私が、生きる肌のレビュー・感想・評価
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アルモドバル版「ブラック・ジャック」の悲劇
予告編だけ観ると、
かなりエロティックな印象を与えるが
本編では、その印象はかなり違った
それは、おそらくアルモドバルの色彩感覚によるもの
同じ物語を、カナダのクローネンバーグ
(戦慄の絆)や
ニューヨークのデ・パルマ
(悪魔のシスター)が撮ったら
かなり陰気な演出になったに違いない
小道具やセットの組み立て方、使い方も秀逸
顔の描かれていない裸婦像、
針金で縛り上げ形づくる盆栽
わらで作られたマネキン
ピーピング(覗き)をイメージさせる
幾つものモニター
具体的にエロスを描き出す場面は少ないものの
こういった幾つものディテールを繋ぎあわせて
観るものの頭の中に印象を作り上げるのは凄い
ストーリーと登場人物
これはもう手塚治虫の世界だろう
この映画の筋と似たようなエピソードは
「ブラック・ジャック」のなかにはいくつもある
(すくなくとも片手の指の本数ぐらいは見つかる)
各登場人物の風貌も、どことなく手塚の描く
キャラに似てなくもない
もしかしたらこの映画
アルモドバル版の「ブラック・ジャック」
なのだろうか
それも悲劇の。
狂気と倒錯。
原作とは違う結末のようですが、予備知識無しで観た方が楽しめると思います。狂気と倒錯のストーリーにゾクっとしました。エレナ・アナヤの美しさが、後で何ともいえない後味に…。音楽と衣装も秀逸。
すごい見ごたえ
まさかこれがあれでああだったなんて!と見ていて驚きの連続だった。場面はとても淡々と進み、とても普通のトーンでとんでもない事が描かれるのでビックリした。とんでもない内容ながら人々はとても自然に存在していてリアルで、その分ぞっとした。
後で監督はゲイだと聞いて、大変腑に落ちた。とても面白かった。
医者の横暴が身を滅ぼす因果応報物語
最先端の医療技術を使った猟奇ものでもなければ、監禁された女が逃亡を図るわけでもなく、変態医師によるSM調教でもない。
火は熱くなくても叩かれると痛い皮膚って何みたいな矛盾のゴリ押しは許すとしても、中盤の面白くもないただのアホみたいな男の挿入にはうんざり。そのうえ、スピードもスリルもない演出で、作品の世界に入ろうにもなかなか波長が合わせられない。中途半端なAVを見せられているようで面白くもなんともない。
監禁された女の正体も、観る前から想像していた通りの結果で、サスペンスものとしても騒ぐほどの意外性はない。
ただの古臭い、医者の横暴が身を滅ぼす因果応報物語だ。
ベラ・クルスが綺麗だったのと、張り詰めて危なげな弦楽器が印象的な音楽に★ひとつプラス。
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