ゼロ・グラビティのレビュー・感想・評価
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新しい宇宙空間を感じた。
劇場公開時に観た時は、大きなスクリーンから迫る宇宙空間に見入った。難しいストーリー展開の無いのにも関わらず、上映時間いっぱい、飽きることもなく観ることができたという印象が強い。
アナログと特殊技術の進歩を堪能。
それにサンドラ・ブロックがいい。
封切りされて約10年、結果を知っていても
何度でも鑑賞できる、鑑賞に耐えうる
作品だと思っている。
娯楽映画としては無理かも知れないが
欲を言えば、現実に沿った「音のない宇宙空間」
よりリアルな映画を鑑賞したいとも思った。
※
ワンシーンが好印象
ぜんぜん万事快調じゃないけど悲観的絶望にも至らない
広大にして深淵。
通信機器を失えばすぐさま孤独に支配される。
そんな宇宙空間に取り残された1人の宇宙飛行士が死を覚悟し、生を覚悟するお話。
最初のデブリによる災害で宇宙に投げ出され、どうなるんだろう?助かるのか?
という不安の高まりを感じつつも、すぐさま助けに現れるジョージ・クルーニーに安心。
目標を定め、行動、エラー、すぐさま次の目標を定め…
と実に頼りになる男。
そうやって何かしらのエラーやトラブルは続け様に起こるんだけど、1個起こっては解決。
1個起こっては解決。
と、確かに状況はちょっとずつ悪化しているんだけど何とかなり続けるのでイマイチ緊迫感と悲壮感が自分の中で盛り上がりきらない。
宇宙を描いたCGは美しく、果てしない雰囲気は伝わるけど、目まぐるしく回転する中でその詳細を観察できないので勿体ないと言うべきか、贅沢と言うべきかはよく分からない。
大きなスクリーンで観てこその迫力は確かにあるのかも。
宇宙の大きさは小さい画面で観てもあまり、、
予告など入れず、イメージだけで鑑賞していたので、思ったよりパニックスリラーだったことにびっくり。ただ、小さい画面では冗長に感じる。
宇宙に放り出されたら人は生きていけるのか…そんな作品だと思っていたが、きちんと起承転結が立っていて、深い部分も多くて納得。ただもう少し個々を掘り下げても良かったりもしている。画面映えするのは映画館や大きなテレビくらいだと思った。それでも奥行きは凄くて呆気にとられる。
宇宙は危険である。そういうことを感じさせるプロットに衝撃が続く。ほぼほぼサンドラブロックがイライラしたりアタフタしながら格闘するだけなんだけど、出てくる事実がもう怖い。SFチックではない部分が大きいのは凄いと思うが、引き込まれるまでには行かなかった。
最後の最後に人は生きたくなるのか。挑戦的で賞を獲るのも納得。映画館で観るべき。
何度見てもスゴイ映画
サンドラ・ブロック圧巻の演技!スーパーヒロイン誕生!
3D日本語吹き替え版での利点と欠点
ミッションスペシャリストのライアン(サンドラ・ブロック)は、スペースシャトルでの船外作業中に、破壊された衛星の破片に衝突し、宇宙飛行士コワルスキー(ジョージ・クルーニー)とふたり、宇宙空間に放り出されてしまう。
乗っていたシャトルは大破し、他のクルーは全員死亡してしまう。
その時点でのライアンの酸素残量は9%。地上との交信は途絶してしまう。
絶望的な状況でコワルスキーはISS(国際宇宙ステーション)を目指し、地球への帰還を試みる。
3D日本語吹き替え版で鑑賞。
圧倒的な映像美は、見事としか言いようがない。
無重力空間のエピソードをを見事に映像化している。
映画の表現は行き着くところまで来た感がある。と思ったがまだまだ体験したことのない映像を見せてくれるようだ。
ただし、見たい映像を再現することではなく、主人公が置かれた状況を映像で表現するための手段に徹している。
あえて無重力下での不自由感を出すために、ゆっくりカメラをスウィッシュしたり、つなぎ目のない映像なのに、いつの間にかスーツ(宇宙服)の中にカメラが入っていたりする。それにより、ライアンの内面の動揺をうまく映している。
スーツを着ていることでの動きの不自由さなど、この映画のアクションは「リアルに見えること」を極限まで追求している。
この手の映画は、映像に頼るあまりに退屈なお話になりがちだが、「ある奇跡」をストーリーにすることでエンタテイメント性も申し分ない。
サンドラ・ブロックは、無重力アクトレスの肩書きを手に入れたと言えるかも。
吹き替え版で見たので「宇宙なんて大っきらい!」「目を閉じれば一人になれる」など、印象的なセリフが強く心に残った。
ただし、小山力也さんの声はERでのロス役の時を彷彿とさせるもので違和感なく入ってきましたが、ほとんどがスーツを着てのセリフなのでジョージ・クルーニーの演技目当ての人は字幕スーパー版を見たほうがいいかもしれません。
余段ですが、ヒューストンの管制官の声はエド・ハリスだったらしく、「ライトスタッフ」「アポロ13」と続く宇宙飛行士の映画の系譜に敬意を感じるキャスティングです。
彼の声の演技を楽しむためにも、私はもう一度次は字幕スーパー版を見るつもりです。
とてもいい映画でした。
2013.12.13
映像の美しさと、寂寥感。
極限の恐怖を感じました。
宇宙空間で酸素が刻々となくなる状況。
永遠に宇宙空間を漂う死体は、どのように劣化して行くのだろうか?
