「特撮オタクに大作予算を渡したら」パシフィック・リム しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
特撮オタクに大作予算を渡したら
"パシフィック・リム" シリーズ第1作。
通常スクリーンで鑑賞(3D,吹替)。
映画の聖地・ハリウッドが、日本が誇る文化―特撮映画、ロボット・アニメに対して果敢に挑戦状を叩きつけて来た。しかも、溢れんばかりの愛とリスペクトを添えて。
クール・ジャパンの影響力、計り知れない。
オタクに大作予算を渡したら、これほどまでに面白いものが出来ると云う好例だなと思った。心からの賛辞を。ギレルモ・デル・トロ監督、よくぞやって下さいました!
劇中のそこかしこに、往年の特撮映画やアニメ作品へのオマージュが散りばめられていて、オタクには心底たまらない。
「なんてすごい映画をつくってくれたのだろうか!」と叫びたくなった。いや実際、心の中は絶叫状態で鑑賞していた。
KAIJUのデザインは、怪獣映画の伝統である着ぐるみを意識していて、中に人が入っていてもおかしくない形状にしているのだとか。分かっているじゃないか、デル・トロ監督。
コードネームのつけ方もかなりイカしていた。
ジプシー・デンジャーの武器(プラズマキャノンやロケットパンチ)、最高過ぎる。「そこまで踏襲してくれるとは」と興奮のあまり、大袈裟で無く本当に涙がこぼれた。
夜のバトル・シーンは怪獣映画の王道である。暗さのフィルターが掛けられて、ありえないものが本物らしく見える凄まじき効果を放つのだ。香港のきらびやかな街の灯に浮かぶKAIJUとイェーガーのカッコ良さにはしびれるしかなかった。
ペントコスト司令官の最期は涙無くしては観られない。特攻とか自爆とか、ロボット・アニメに欠かせぬ要素。これが個人的に大好き。感情移入していたキャラなら尚更だ。これまた分かってらっしゃるじゃないか、デル・トロ監督!
こんなに面白い映画をつくられてしまっては、本家として黙ってるわけにはいかないだろう。我が国も負けてられない!
[以降の鑑賞記録]
2014/? ?/? ?:DVD(字幕)
2016/03/05:土曜プレミアム
2018/05/11:金曜ロードSHOW!
2020/04/11:Ultra HD Blu-ray(吹替)
※修正(2024/07/05)