黄金を抱いて翔べのレビュー・感想・評価
全50件中、21~40件目を表示
予告だけ面白いパターン
冒頭は引き込まれ、登場人物紹介的な前半は興味深く鑑賞できた…のが嘘のように途中からテンポダウン…終盤はかなりつらく無理をしてやっと観終えました。
取って付けたような悲劇が2、3起こるも泣くに泣けず…
娯楽作にもハードボイルドにもなっておらずすべてが中途半端。
面白くなりそうな要素があっただけに非常に残念です。
モタモタしすぎ
金を盗むミッションがモタモタしすぎなのが緊張感を削いでいる気がした。
浅野忠信の奥さんが浮気をしていることが匂わされるのだが、あっさりしすぎていてどういう話なのかあんまり分からなかった。
フィルムっぽい映像の質感はよかった。
泥臭い侵入+大阪弁の精度
初版1990年(文庫は1994年)、それまでの自分の人生で初めてのめり込んだと言える(そして今も”好きな小説のスタイル”のベースとなっている)小説が原作、時間を経てこの時代に映画化、となると一応観ないわけにはいかない。高精度な原作の筆致と比べると、削ぎ落とされたシーンや思想もやっぱり多かったけれど、逆に映像化されることでまざまざと思い出せたシーンもあり、素直に楽しめた。登場人物それぞれの描き方も手を抜かず、原作読んだ人も満足したのではと思う(以下ネタバレ)
■ 連絡やり取りに通信機器は出てこない
新鮮なのは(時代考証からは当然ながら、)携帯電話が一度も出てこないところ。ポケベルやPHSももちろんなし。待ち合わせ場所は基本的に口頭で伝え、どうしても必要な連絡は固定電話。携帯電話(やBluetoothマイク)で連絡取り合うドラマや映画を観すぎているのもあって、逆に泥臭さをかもしだしてくれていた。しかしこの時代に合わせて、不自然な進行にならないようにスムーズな構成にするのは、けっこう大変だったのでは
爆弾作成の材料をそらんじる春樹は「メモは取るな」とモモから忠告を受けている。まあこのあたりは、通信手段に加えて、犯罪計画だから隠密に進めなければならないのもあるだろう。(僕は小説を読んでいて子供ながら「そうか、メモを取ってはいけないくらいまずいことをしているのか」とドキドキしてページを進めたのを憶えている)
そういえば、ポケベルが流行りだした時代とかぶってなかったっけ、と思って調べると、ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」の時代(1993年)は、小説発売の頃(1990年)よりもう少し後だった。「だいぶ昔で、だいたい同じあの頃」という自分の記憶がいかにあいまいか。もちろん携帯電話が日常で使われる時代が舞台なら、この小説の空気感ももう少し変わっただろうな
■ 現場侵入の泥臭さ
現場の見取り図が手書き。これも現代ドラマ/映画だと、なぜかチームに1人はいる"IT担当"が基幹システムをハッキングして、「見取り図をあのスクリーンに表示します」などとやるものだが、、おそらく北川が定規片手に描き上げたであろう見取り図が何度か登場して、変にリアル
「守衛を1人ずつおびきよせて殴り気絶させる」をなぜか丁寧に描写。侵入シーンは、緻密なチームプレーができたことを示せばいいはずだけれど、監督がこのあたりの細部も描きたかったのかもしれない。とにかく、銀行内の面子がどんくさいなあと思いながら観ていた
■ 侵入計画以外の背景描写
本筋の侵入計画とはまったく別方向のベクトルを持ち、異様な存在感を示す「青銅社」周り。幸田や北川との過去の関係はあいにく描かれていなかったけれど、山岸の外観など、「何だかよくわからない彼らの雰囲気」はいい感じに映像化できていたと思う
いわゆる左翼とは、という背景知識も必要なのだけれど、小説を読む当時はよくわからなかった。今思えば、この作品の世界観を彫り出すもう一つの側面であることは確か。カトリックの教会や聖書の登場と混ぜ合わせると、いわゆる「転向」も深いキーワードの一つになっている(と思う)
■ 大阪弁の"精度"
さすが井筒監督作品というか、中途半端な大阪弁が一度も出てこずで満足。関西出身の役者をそろえて「正確な」関西訛りを聴けた。ギャンブルのシーンで青木崇高さんが放った「いねや」なんて、久々に聴けた
西田敏行さんもほんとうは味のある訛りで話せるはずだけれど、チームの中で関西弁を話すのは野田(桐谷健太さん)だけという設定なので、標準語。しかし完璧に役にはまっていた
個々を観るのはGoodですが、作品的には可もなく不可もなく
原作を惚れ込んだとの井筒監督発言もあり
未読のまま鑑賞。
妻夫木くんに始まり、浅野忠信・チャンミン・桐谷健太それぞれが
良い味は出してます。
ベテラン陣はなおGoodで
・・・がそれが思ったほどGoodな感じな作品に上がってなかった。
原作を見ずとも先が読めすぎて
ドキドキしないクライムサスペンス。
演者の熱意だけで2時間超は少々な感がします。
小金を抱いてATM。
原作本はまったく読んでいない。
本編からイメージされる原作者がとても女性とは思えない
ほどの、ハードボイルド系だなぁと感じた。
まぁ監督が井筒だからということもあるんだろうけど…。
最近流行りの(というか目立ってきた)ゲーム感覚で強奪戦!
