「絶妙の距離感」新しい靴を買わなくちゃ テツコさんの映画レビュー(感想・評価)
絶妙の距離感
フランスロケを敢行した作品。物語は最初から最後まで全てパリが舞台。
妹の付き添いでパリへ旅行にやって来たセン(向井理)が、現地に住む女性アオイ(中山美穂)と偶然出会う話。
映画はほとんどが向井と中山2人の会話で占められている。知り合って間もない男女が徐々に惹かれていくさまが実に上手く描かれた印象。
熟女と青年のわずか3日間の関係、岩井俊二らしいリアルなタッチが心地よい。大人の恋愛だけどキスすらしない、相手を気遣う遠慮がちな距離感を表現した演出が絶妙、身近で感情移入できる。そういや初対面でひと目惚れってこんな感じだよね。
センがちょっといなくなっただけでうろたえるアオイ。そのなにげない仕草がなんともいい味出している。ミポリン43歳、まだまだいけるなぁ(笑)ドーンとした感動があるタイプではないけど、気が付くとわけもなくしみじみ泣けている、そんな感じの映画。
劇場公開時は記録的な不入りで全く話題にならなかったけど、たとえヒットしなくてもこんないい作品ってあるんだなぁと改めて確認。
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