シン・エヴァンゲリオン劇場版のレビュー・感想・評価
全1015件中、821~840件目を表示
純粋にエヴァファンとして最高の結末でした
2回鑑賞した。最高の結末だった。
でも感想としては批判も含んでしまうのでご注意を。
1996年生まれの私は、13歳の頃に序を見てからTV版、旧劇、貞本エヴァ、破、Q、貞本エヴァ完結を経て、シンを迎えた。ファン歴12年だ。
旧劇、Qから、どう頑張ってもシンもカオスになるだろうし、いろいろ匂わせて終わるのだろうと予測し覚悟していた。
案の定、後半はエヴァの世界観の理のもとでSF展開がされていく。都合の良いやつめ。
しかし、これまでと違い、「縁」「けじめ」というワードを軸に、繰り返していた並行世界、エヴァというコンテンツの終わりがしっかり描かれていた。
正確には覚えていないが、トウジの「力不足で救えなかった人の気持ちも受け止める。それが落とし前をつけるということ」というセリフは、今回の各登場人物にとっての「責任を果たす」というテーマを表していたように思う。
ミサトは最後までシンジの保護責任者として、父の計画を終わらせるため、艦長として戦う。
リツコはヴィレのため、旧劇と違いゲンドウに躊躇なく発砲する。
加持は愛する人たちを守るために立ち向かっていた。
アスカはシンジを見守り補完計画が発動しないよう全力を尽くす。
レイはシンジがエヴァに乗らない幸せを作ろうとする。
マリはシンジを連れ戻すことを何度も誓う。
シンジはゲンドウとの関係にけじめをつけるためにエヴァに乗る。
最後にマリが迎えに来て、冗談混じりの会話とともに、声変わりしたシンジと階段を登っていくエンディングは、清々しすぎて別のアニメかと思ってしまった。だが、それが良かった。スッキリした。
脚本としては、シンジがエヴァに乗れば解決するという何でもアリな展開は仕方ないと思ったけど、もっとシンジの覚醒に盛り上がりポイントが欲しかった。アスカの覚醒は面白いけどビーストモードと同じで決着つけられないのはすぐわかったし見てて辛かった。説明も多いし専門用語を並べすぎて相変わらずだった。
初見は驚きすぎて混乱で理解と感情が追いつかなかったが、2度目は落ち着いて鑑賞できたため、より面白かった。
以下は、単純な、感じるままの感想。
作画が綺麗。人物が可愛い。CG技術すごい。
農村パートが非常に好き。
綾波そっくりさんが可愛い。「ツバメ、もっと抱っこしたかった」は、かなり辛くて泣いてしまった。
鈴原と委員長の結婚。幸せを築く人々。
家出後のシンジをつめるアスカに対して「うん」と答えるシンジの受け流しスキルに感動した。逆ギレして首締めないか心配してしまった。
シリアスな笑いを狙っているつもりはなかったと思うけどちょこちょこ笑えるシーンがあった。エヴァの親子喧嘩とかね。冬月のボス感とか。
補完計画発動時のVoyager日付のない墓標は、初めて聞いたけれど歌詞がユイの思いそのままで、とても合っていて素敵。
まとまりがなくなってしまったが、色々ツッコミどころはあるけれど、きれいに終わらせてくれたのがとても良かったので、ファンとして最高の結末。星5。
終わらない夏が終わる
正直、終わらせる気はないと思っていました
何だかんだで続編を作れる余白を残す そう考えていました
なにせ日本最大最強のコンテンツ 終わらせれば仕事も売り上げも消えるのだから
でもビジネス関係なしに終わらせた 続編を作れる余白も消した
あえて言えば空白の14年間をアニメ化してほしいとこだけど結末の後で盛り上げるのは難しいかもしれない
あの世界は劇だったのか ゲームの中だったのか 意図的に考えさせる小道具(プレステコントローラ 背景の書割 使徒型の着ぐるみ)はあったが当事者のシンジやミサトから見れば現実なのだから関係のない話かもしれない
我々が住んでる世界がゲームの中としても知覚できなければ関係ないのと同じ
またマイナス宇宙=現実なのか アディショナルインパクト後の作られた世界があの実写の宇部新川駅なのかはよくわからない ただ神殺しの船の神は視聴者の事なのだろうと
いちばん描写でありがたかったのは前半の日常風景の温かさ プラグスーツで田植えをするアヤナミレイ みんなが笑顔で毎日の幸せな日常を過ごすさまは「覚悟」していたものとは違うやさしさだった もちろんその後の悲しみも予感はさせていたけど
オリジナルの綾波レイに成長がフィードバックされつばめちゃんの人形を抱いているのが救いになった
成長したケンスケとトウジ シンジはそれどころではなかったけど見てる側は同窓会なので結婚や子育てで置いて行かれて複雑な気持ちになったことを思い出しシンジの気持ちにシンクロしたんではなかろうか 短い期間で大きく成長したアヤナミレイ 変わらない意地を通すアスカは対照的だ
駄文連ねたけど終わらせてくれてありがとう これ以上の続編外伝は望みません
最高の作品を最高の終わらせ方で終わるって素晴らしいことだから
今日14歳の僕は死んで、もう2度と会えない
エヴァを25年間追い続けていた僕の中二病の心は、今日卒業の日を迎える。
そして考察というエヴァの呪いから解放され、考察の無い世界が訪れる。
子供だった僕は大人になり、シンジくんの様に、これからは歳を重ねていくのだろう。
センセイ!今日、僕たち私たちは、25年のエヴァの呪いから、卒業します!
