日本沈没(1973)のレビュー・感想・評価
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パニック映画の金字塔
原作に忠実、映画ならではの迫力は半端ない、幼少期とは言え戦争の地獄を体験した世代が創っているから尚更である。黒澤組の流れを継承しているプロ中のプロが結集し俳優陣も重みが違う。特に800ページを超える壮大なドラマを144分に見事に凝縮した橋本忍さんの脚本が凄いのは勿論だが、稀代の名カメラマン木村大作、円谷さんの右腕、特撮の中野昭慶さんらの職人技も見事です。丹波さんの貫禄も流石です、こういうリーダーシップのとれる気骨のある大人たちが居なくなって久しいので心細さがつのります。 リメイク版は恋愛ものに寄せていて本作に比べると軟弱に思え、やはり国難にガチで向かい合った本作の重みが貴重に思えました。もう何度もみているのですがパニック映画の傑作ですね、本作に刺激され地震学者を志した人も多いと聞きます、沈没程ではないとしても東南海や首都直下が危惧される昨今、為政者には是非見て欲しい映画です。
映画館で観たかった・・・
2006年のリメイク版とは主旨もテーマも全く違う内容。特に後半の海外移住計画はシミュレーションとしては見事だし、それでも840万人しか行き先が決まらない。前半の山本総理(丹波哲郎)の言葉も「自衛隊は何のためにあるのか?国民の生命や財産を救うとは?」と根本的な疑問をつぶやく姿も面白い。 特撮技術は1973年なのに凄い!地震の揺れ具合や明らかに模型であるとわかるところはご愛嬌だが、当時の科学者の意見を取材したことからもリアリズムに徹している。リメイク版でも特攻精神が描かれていましたが、こちらでは海外から神風と称されていた。だけど、それは無謀な救助活動であって、わざわざ死んでいくことじゃなかった・・・ 日本は沈没してしまう・・・虚しさと未来を考える心が同居してしまう社会派映画ともいえる作品だ。
小学生には衝撃的だった
父が珍しく家族を連れ立って家族で連れていってくれて見た映画。 内容も衝撃的だったが、藤岡弘といしだあゆみのベッドシーンも、小学生の私には衝撃的だった。 日本は物理的には沈没しないが、経済的に沈没しかけている、そんな状態だと思う。
噴火や地震は分かるがなんで沈没までするんかが今一つ納得出来なかった...
噴火や地震は分かるがなんで沈没までするんかが今一つ納得出来なかった。 災害描写はなかなかの迫力。助けてくれ!ウルトラセブン。仮面ライダー藤岡はいるが、役にたたん。 最後はこの苦難をなんとか克服するかと思いきや…なくなっちゃったよ、おいおい。石田あゆみは何だった(笑)
今だから
地震 津波 避難 日本に住む上でいつも忘れてはいけない事。 数年中に起こり得る大地震に備え何が出来るのか考えさせられた。 変なおじさんのイメージの丹波哲郎さん、良かったです。(すみません💦) 二谷英明さん、やっぱりダンディですね(*^^*) そして藤岡弘、さん。 こんなにカッコ良かったんですね✨ いしだあゆみさんの幸薄い役、素敵です💕 この映画を40年以上前に作った事が凄いし、色々と考えさせられました。 鑑賞してて良かったです。
藤岡弘、といしだあゆみだが日本中が大混乱でインフラが破壊されていてしかも携帯電話もスマホもない時代なので、映画が終了する場面になっても生き別れたまま会えないというラストシーンが悲惨だった。
BS-NHKで映画「日本沈没(1973)」を見た。 劇場公開日 1973年12月29日 小林桂樹50才 丹波哲郎51才 藤岡弘、27才 いしだあゆみ25才 中丸忠雄40才 他にも日本映画界の懐かしい顔ぶれがいろいろ見られる。 小林桂樹、二谷英明、丹波哲郎、藤岡弘、など登場人物が皆イケメンだと思った。 小林桂樹の出世作らしい。 災害場面が多い。 大地震の結果の火災、洪水、家屋倒壊、焼死など悲惨な場面が少なくない。 最近の映画と比して「シン・ゴジラ」(2016年)などと共通点が多いかもしれない。 日本国首相の登場場面や閣僚会議の場面が多くて、ひょっとしたら「シン・ゴジラ」は「日本沈没(1973)」の影響を受けているのかもしれないと勝手に思っている。 劇中で婚約したばかりの藤岡弘、といしだあゆみだが日本中が大混乱でインフラが破壊されていてしかも携帯電話もスマホもない時代なので、映画が終了する場面になっても生き別れたまま会えないというラストシーンが悲惨だった。 上映時間は144分。 満足度は5点満点で2点☆☆です。
