劇場公開日 2012年7月14日

「プログラムは一見の価値あり」ヘルタースケルター aceさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5プログラムは一見の価値あり

2012年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

包帯を解いて出てきたのはミイラではなく、透明人間でもなく、美しい蝶だった。しかし、りりこ=沢尻=事件にフォーカスしすぎて、物語の広がりをせばめてしまったような気がする。原色も監督の個性ではあるが、二度目となれば「さくらん」ほどのインパクトはない。りりこはなぜ全身整形をしたのか。目ん玉と爪と髪と耳とアソコ以外は全部つくりものという、今までの自分を全否定するような整形。それはもはや整形とはいえない。しかも、免疫抑制剤を一生投与し続けなければならないリスク。そんなリスクを負ってまでも整形した、そこんところえぐってくれると、検事もプロダクション社長も整形外科医もからんでくる。検事のうんちくも言いっぱなしじゃなく裏がとれたかもしれない。セックスとわめきだけではもったいない。けっきょく、最後にいちばん幸せだったのは、りりこを独占できた羽田ちゃんかもしれない。

ace