という楽しい強盗映画ではない。
緻密に張り巡らせたコンピューター主導の頭脳戦でもない。
血肉から滲むような汗と暴力と虚無と孤独が綯交ぜになった、
何とも形容しがたい切ない気分になる作品。
決して格好よく描かれる話ではないので、失望感は膨らみ、
ガキのような性根を持つ役柄を演じたキャストたちが光る。
演出はいかにも井筒印なので、好き好きは分かれると思う。
うーん。私的にはつまらないとも最高ともいえない作品だった。
ドラマ的要素が強く各々の感情に入るかと思いきや、時間的に
余裕がなかったのか^^;勿体ない流れを余儀なくされた感じ。
前半がやけにダラダラしているなーと思ったが、
チャンミンが演じたモモのくだりではハラハラさせられる。
で、このチャンミンがやけにいい。(顔が、って意味じゃなくて)
主人公の幸田(妻夫木)とのやりとりが、かなりの切なさを醸す。
男同士の…^^;っていう、危うい感じも巧く描かれている。
浅野忠信をはじめ、似合っている(というか巧い)役者を揃えて
演出もそれなりに(原作に忠実らしいし)悪くないので、あとは
いわゆる暴力(まぁこればっかりじゃないんだけど)という描写
の限界を、どこで観る方が持ち合わせるかの判断に依る感じ。
もうこれは、好きか嫌いか。の問題だけなのだ(しつこいけど)
スッキリしないといえば、なんだあの盗み方は!(爆)と
思うほど子供っぽい。やることは派手だが、バカじゃねえの!と
思えるほどガキっぽさが目立つ。計画の段階でかなりイライラ
させられること必至、さらには実行前になんで!?と思われる
展開が相次ぐ。人が死ぬ。仲間も死ぬ。それでもやるのかよー!
…っていうここが、おそらく最も描きたかったところなんだろうな。
黄金を抱いて翔びたい!わけよね、とにかく。
昔(っていうか大昔ですか)当時流行っていた歌のひとつに
「飛んでイスタンブール」という庄野真代の歌があった。
それをTV番組の視聴者が「飛べずに、新小岩」ともじって投稿し、
子供だった私は大爆笑した思い出がある。それを思い出した^^;
(ごめんなさいね、新小岩はいいところです)
しょせん自分は…。と置き換えて例えるとキリがない。
一度でいいから!と夢(ともいえない夢)に賭ける男たちのドラマ
がきっと、こういうことなんだろうなーと。不様を晒す度胸がいい。
(安室奈美恵の主題歌がカッコいい。この作品で一番カッコいいぞ)
モモが可愛いです。
観終わったとき、サスペンス?と思いました。どちらかというとアクションプラスドラマといった印象です。強盗を実行しているシーンは、どうなるんだろう、というハラハラはあっても、どうやるんだろう、というハラハラは無いです。ある意味安心して部外者のように外から観れます。まあ実際部外者なんですけど。
あと、主要登場人物がほぼ男だけというのもあって、モモがヒロインに見えます。ヒーローが幸田ならヒロインはモモだと思います。ある意味主役のような美味しいポジションでした。大変可愛いです。というかモモと幸田の関係が、なんというか、愛情を感じてほろっときました。教会で鯖寿司を食うシーンだけは泣いてしまいました。
残念だったのはハルキ?だったかな?弟くんが、銀行強盗に関してほぼ何のプラスの役割も発揮せず、ハッキリ言ってお荷物要員だったことです。あれはあれで必要な役回りだと思いますが、それなら予告編でカッコ良く強盗メンバーに並べないで欲しかった。特殊スキルを生かすわけでもなく、参加したのも子供が仲間外れにされたくないというような動機に見えます。
予告編の溝端くんがかっこ良かったので無駄に期待を寄せた分ガッカリしてしまいました。
話全体としては良かったと思います。どう収拾をつけるのかと思っていたら案外あっさり終わってしまったのですが、それでも観後感は悪くないです。
誰とは言いませんが結局一番臆病な奴が生き残るという結末も個人的にはしっくりきて良かったです。
好みの問題?