乾燥する?
肉は腐る?
骨は残る?
無重力とは?
音を伝えるものは何もない。
気圧もない。
酸素もない。
宇宙生物は存続できない。
温度は摂氏125度からマイナス100度。
とすると宇宙服の中の身体は、腐り乾燥してやがては骨になり、
200年後には骨も粉々に風化するかもしれない。
2013年(アメリカ/イギリス)監督:アルフォンソ・キュアロン
宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極限状況を
最新のVFXと3D技術駆使して描いたSFドラマです。
宇宙ステーションの映像が超リアルです。
宇宙服とは、これほど動きを制約するのか?
ハッチの開閉だけでも分厚い手袋で回すのは一苦労。
(半年も一年も宇宙滞在して船外活動もする宇宙飛行士のご苦労を
思いました。)
宇宙ミッションの最中に、衛星の破片が飛んできます。
殆どのスタッフが死亡。
残ったのはマット(ジョージ・クルーニー)とライアン(サンドラ・ブロック)の2人だけ。
2人は何とかして、地球に帰還したいと願うのだが・・・
ライアン(サンドラ・ブロック)は、幼い娘を事故で亡くしています。
仕事人間で、仕事に没入することで、娘を亡くした喪失感を埋めている。
しかし、この難関に立ち向かう勇気は、生き甲斐を失った女性とは思えなかったです。
マット(ジョージ・クルーニー)は、ユーモラスで、隠していたウォッカを飲むシーンは、
実は、実は・・・なのです。
悲しいですね。
結局は、どんなに可能性が少なくとも、最後の最後まで、生きることを
《諦めないこと》
それに尽きます。
第86回アカデミー賞最多7部門受賞。
(監督賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞、視覚効果賞
の7部門です)
空間を主人公にした映像美に溢れる作品。
内容は無重力空間でのスペースパニックサスペンス物語。生きるべきか死ぬべきかの葛藤を主題とした美しい映像が特徴的な作品。好きな言葉は『素晴らしい!』宇宙飛行士が船外作業で、レンズ効果で光り輝く地球を🌏見つめて心の底から感嘆の声。この後スペースデブリに襲われて大変なことになる。物語の序盤で静かな宇宙空間での衝突と破壊が観ていて恐ろしい。冒頭の十分で惹きつけられました。絶望と孤独の静かな宇宙空間が、希望にも絶望にも姿をかえる所は、主人公としての空間を絶妙に演出してるなぁと感じました。印象に残ったシーンは、無重力空間で何か変化が起き女性飛行士がいよいよ絶望死を選ぼうとする時、先程生き別れになった宇宙飛行士の幻の助けを得て!生きようと決心する転換点はゾッとしました。嬉しさと同時に悲しかったです。宇宙空間での撮影は出来ないので殆どがCGとアニメーションですが、自分自身も宇宙空間にいるかのような息苦しさがとても良かったです。カメラワークが絶妙で時間とお金がかかってそうです。無重力では常に作用反作用が恐ろしく表現され、重力は少しは欲しいし自分としては月ぐらいが、丁度良いだろうなぁと感じる映画でした。
物語は1分あれば説明出来る
ロングショットの新境地
ヒッチコック『ロープ』からクエンティン・タランティーノ『パルプ・フィクション』に至るまで、映画の迫真性を増長する技法としてロングショットは大きな価値を持ってきた。
それというのもカメラに収められた映像というものは、カメラに収められているという点において現実に起こったできごとだから。リアリティがある、というかリアルそのものなのだ。
それらの映像を事後的に編集することによって「映画」が出来上がるわけだが、編集は多ければ多いほどリアリティが抜けていく。編集というのはある意味で神の手であるから、物語のそこかしこに神の手が見えてしまったら、我々は満足にサスペンスや興奮を感じることができなくなる。
だからこそ編集のないロングショットというものがリアリティという観点において大きな価値を有していたのだと思う。ロングショットの申し子として名高い相米慎二は長回しは否応なく役者の本質を引きずり出す、といったことを言っていたけど、これもまたロングショット=現実の転写という等式を内面化した上での発言だろう。
これらを踏まえた上で本作に立ち返ってみると本当に不思議な気持ちになる。のっけから『黒い罠』を彷彿とさせるようなロングショットで映画が始まって、破片衝突までの様子が描かれる。カメラは文字通りゼログラビティで宇宙空間を彷徨いながら主人公たちの動向を映し出すのだが、あまりにも画角がフワフワ揺れるものだから酔ってしまいそうになる。自分まで宇宙空間に放り出されてしまったかのような錯覚に陥る。
しかし言うまでもなく、この映像はまったくもってリアルの転写などではない。いくらリアリティがあるとはいえ、実際に宇宙で撮影したわけではない。言ってしまえばすべてが事後的な編集の産物だ。にもかかわらずそこには手に汗握るサスペンスと湧き上がるような興奮がある。