原作へのリスペクトをもって、当時の東宝というより日本最高の製作陣が結集しています
ご存知、日本SF小説界の巨人小松左京の400万部発行の超ベストセラー小説が原作です 上下2巻ものボリュームがあり、その内容も大変に密度が高く情報量がケタ違いに多い原作を、よく2時間半で映画にまとめたものです 全く長く感じず、原作の雰囲気を的確に表現してある橋本忍の脚本はお見事です 何もせん方がええ、そんな気がするのじゃ などの原作の屈指の名場面の数々をキチンと映画の中に反映されているのは原作ファンとしては嬉しい限りです 原作へのリスペクトがあるのです 後のリメイク作品にはそれが感じられません その脚本を、四本もの黒澤作品でチーフ助監督を務めた黒澤明の一番弟子の森谷司郎監督の手腕がまとめ上げています つまり緻密で完璧な映像が追求されているのです 例えば閣議シーンなどをみれば、5年後に撮られた山本薩夫監督の皇帝のいない八月のそれとは雲泥の違いだと分かると思います さらにその黒澤監督に重用されて、当時撮影監督に昇格したばかりの木村大作のカメラが雄大でかつ美しい海洋シーンの撮影をしており、これが雄大なスケール感を与えています そして特撮パートは円谷英二の一番弟子の中野昭慶特技監督が、彼の得意な紅蓮の火焔と莫大な濁流で首都直下型地震を、富士山の噴火シーンでは薄暗い大空を背景に雄大な富士の山塊の中腹から巨大な爆発的噴煙を素晴らしいクォリティーで撮影しています かって世界に冠たる特撮を示した東宝特撮の頂点をこの作品で観ることができます 強烈な揺れの中、弾けとぶ家具 火の海になる都内 津波のシーンは正に予言そのものの映像です 東日本大震災の実際の映像とさして違わないのです フラッシュバックしてしまう人もいるのではないでしょうか 当時の東宝というより日本最高の製作陣が結集しているといえます 阪神大震災、東日本大震災と原子力災害 そして震災ではありませんが、国難として本作に近いコロナ危機 これらを経験してきて、本作のリアルさがより強く感じられるのは、それだけ本作が素晴らしい証であるという証明でしょう 日本という国土をうしなったらという思考実験 それが日本沈没ということ 原発事故やコロナ危機は正にそれへの入口に現実に立った経験をして来たのです 南海プレート地震、首都直下型地震が切迫しつつあるのではないかともいわれます 地震の予知は今も出来ないですしこれからも不可能でしょう もしできたところで、田所博士のような学者の警告に耳を傾けて対策を取れる政府や私達なのでしょうか? 中国からの渡航禁止、緊急事態宣言の発出をためらい、何日も浪費して事態の悪化を招いたこと また突然の学校休校には、国民から凄まじい反発と非難が巻き起こったのこと これらは記憶に新しいことです コロナ危機はなんとか乗り越えつつあるようですが、第二波、第三波の来襲も懸念されています 全く違った形の国難も来るかも知れません 果たして日本は、日本人は次の国難に耐えられるのでしょうか? 何となく漠然とした不安を、本作を観るとそう感じてしまいます 何もしないほうがええというセンチメンタルな美学を廃して、足掻いて足掻き抜く 本作のテーマを忘れないようにしたいと思います
今そこにある危機。
阪神大震災、東北大地震、そして来たるべき東南海地震。実質70%の確率でいつ起こってもおかしくないとされ、コロナウィルスの最中の地震で今、まさにこの時に南海トラフ地震が来たらどうなるのだという疑問と恐怖に駆られ、考える何かしらのヒントは無いものかの想いで鑑賞! 深海潜水艦・わだつみで日本海溝直下の大規模な地殻変動の異変に気づいた小野寺と田所博士。このままいけば日本列島は海中に沈没する大惨事になりうる事態が予測され、折をなすかのように各地で火山が噴火や大規模な地震が発生… 小松左京氏の原作SF小説を映画化約30年以上前の作品と最初は見るのに抵抗があったものの、もっと早くに見ておけば良かったと思い知らされた。