久しぶりにつまらない映画だった。
好みの問題だとは思うけど、ドキドキもハラハラもなく感動もない。
なんとなく先が読めて盛り上がりもない。淡々と過ぎてゆく感じ。
内容の展開も強引過ぎて着いていけない。
でも、さすがに井筒監督?アクションシーン(喧嘩のシーン)は迫力がある。
自分的には、わざわざ映画館で見なくてもって感じかな?!
黄金に体を張れ
暗闇の金塊のようにずしりと重く硬質なサスペンススリラーだった。
『オーシャンズ11』や『ミニミニ大作戦』などの痛快洒落な強盗モノではない。
それよりも、
競馬場での強盗計画を練る男たちが内部崩壊してゆく傑作ノワール、
『現金(げんなま)に体を張れ』に匂いは近い。あんなトリッキーな構成では無いが、
自分の抱えるものに追い回され、互いに疑心暗鬼を募らせる様が似ている。
そもそも彼らはどうして金塊強奪なんて目論んだのだか。
確かに誰も彼も裕福では無いが、あれほどのタフな連中なら食いっぱぐれる事は無さそうだし、
(2人ほど常に殺されかけてるのはいるが)
何より金(かね)に対する執着が彼らからはあまり感じられない。
きっと彼らは、自分の命を全て擲(なげう)てるだけの大勝負をやってみたかったのかもしれない。
誰かの為に働くのではなく自分の為に、命を張るに値する仕事。
一生裕福に暮らせるだけの金が欲しかったのではなく、
『己の力で途轍もない事を成し遂げた』と誇れるだけの仕事が欲しかったのだと思う。
自己破滅的でどんよりした眼をしていたハルキは、
計画に参加してから生き生きと眼を輝かせ始める。
国から追われ、家族も奪われたモモは「国が絡まないから楽しいよ」と微笑む。
似た者同士の幸田と友情のような絆で結ばれてゆく様も良い。
字数の都合で泣く泣く省くが、野田と北川も人間臭くて良かった。
最も複雑だったのは“じいちゃん”。
僕には、彼が息子への罪滅ぼしに最後の仕事を引き受けたように思えた。
彼は金塊に大した興味は無かったのかも……と思わせる一方、
端金(はしたがね)を得る為に息子達を危険に晒してもいる。
彼は、そんな自分が厭だったのだろうか。
終始疲れ切ったような表情が悲しかった。
ハードなアクションや肝心の強盗シーンも見応え十分。
強盗計画に緻密さが足りないという方も多々おられるが、
ガチガチに固めた計画ほど不足の事態には素早く対応できないものだ。
なにがしかの仕事を成し遂げる人というのは、完璧と思える計画を立てつつも、
多少のアクシデントはゴリ押しで破砕するだけの勘と度胸を持つ人だと思う。
ま、それでも金庫室前でのやり取りはノンビリし過ぎだと思ったけどね。
人との距離感は近いのにどこか殺伐とした大阪の空気も映画にマッチしていた。
……ちょっと大阪の街が怖くなったのは内緒の話です……。
<2012/11/11鑑賞>
男前ばっかだ!
