「そして感謝する」ゼロ・グラビティ 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
そして感謝する
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まさに体感ムービー。
人は重力や空気や温度が無ければ生きていけない。
当たり前すぎて、普段考えもしなかった事がヒシヒシと迫ってくる。
人智ではコントロール出来ないアクシデントの数々に、偶然によって生かされている存在なんだと痛感する。
サンドラ最後のセリフ「ありがとう」が腑に落ちる。
助けてくれた同僚に対して、生き残った偶然に対して。
そして湖を泳ぐ蛙、虫の音に。土の感触に。生きていることに。
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柄にもなく生命讃歌な感想を持った私に、知人が一言。
「ほんとは途中でサンドラさんは命尽きてたんじゃないの?」と。
えぇっ???そんな映画だった?
「エスキモーの犬の鳴き声以降、描写が変わったでしょ」と。
確かに、後半不思議な描写もあった。例えば中国船と言えどもスイッチが漢字とかリアリティに欠くし(その他いろいろ…)。だから後半は別の世界なんじゃないかと。知人にとっては、生死の境目に人生を振り返り、受け入れ、死と向き合う映画だった。
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二人の見方は全く違うがそれで良いんじゃないかと思う。
シンプルなストーリーなだけに様々な見方が出来る。もっと別な見方、楽しみ方もあるだろう。余計なことは考えずに頭をからっぽにして宇宙体験するだけでも充分に面白いと思う。
観客が自由に体感出来るように作ってある映画だと思った。
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Gonzoさんのコメント
2013年12月19日
>「ほんとは途中でサンドラさんは命尽きてたんじゃないの?」
思ってもみなかった視点で、感銘を覚えました。死んだはずのあの人が出てきてるので確かにそこで世界が変わったのかもしれませんね。そう考えると、終幕での「母なる大地」の描写があまりに切ないのですが。