ベルフラワー

劇場公開日:

ベルフラワー

解説

世界滅亡を夢見る若者たちの友情、愛と憎しみを幻覚的なビジュアルとサウンドを駆使して描く異色の青春映画。働く気もなく恋人もいないウッドローとエイデンは、映画「マッドマックス2」に登場する悪の首領ヒューマンガスをヒーローと崇め、映画に描かれた滅亡後の世界を夢見て、ひたすら戦闘用改造車のチューンアップと搭載する火炎放射器づくりに明け暮れていた。やがてウッドローには恋人ができるが、その恋人に裏切られると、怒りと絶望から狂気へと駆り立てられていく。

2011年製作/105分/アメリカ
原題または英題:Bellflower
配給:キングレコード、ビーズインターナショナル、日本出版販売
劇場公開日:2012年6月16日

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(C)2011 Bellflowerthemovie, LLC

映画レビュー

4.5殺伐した気分によりそってくれる気のいい友達みたいな映画。

2021年4月30日
PCから投稿

なぜか最近、この10年近く前の映画を思い出す。バーで知り合い、コオロギ食べコンテストで戦った女と恋に落ちた男が、こっぴどくフラれ、失恋の痛手に苦悶し、『マッドマックス2』の悪党ヒューマンガス様に心酔していく。なんだこりゃっていうプロットだが、「いいことなんて何もねえ!現実なんてクソだ!」という憤りを、みごとなまでに悪的な映像に昇華させていて、そもそもの悩みが身もフタもないことだけに、どことなくバカげていて可笑しい。なにかが壊れたような映像を作り出すために、実際にカメラを落としたりして壊してみたというどうしようもないエピソードも愛らしい。

ああ、このコロナやら不景気やらなんやらでウンザリばかりが高まっていく昨今にあって、この映画の「クソが!」という気持ちこそ、アートとしてふさわしいのではないか。そんな極論も唱えたくなるくらい、殺伐した気分に寄り添ってくれる気のいい友達みたいな映画だと思う。

ちなみに本作以降名前を聞かないと思っていた監督・主演のエヴァン・グローデル、なんと新作2本が待機中のようで、日本公開を望みます!

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村山章

3.5イカれてて愛おしい

2019年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

ボンクラ青年が自身の失恋体験を映画にして昇華させたというセラピー映画。
でもボンクラなので、マッドマックス2とラブストーリーを合体させちゃうっていうのが、超イカれてて愛おしい。

この映画のためにマジの火炎放射器や、ガチのスーパーチャージャー搭載車メデューサを作っちゃうバカっぽさも最高。

まさに一人マッドマックス。

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青空ぷらす

3.0コオロギ早食い選手権

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 仲間たちと一緒にバーで飲んでいたとき、ミリー(ワイズマン)という女と知り合い、深みにはまっていったウッドロー。しかしまぁ、最初からイカれた奴たち。好きになったきっかけというのも、バーの主催で、コオロギ早食い選手権が行われたこと!ミリーは生きたコオロギをばくばくと食いはじめ、ウッドローは一匹も食えずに吐き出してしまった・・・

 次の日に初めてのデート。テキサスのサイテーの店に行こうと決めた二人は何日もかけてデートを楽しむ。マッドマックス風のレトロなバイクを見つけたが、車で運べないので、車と交換でバイクを手に入れた・・・。途中まではある意味純情で、セックスしない二人だったが、ようやくベッドイン(しかし、ウッドローは下手)。ユルい展開ではあったが、恋人同士になったかと思うと、いきなりのミリーの浮気。とはいっても、その相手の男マイクは最初からミリーと同居してたみたいだし、関係がよくわからない。ショックを受けたウッドローはよろよろとバイクにまたがり走り出す・・・と思いきや、いきなり車と衝突。退院してきたウッドローを慰めるべく、エイデンと付き合ってたコートニー(レベッカ・ブランデス)がやってくるが、慰めるうちに身体の関係を持ってしまう。しかし、親友の絆は簡単には壊れない。そんなとき、マイクをバットで殴り殺してしまったエイデン。元々危うい希薄な人間関係も崩れてくるのだ。そして精神的におかしくなったウッドローは狂ったような妄想の世界へ突入する。そこではミリーをナイフで切り刻み、コートニーが自分の頭を銃で撃つ。

 ユルい展開から一気に狂気の世界へ。失業中なのか、仕事は皆やってない。そんな時、火炎放射器に夢中になる連中が厭世観たっぷりに行動する。しかし、破壊主義者ではない。どことなく優しく、かっこいい・・・

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kossy

3.5心底、病んでる

2018年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この狂い方は、なかなかお目に掛かれない。ちょっとびっくりした。前半と後半でまったく印象が変る。しかし、そこに至るまでの流れはある。
中途半端な女をメインにひっぱるので、おかしいなあ、とは思っていたのだが、絶妙ななキャスティング、とも思えてきたところ、やっぱり汚れる、という。
心底、病んでる、あるいは病んだ経験がないと書けそうにもない脚本。復讐にヒゲタトゥーは普通の生活している人には思いつかない。コーエン兄弟のような計算した、狂い方、ではない。整合性のなさはある意味すごい。
ぼやけているし評価は難しいが、驚き、はあった。

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okaoka0820