男前ばっかだもんな⁈
ドラマの中身は大盛だけど、井筒監督も映画の中身盛りすぎて、全体のリズムが繋がってこないわ。ハラハラ感が無くて、映画なのに小説の文章をくりながら観ているようだわ。高村薫さんに遠慮したのかな〜?男前見られるし、よく知っている大阪の街が登場だし、由としましょう!そうだ、銀行の地下金庫はバールではこじ開けられません。笑いましたよ!
(^_^;)
ロマンは代償が伴う。
時間をかけているわりには下見~準備が簡単というか雑。
幸田の過去をサラッと流し過ぎ。
作戦実行はかなり強引。
爆破量は多いがワクワクはしない。
疾走感、達成感も無かった・・・。
それでもエンディングの余韻が奥深く感じられたのは、
金塊の重みに負けない生きることのダメージが伝わったから。
暗中模索を抱えた男たちが辿り着く"結果"の生き様が、
観賞後に胸の奥に沈澱した。
誰の子なのか?という視点
レビューを読むと
登場人物の掘り下げ浅い、という指摘が多い。
確かに同感。
だから、原作未読とお断りのうえで、こうだったら良かったのにという仮定で
勝手に人物像を掘り下げたので記録に残す。
あくまでも私的見解なので、んな訳ないやろぉな話。
まず、北川(浅野)と弟(溝淵)のぎくしゃくした関係。
金塊を前に北川が幸田(妻夫木)に大人になっておたふく風邪になり子ダネがないと話すシーンがある。
実は、妻は義弟とプラトニックだが不倫をしているのだ。(繰り返すがあくまでも私的見解)
それを気づかずにいる振りで家庭円満に過ごす北川。可愛がる息子が実は弟の子ではないかと、心の奥底で疑っている。
一方で自分を罰したくて手首を切り続ける弟。
妻は、偶然産婦人科の前で幸田に会うと、悪びれる事もなく妊娠中だと話す。
それを聞いた幸田が無意識な部分で嫌悪感を感じて欲しいが
残念ながらそういう画はない。(あくまで私的見解だから
)
だがこれで、葬儀の後「全部無くすと楽だ」と言う北川の妙なあっさりした台詞に、
ずっしり重みを持たせることができる。
ただこの解釈には金塊の前で子ダネの話を聞いた幸田の反応が無さすぎて、成り立たないか。
せめてあそこに、産婦人科前の妻と手首の切り傷を隠す弟の画のインサートがあればなぁ〜。
次に爺さん(西田)と幸田の関係。
実の父の顔を最後まで忘れていたという設定は、まあ解るとして
子供の時教会に放火をし、そのあとの記憶が曖昧な理由が描き足りない。
母親が教会で逢い引きしていたのは、浮気相手だ。
子供の幸田はそれが許せなくて火をつける。
母はそれを知っているが、自分の夫が息子を庇って自首するのを止めない。夫が居なくなる事が都合いいからか?
浮気相手の素性は明かされない。火事で死んでないのか?
3人の写真をきっかけに、「父さん…」と記憶が戻り慟哭する幸田。
写真が記憶が戻るきっかけなら、
せめてこの写真にエピソードが欲しかった。
例えば、
撮ったのが浮気相手だとか。
父は自分の事を浮気相手の子供ではないかと疑っていたとか。
残念ながらこの画もない。
爺さんが幸田に父親似かと聞くシーン。
自分に似ていて欲しいという願いがこもった台詞と思いたいが、余り伝わっては来なかったな
爺さんはなぜモモ(チャンミン)を公安と北の二重スパイに売るのか?
公安がそれほど怖いのか?
ここにもエピソードが欲しかった。
例えば、
妻の浮気相手の持ち物にハングルがあったとか。だから今も誰かれ構わず許せないのだとか。
これは少し飛躍し過ぎてます。すみません。
映画を観てもうひとつだょっていう時は、
制作者への感謝をしつつ
自分設定で楽しみましょう!
