「ヤクザも宗教も同じ穴のムジナ也。」I'M FLASH! 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤクザも宗教も同じ穴のムジナ也。
カルト宗教の3代目教祖を継承したボンクラ(藤原竜也)は、バーでナンパした謎の美女・水原希子とドライブ中、死亡衝突事故を起こしてしまう。
ホトボリが冷めるまで謹慎する間、3人のボディガード(松田龍平etc.)が招集されるが、実は彼等は裏で母親(大楠道代)に雇われたヒットマンだった。
標的と化した若き教祖VSヒットマンの攻防を描いたバイオレンス作品。
『アウトレイジ・ビヨンド』を観たばかりだったので、ヤクザも宗教も一緒やなという印象で、なぜかニヤツいて見届けてしまった。
絶対的権力者の母親が牛耳るシマで、カネと欲望が渦巻く醜い対立は、宗教とは名ばかりのヤクザ映画であると誰もが気付く。
・舞台が沖縄
・気だるい殺気
・ドライな人間関係
・詩的な台詞
・やたら青い海と空
etc.etc.の要素は、どうしても、『ソナチネ』『3-4x10月』に通ずる系図を感じた。
故に新鮮味は薄く、スローテンポの血祭りに眠気を覚える。
虚無感をテーマにした映画は、なぜこうも睡魔がつきまとうのだろうか。
『青い春』『ナイン・ソウルズ』の個性的作品で熱狂的信者の多い豊田利晃監督だけに、もう少し鮮烈なメッセージを期待してしまったのが仇となったようである。
豊田組の常連・板尾創路の活躍が少ないのも不満の一つだ。
つくづく私はキタノ信者であると気付いた帰り道に短歌を一首
『懺悔の血 沈む神の子 極楽へ 髑髏(ドクロ)に注ぐ 蒼き繋ぎ目』
by全竜
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