「目と耳が疲れた……」ヘルタースケルター ご近所はっとりさんの映画レビュー(感想・評価)
目と耳が疲れた……
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主役沢尻は適役、まぁハマリ役と言ってもイイと思う。
マネージャーの寺島しのぶが、下僕のようにあそこまで担当のりりこに陶酔するかのごとく付いて行く……ちょっとそこまでの納得いくものは描かれてなかったなぁ。
監督の蜷川さんは写真家なわけだから、画像としてはそりゃあ綺麗だと思うけど、皆さん言うように活動写真集で終わってる。
たしかに画面は綺麗。だけど、次から次へと音楽でゴリ押ししてきて、伝わる前に目と耳で疲れてしまったという感じ。あくまで映像なんだから、『色・音楽を最大限に駆使して役者の顔・台詞・スタイル(衣装)でわからせてくれる』のが映画でしょ?
だけどこれは『色・音楽』のみを最大限に駆使しただけに思えた。沢尻は可愛いし上手いのに、もったいないね。
コミックと違い、映画の記者会見のシーンで目ん玉をえぐるわけにはいかないとは思うけど、一番衝撃的で、だからこそ作者が一番訴えたいであろうものがあれでは伝わってこないと思ったのは私だけ?
それ故にラストの見世物小屋でこそつながってくるストーリーが、奇抜なファッションの女優の楽屋の風景で終わってる。整形って怖いなで終わってる、だから伝わらないになってない?
好みはあるにしても、明らかに担当部署の違いを蜷川監督に感じました。
蜷川監督、めちゃ辛口でごめんなさい。でもこれが正直な視聴者の一意見(あるいは大多数かも)です。それだけ期待値が高かったということの裏返しなんです。違う監督で観たかったし、もっと深く納得させてくれる脚本だとよかったな。
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