おもしろい
非常におもしろかった。 計画の細かさと大ざっぱさのバランスが良かったと思います。 モモ役のチャンミンが男から見てもとてもかわいく、モモによってのみ幸田の気持ちが起伏することに説得力がありました。 ただいろいろな出会いの偶然が多すぎるのが少し残念。 また大阪らしさを出すためか、おばちゃんが会話に割って入ってくるのが良いとは思えませんでした。
タラバの押し売り?
作品のチラシに「計画は完璧なはずだった」とある。たしかに、はずだったでぜんぜん完璧じゃない。リーダーの北川は知的には見えない。度胸で突っ走るタイプだ。だって、金塊に通じるドアが二つあって「どっちにする?」とか、金塊の入った金庫を開けるのはバールで力任せだし。「きん」を「かね」に変えるのもルートがないと困難だろう。作品中で人が死ぬって結構ポイントであったりするが、人間関係がはしょってあるから死んでも心に届かない。まあ、監督としてはそこがねらいじゃないんだろうけど。本作は監督の心根同様、力技の金塊強奪に中心があるのだろう。監督には「のど自慢」という笑って泣かせる作品があって自分的には感動したけど、あれって監督の作品では異質だったのかな。
テンポよく
予告が気になって見に行きました。
カッコいい役者ばかり集めた感もありましたが
小気味よいテンポといろんな複線を張り巡らして
引き付けるのは流石ですね。
いつも歩いている街をこんなにカッコ良く
撮ってるのもgood。オチが結構早く
わかったのだけが残念。
アクション映画好きさんと、大阪舞台の作品好きの方にはお勧め映画だよ!
井筒監督作品である。画面からは、男の体臭が臭って出て来るようなコテコテの殴り合いアクション活劇ですわ。
もう、殴り合いの連続てんこ盛りで、血しぶきドピューッと出るわ、出るわで、痛そうで、痛そうで、もう観てられんと言いながら、目を手で覆った隙間からジーット覗き見したくなる様な迫力に押される映画だった。
「なにせ、井筒監督さん、私ら観客はチケット自腹を切っていますからね、本当は、嫌いな残酷な暴力シーンが有っても、私は我慢してお金出した分観ないといけませんから、そこのところ、これから宜しく頼みますと言いたいな!」と釘を刺しとかんとね!
そんな事言ったら、「別に、あんた観なくてええよ!」と監督の怒鳴り声が返ってくるのかな?
しかし、この映画、普通に銀行強盗だけしてくれる、映画で良かったと思うのだよね!
何も、春樹とチンピラの喧嘩話しが無くても、それぞれの才能を悪用する事でタッグを組んだ強盗プロ集団の話しなら、もっともっと緻密な計画性の有る銀行強盗準備をするところを面白い、
話に膨らませて欲しかった。
予告編のイメージからは、一癖二癖と、皆訳有り人間が、各方面から、それぞれの才能を提供しながら事を成し遂げていく話しのような気がしていたが、どうも違っていたようだ。
妻夫木聡は、どうも『悪人』出演辺りから、結構善人キャラから、悪人と言うか、犯罪者役へとその役柄が、段々とシフトして来たが、この作品の幸田も正直いくら、喧嘩が強くて、腕力を効かせて演じても、彼の甘いマスクの為か、それとも声質の問題かは私には解らないが、どうもこの路線はこの辺りで、止めて置いた方が良いのでは?と思ってしまうのは私の身勝手な主観だけなのだろうか?彼のファンは、どう思っているのだろうか?
幸田に、銀行強盗の話しを、そもそも持ち掛けた張本人役の北川を演じる、浅野忠信は今ではハリウッド映画でも、準主役を演じるまでになった個性派キャラの、演技派俳優で、私は昔から彼の作品が好きで、彼の映画を沢山観て来ていて、正直この映画も、浅野忠信狙いで観に行ったのですが、今一つ準主役である筈の、北川のキャラが巧く描ききれていなくて残念だった。結局登場人物が多くてそれぞれのキャラクターが描ききれていなかったと言う難点がどうしても残り、観終わった後は消化不良を起こした状態でした。あーぁ残念!
