「苦しい。」ゼロ・グラビティ ナナ映画さんの映画レビュー(感想・評価)
苦しい。
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3Dでなければ絶対に堪能できないといえるほどの映像美。宇宙はきっとこんな感じなのだろう、という感覚を楽しめる。浮遊感も素晴らしいし、スピード感と制止している、このオンとオフ。そこに轟音と静寂という音のオンオフも重ねることで、登場人物や背景の少なさをむしろ、効果的に見せている。
ただプロローグから本題に入ると、すぐに酸素残量の話。私的には呼吸について過敏に反応してしまうので、苦しくてたまらない。
いろいろと気を紛らわせようとマットが音楽をかけたり、他愛もない話をするのだけど、ライアン博士の耳に入らないのではないか、と思うほど呼吸が気になってしまう。少なくとも見ている私はほとんど聞いていられなかった。
さらに数人いたキャストが15分後くらいにはたったふたり。広大な宇宙の中でふたりだけが小さく揺られている。さらに数分後には、あっけなくひとりきり。こんなにも広い宇宙だからこそ非情なまでに孤独を感じさせ、それが針のむしろのように痛く苦しい。
3Dだからこその臨場感なのだろうけど、鑑賞後は苦しい印象だけが残った。
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