劇場公開日 2013年12月13日

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「映画好き必見です。」ゼロ・グラビティ 白髪のおっちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画好き必見です。

2014年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

登場人物を切り詰め、映像・音・ストーリーで最後まで観客を話さない作品を作り上げた事は、驚嘆に値します。
ラストに於いても、徹頭徹尾連ねられており、静かな感動を呼び起こします。
製作資金を捻出するも、脚本と登場人物の数からして、資金提供者に納得させるには、どうしたのでしょうか。コンテが効いたのでしょうか。
かの国は、投資に関して世界一整備されている反面、より厳格で競争率も高いはずです、どう説得したのでしょうか。
かたや昨今の日本のテレビ版映画製作はどうでしょうか。
詰まると所、金を出す決め方の差でしょう。
日本国内で食えれば良しとし、結局日本洋画のような世界で通用しない論壇が出来あがり、往年の画家を頂点にピラミッド型の構図が作られるんでしょう。
政治にしろ芸能にしろ自分の子息を入れたがります。
なぜなら、食えるだけでなく手元に入る利益が他業態より格段に大きいからでしょう。また、それに連なる連中も自己保全に走りるには、格好の理由になるから。確かに親の資産で食える業界は、親としてそう行動するでしょう。これもまた必然と言えます。
ですが、映画は娯楽であり、総合芸術です。
芸術は、個人に由来します。
一般大衆が選択して利益を生まなければならない漫画家・洋画家・小説家で2代続いては、世界を探しても滅多にお目にかかれません。
子孫に渡せません。型のある歌舞伎でもありませんので、長年の鍛錬である程度の領域にまで行けば、なんとかなるとも行きません。
歌舞伎は術であって、芸術ではありません。
確かに初期の歌舞伎役者は、総合芸術家で無ければ、なし得なかったはずです。ですが、時が術にまで完成させたとも言えます。
奇麗好き=型好きの日本人だからでしょうか、ですが戦後の映画は違ったはずです。老年なり保全に走ったからでしょうか。
日本映画も、その型の世界に埋没するんでしょうか。
この映画を見て考えさせられました。

白髪のおっちゃん