現実をそのまま転写する、というロングショットの本質の一つであったはずのものが完全に抜け落ちているというのに、私はこれをロングショット以外の言葉で形容できない。マジでなんなんだ、これは。
『トゥモロー・ワールド』終盤の銃撃戦シーンにも同じようなロングショットがあって、恐ろしい監督だなあと思っていたが、それが本作で大爆発したといったところか。
映像処理技術のめざましい発展によって、もはやロングショット=現実の転写という等式は瓦解しつつある。本作のような非ロングショットなロングショット映画というものはこれから先もどんどん増えていくだろう。
いつまでも「長回しは長けりゃ長いほどいいんだぞう!」みたいな映画史オタク的な妄執に取り憑かれていてはいけないのだなと思った。
アルフォンソ・キュアロンは青春モノから大作シリーズものまで幅広く務めるオールラウンダーだけど、序盤の小気味よくナンセンスな雑談パートは『天国の口、終わりの楽園。』の頃の作風を彷彿とさせた。危険や死と隣り合わせでも軽口がポンポン飛び出すあたりがメキシコの映画監督という感じ。
迫真の演技で終始ドキドキしました。
SFの大傑作
今まで観たパニック・サスペンス系のSF映画の中でも、3本指に入る。 多くの賞を受賞しているのは、納得だ。
登場人物は、最初から最後までサンドラブロックとジョージクルーニーの二人だけ。 そのため、宇宙空間での人間の無力さと絶望感が、よりひしひしと伝わってくる。 冒頭はのんびりした宇宙船外活動のシーンから始まるのだが、事故が起こるまでの展開が、あれよあれよという間に進んでいく。 そこから最後までは緊張の連続で、一瞬たりとも目が離せない。
特筆すべきは、その演出にある。
映画の中心に据えられているのは、登場人物の二人よりも、むしろ宇宙空間そのものだ。 最初は、無重力と静寂が心地の良い母体の中のような落ち着きを感じさせてくれるが、 超高速のクラッシュが発生した途端、一気に生命感の無い暗黒が画面を占有していく。 特殊効果による宇宙空間の映像表現が、とにかく凄い。
事故の激しさを演出するための爆発音や、役者の大げさな叫び声などは、一切排除されている。 冷静さを保とうとしながら、やるべき作業について無線で連絡し合う二人の会話だけが緊迫感を高めるのだが、この演出が効いている。
素晴らしい演技でアカデミー主演女優賞を獲ったのは、サンドラブロック。 ジョージクルーニー演じるベテラン宇宙飛行士も、彼にしかやれないはまり役。 ラストシーンは感動的で、特に素晴らしかった。 脚本、演出、撮影、特殊効果、音楽、演技、すべてが噛み合い完成した、傑作中の傑作だ。
犠牲になる勇気と生き残ろうとする気力
思考よりも視覚で楽しめ
映画館で、ましてやiMaxなどで観なくてよかった、と思うほどの圧倒的映像。
もし観ていたら絶対に酔っていたと思う。
民間で宇宙旅行が可能となった昨今、宇宙からの映像は手軽かつ鮮明に見られる。
比べても遜色ないどころか、同じにさえ感じられる宇宙や施設、機材の再現度がすごかった。
(スペースシャトルが現役、というところに古さを感じる程度か)
これには当時、みなが腰を抜かしていたこともうなずける。
のみならず全編が無重力設定だ。
ゆえのあの動きとカメラワーク。船内、船外、寄ったり、引いたりはどうやって撮影したのだろう、あまりCGっぽさも感じられず興味は尽きない。
(と思えばメイキングで見る限り演者を装置で吊ったり、回転させた映像へCG加える手順だった。工程は緻密かつ複雑ながら、仕上がりのシンプルさがどうやって撮影したのか不思議に思わせているのだろうな、と思う)
スペースシャトルからISS。ロシアのソユーズから、中国の宇宙ステーションを経て中国の帰還船と、オールスターな構成もサービス満点で見ごたえあり。
細かいところを考えると「それはオカシイ、ムリムリ、なんでやねん」と思わないわけでもないが、
ノンストップの脱出サスペンスと思えば、次々襲い来るアクシデントをかいくぐり、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、
諦めそうになっても奮い立ち、手に汗握るどころか、最後は運を天に任せる潔さで感動さえ与えてくれる本作。
やはり観るのは、それら怒涛のジェットコースター展開の途切れなさであって、
引き立てるスキなき映像もあわせれば、まだまだ十年後だろうと通用しそうな作品だと感じた。
一番引き付けられたのは、たくさんの破片と共に大気圏突入のシーン。
「ファーストマン」なども合わせてみると、あの恐怖がなおさら肉迫、とお勧めしたい。
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