北川だけが、銀行強盗をする事を一人楽しんでいるように見えて、何か悪友達との、悪ふざけの子供の遊びの延長戦のようだった。
大阪の警察もいくら何でも、あんなアホじゃないし、コミック漫画を再現している様な映画だったけれど、みんな俳優さん達が、凄く頑張って演じている、その熱意と言うか、意気込みのような迫力だけが、画面に溢れ出していた。しかし、こんな無計画で生き当たりバッタリする強盗映画なら、いっそうの事、完全なアニメ映画にするか、もっと馬鹿げた完全コメディー映画で良かったね。折角ハリウッド映画に出演キャリアの有る、浅野を起用しても、この映画では、世界のマーケットには残念だけれども、評価されませんね。もっと娯楽性を追求して欲しかった!
ニガい後味がいい
痛快というわけにはいかない、乾いたニガい後味。たいへん結構でした。
リーダー・北川の下に集められた男達による、銀行に眠る金塊強奪のてん末は…。
準備段階からずーっと、ハラハラし通しです。
豪胆な北川の暗い情熱に思い至った時、観てきた状況がまるで違うもののように感じられました。
幸田だけには、どうしようもなく分かって欲しかったんだろうか。その辺、何も言及されないからはっきりしないけど。もやもや想像するのも楽しみのうちなので、当分原作で答え合わせはしないでおこうかな。
よくぞ!と思う、役柄にぴったりのキャスティングでした。
幸田を演じた妻夫木聡がとても良かったですし、モモ役のチャンミン、溝端淳平、中村ゆりも印象的でした。
幸田とモモが下見している時、切ない悲しい事をなんて普通に話してるんだと思ったら、グッときてしまいました。
浅野忠信と西田敏行は、貫禄十分でした。
幸田サイコー!!
1回目は、楽しみにし過ぎて舞い上がってしまっていたので、わからない部分もあったのだけれども、今日2回目に見たら、集中して見れたので、かなり理解できて、より面白かったです!!
そして、幸田がサイコーです。今日は、幸田の色んな感情を考えて見れて、本当に素晴らしかったです。
妻夫木くんの演技がどんどんすごくなっていて、引き込まれます。
まだまだじっくり見たいので、あと何回見ようかな(*^.^*)
井筒監督は20回って言ってたけど…とりあえず、今のところ2/20です(^_^)v
皆さんも、是非劇場であの迫力を感じて下さい!!
本格犯罪映画の醍醐味と男たちが織り成す重厚なドラマにノックアウト!
高村薫のデビュー小説の映画化。
大阪の銀行の地下に眠る金塊の強奪。
「黄金の七人」や「オーシャンズ11」のようなエンターテイメント要素たっぷりの内容かと思いきや、意外や意外、シリアスでハードな展開に度肝抜かれる。
後半は監督・井筒和幸のエネルギッシュな演出が冴え、ハラハラドキドキの本格犯罪映画の醍醐味たっぷりだが、前半は計画に参加した男たちのワケありのドラマが重厚に交錯。
借金を抱える者、命を狙われる者、暗い過去を持つ者…。
金塊の名の下に集い、それぞれの人生と相対する。
裏切り、思わぬ邪魔、トラブル、友情と過去との対峙…。
それらを打破するかのように実行される綿密で大胆な計画。
その末に男たちは何を抱いたのか?
妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、東方神起チャンミン、西田敏行、誰一人浮く事なく気合いの入った演技を披露。
20年前雑誌掲載時から映画化を狙っていた井筒和幸の意気込みを感じる。
騙されちゃいけません。
クラシックなギャング映画のようなタイトル、イケメン揃いのキャスト、安室奈美恵の軽快な主題歌などから、スカッとする犯罪映画を期待すると、カウンターパンチを喰います。
これはやはり、高村薫原作小説の映画化と思って見たほうがよいかもしれません。
痛々しい暴力、捌け口のない不満の連鎖、映画が終わっても澱んだ不安感が残ります。陰鬱な映画で、ズシンと下腹に来ます。
ただ、警察や警備員のあまりに杜撰な対応に「いくらなんでも甘く見すぎじゃないかい?」と思うところが多々あり、こんな酷い対応まで予め計算できるはずもなく、大銀行から大金塊をせしめるにはあまりにも無計画、楽観的すぎると言わざるを得ません。
犯罪映画としてはその点が残念でした。
全50件中、21~40件目を表示