「自分が宇宙空間を漂流しているようだ」ゼロ・グラビティ M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が宇宙空間を漂流しているようだ
これは絶対に映画館の大スクリーンで、できれば3Dで観るべき映画です。
この映画は絶対に3D字幕版で観たかったのですが、近所の映画館では3D日本語吹替え版か2D字幕版のみの上映。仕方なく電車に30分揺られて「TOHOシネマズららぽーと船橋」まで行ってきました。先月11月にオープンしたばかりの新しいシネコンです。
新しいだけのことはあって、ここは設備が秀逸。スクリーンサイズは10.1x19.8mという超巨大サイズ。音響は日本発の「ドルビーアトモス」を導入。最高レベルの環境だったので、映像も音響もかつて体験したことのないレベルのクオリティでした。
まず最初に驚愕したのは映像美。宇宙空間の深遠さと地球の美しさには息を呑むばかりでした。さらに無重力状態の描写の秀逸さ。かつてこれほどリアルに無重力を表現した映画があったでしょうか。デブリの衝突による衝撃で吹き飛ばされた時のあの多軸回転はいったいどうやって撮影したのかと不思議でなりません。大画面3Dの効果もあって、自分も宇宙空間を漂流しているような感覚に陥りました。
そして音響効果。宇宙の神秘、暗黒、深遠、そして恐怖を見事に表現した独特の音楽だと思います。3D映像とあいまって、観る者を究極の擬似宇宙へと誘います。
ストーリー的にも最初から最後まで息もつかせぬシーンの連続で、非常に緊迫感があります。登場人物はほとんどサンドラ・ブロックただ一人と言っていいのですが、そんなことを感じさせない、非情に濃密な90分でした。
間違いなく2013年のベスト3に入る傑作だと思います。
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