専門的な地震が起こる仕組みや現実に起こりえる事態を本当に上手く考察し簡潔に物語に繋げており、自然の前では如何に人間はちっぽけで蟻んこの様な小さな存在なのかという現実の有様をまざまざと突きつけられる恐怖。主要登場人物の深海潜水艇の操艇者。藤岡弘、地球物理学者の小林桂樹。内閣総理大臣の丹波哲郎等の人間模様と名優達の演技の共演がまた渋くて良かった。日本沈没までのXデーを知った藤岡弘、の街を彷徨いどうすることも何処にも逃げ場所がないと日常を当たり前に生活する人々に届かけぬ想いで訴えかけるシーンは皮肉になるかもしれないが、今の平和ボケしている日本人に訴えかけているかのようにも見て取れ、丹波哲郎総理大臣の国家の危機に対して国のトップたる者がいかに処すべきか、前人未到の難しい難曲にどう対処する最中、政界・財界のトップによる“D計画”の3枚の選択の中の1枚「なにもしない」このまま沈みゆく日本と心中という選択肢が最良とされながらも、それでも1億人の国民や日本人としての民族の存亡や在り方を考え最後まで日本の行く末を心中覚悟で見定める姿には、これが国民がついていきたいと思えるトップの姿だと思えた。30年前の作品ということながら地震で倒れる家屋や建物はある程度時代感を感じさせる部分は有りながらも、リアルな人間描写や日本列島が海の底に沈んでいく姿は、日本人なら誰しもが故郷を無くした失ったかの様な感覚に陥るはずだ。ラストまで現実的に救いは何処かにあるものの喪失感と哀愁を感じる作品だが、日本という国の在り方や、海外と在り方。非常事態や危機感、普段からの個人の心構え等。約30年前から訴え続けられている事にどう備えるべきかを試されているようなメッセージを受け取った気がする。 尚且つコロナ禍の影響で見えて来たのは…模範的でもあり、当たり前の対応をしてくれる政府や役人であった。やはり、命を掛け国民の事を考えて行動に移してくれる姿こそ人が人で在るべき姿であり、現場で命を掛けた行動が、最後まで諦めない姿勢こそが今の日本には足りていないのではないかと、改めて考えさせられる気がした。政府批判をする訳ではないが、今の現状コロナで感染が拡大してる今だならこそ、自国の利益や名声を優先するのではなく、国民の事を第1に考えて対策を進めていってほしい、フィクションで出来て現実で出来ないわけがないのだから!
冴えない力作
力作なのは伝わるのですが… ミニチュアがちゃちに見えてしまうのはいたしかたないにしても… ところどころ吸引力がある場面もあるものの、全般に脚本も演出も冴えないため人物描写が拙すぎてしまらない。誰にも感情移入できません。いしだあゆみ、必要ですかね?この映画に。二谷英明でなくてもいいでしょうあの役回り。 韓国と北朝鮮は日本人難民の受入拒否という設定、リアルで笑えました(笑)
気合い入れろばかやろー
金をかけてまじめに作った、日本発のSF映画って感じ?シン・ゴジラ好きなら観て損はない。 映像頑張ってる。CGがない時代にも関わらず、迫力のある映像が凄かった。というのも、東京のミニチュアを壊すだけじゃなくて、災害における一般人目線の特撮シーンが結構多い。車が爆発したり、人が火だるまになったり、逃げ回る群衆がごった返したりと。。。どうやって撮ったんだ。まあ多分力ずくで、物量の力で撮っんだろうが。さすが東宝の力作。 あと、本当に日本沈没しちゃう話なんですねコレ。そこに驚いた笑。だってさ、この手のSFは、なんとかして未曾有の危機を回避し、一件落着的なクソみたいな映画多いじゃん。 この映画は、これでもか!というくらいに人が死に、津波が押し寄せ、丹波哲郎はプライドも何もかも捨てて他国に救済を求め、本当に日本列島は沈む。そしてラスト。日本人が難民になるという展開。いやはや、なんとも爽快。ちゃんと政治を描いてる点もえらい。いや、別に普通のことなんだけどさ。今の日本映画にはないじゃん?こういうの。頑張ってたのはシン・ゴジラくらい? でもさ。ラストの日本人が難民になる下りは良いメッセージだと思うんだ。日本人はもっと外に出た方がいいと思う。列島に安住してないでさ。人のこと言えないけどさ。そろそろ内需だけじゃ食えなくなるよ?グローバル化した現在だからこそ、切実なメッセージとして受け止められました。
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