベッドで時間を無駄にしてしまった、とね。すぐにベッドから飛び出して、なにかを始めることにする。ぼくは、仕事をしているときが最も幸せで、責任を負うことも大好きだ。だから、リタイアという言葉は、頭をよぎったことすらない。リタイアなんて、単純に時間の無駄だと思うからだ。好きな仕事ができているのなら、どうして辞める必要がある? リラックスして、いったいなにをすればいいんだよ(笑)」

(取材・文/小西未来)

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