「旅を楽しもう」ゼロ・グラビティ たかあきさんの映画レビュー(感想・評価)
旅を楽しもう
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映像と音楽が申し分ないのは、言うまでもない。巧妙に音が消えたり、視点が登場人物に移ったり、多くの仕掛けによって、登場人物の息が詰まる感じや、めまいがする感じを、本当に経験できたように思った。
映画の序盤では、他の船員の死の演出が、宇宙空間の非現実性を際立たせる。
最大の見どころはマットとストーン博士の掛け合いだ。
マットは自分の命を諦めて、ストーン博士の地球生還の望みを繋ぎ止めた。ストーン博士が諦めかけた時、幻想ではあったが、そのマットが登場して、大きな教訓を残していく。
大きな困難が旅にはつきものだが、その旅を楽しもうじゃないか。苦しいこともたくさんあるけれど、道中から見える景色は最高だ。
エンディングでは、ストーン博士が地球に生還を果たす。
常に宇宙空間に漂っていたからこそ、地球の青や緑の彩が目にしみる。地球の大地・海原・自然、僕たちが当たり前に思っている地球の豊かさが心にしみる。重力のせいでなかなか立ち上がることができず、しかし、だからこそ大地を体で感じる、最後のストーン博士の演技は圧巻だ。
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