「マイノリティリポートとプロットは同じ」プラチナデータ うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
マイノリティリポートとプロットは同じ
犯罪捜査において革命的な発明が生み出され、社会が適応し、法律が作られ、やがて人間がそれに振り回されて行くという、ありがちなストーリー。
見るべきは、二宮和也の二重人格、鈴木保奈美の動機を内包する怪演、豊川悦司の有能なベテラン捜査官の説得力、そして水原希子の不思議な透明感。
これらの演技が絶妙のバランスで重なり、映画全体の世界観を醸している。
残念なポイント
「実は、主人公は二重人格でした」
この設定に尽きる。
「自らが生み出したシステムによって追い詰められていく」というストーリーの骨子が、二重人格という設定によって揺らぎ、どうでもいいものになっていく。
むしろ、二重人格者ゆえの苦悩に焦点を当て、それを軸にストーリーが最後まで進行していくのだから、プラチナデータの設定は不要なものになってしまう。
本来であれば、「開発者が殺人で捕まり、否認。それを不審に感じたベテラン捜査官が、国家レベルの陰謀を暴き出す」という骨子のプロットこそが、「プラチナデータ」のタイトルにふさわしいし、観客はそれを期待していたと思うのだが。
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