ありがとう。さようなら。
本当に、良いENDだった。
エヴァよ、アスカよ、ありがとう
公開2日目に見に行きました。
率直な意見としては「ありがとう」が素直に感情に湧き上がる最後でした。
※アスカが好きなのでアスカメインでの考察です。(長々ですが)
○アスカとの出会い
小学生は10代なるかぐらいに、エヴァと出会い、幼いながらにアスカが好きになり、こんなに夢中になるキャラは初めてでした。
「気持ち悪い」をリアルタイムで劇場で聞いた時は、訳が分からなかったけど、歳を重ね、20数年経った今、そんな言葉も色々な意味で捉える事が出来る様になりました。
○新劇になり・・・
そして、新劇を迎え、アスカも使徒に侵食され(その後、再度立ち上がってホッとしましたが・・・)、「惣流」とは別の路線に行きつつあり、自分の中にあったアスカとイメージが少しずれていたことに寂しさを感じていました。
(ここからネタバレになりますが)
○まさかのあの人と・・・
そして、まさかのケンスケと親密な(?)感じになっていて、主な流れではアスカの心の支えの様に描写されていてさらにショック・・・。
やっぱり心にあるのはシンジであって欲しいというのが長年の想いでした。
○旧劇の続き
しかし、もう感動たるや、まさかの終盤には旧劇の続きでしかない、浜辺でのシンジとの再会。シンジからの言葉に浮かべる表情に(そして大人になった姿に)、アスカのファンとしてはやっと呪縛が解け、救われた気がしました。
○ラストの描写・マリの存在
ラストはアスカやメインキャラを対面のホームに、マリとシンジが共に歩んでいく形でした。
(ここは色々な解釈があると思いますが)
マリとシンジが結ばれたような見えますが、どうにもそう思えないんですよね(思いたく無い!ってのが一番ですが(笑))
アスカやレイとは色々な想いが描写されて来た中で、いきなり出てきたマリとはほとんど接点も無く(本作でもやっと中盤に自己紹介するくらいですから)、シンジが心のよりどころにしたかったとは思いますが、結果的にそうしたのかなというのが考えです。
それは長年、アスカとレイという人気のキャラがいて、沢山のファンがいる中で最終的に誰と繋げるか?という流れをどうしても意識する必要がありますが、どうしてもそれが出来なかった(どっちのファンも裏切らない形を目指した)からなのかなと思います。
だからマリという存在を新しく作って、うまく中和する事でみんなが納得いく形とした、最後の駅のホームの描写は、シンジ(マリ)とそれ以外という構図で、存在するけど言葉などは発さず、解釈はそれぞれ見る側に委ねる形にした、というのが私の考察です。(もっともマリファンには純粋に嬉しい限りでしょうが(笑))
○自分の中のアスカの完結
映画を見て色々な想いが交錯する中で、アスカの存在ですが、自分の中では最後は「元の」アスカに戻ってくれたというのが率直な想いです。
それは、最後の決戦でアスカのオリジナルが別にいたこと、そして先述の浜辺でのシンジとのやり取りで感じた、今までに無かった優しい表情のアスカを感じたからです(完全に贔屓目ですね(笑)。もう涙が止まりませんでした(涙)。
○まとめ
自身の人生に影響を与えてくれたエヴァはやっぱり偉大だなと実感させられた映画でした。そしてこんなにも夢中にさせてくれたキャラクター、アスカ。
本当に、
「エヴァよ、アスカよ、ありがとう」
そして
「さようなら」(おまじない)
最後に
・・・やっぱり、裸を平気で見せられて、ケンスケ好きな訳は無いよね!(笑)
ありがとう。 そしてさようなら。 すべてのエヴァンゲリオン
これまで様々な考察を色々な人達が考えられていましたが、庵野監督は見事にそれを上回ってくれました。
つぎはぎだらけの感想ですが、まず、完結したのを観て私が思ったのは、これはTVシリーズ、旧劇、コミック版のEXTRA STAGE「夏色のエデン」を観ておくべきということです。
新劇だけを観て全て理解するのは無理です。
断言できます。
初めて子と父が本音で戦う(話し合う)のは、25年目にしてようやくだと思いました。
TVシリーズや旧劇を観た当時からすると、これを一番見たかったんだと改めて気づかされました。
今までと違って本当にスッキリしたハッピーエンドになってよかったです。
私は、最後のシンジとマリのカップリングにはすごく嬉しかったです。
これからもお幸せにと心の中で言いましたww
戦闘で一番驚いたのが、アスカの左目にまさか第9の使従(旧のバルディエル)が封印されていたことですね。
元々好きな使従ではあったので、なんか嬉しかったです。
TVシリーズや旧劇の映像も使ってくれて、うれしい演出をしてくれました。
しいて言うなら、たくさんのエヴァが出るなら、旧劇の量産機も出してほしかったなぁ~と淡い期待もしてしまっていた自分がいました。
本編中気付きませんでしたが、コーラスの中に高橋洋子さんが入っていたのは気付きませんでした。
最後のエンディングテロップで発覚して驚きました。
後、大人シンジを演じた神木隆之介さんの存在も。
段落的な感想になってしまいましたが、想像を超えるストーリ展開でTVシリーズから始まったエヴァンゲリオンを見事に完結してくれました。
ありがとう。 そしてさようなら。
すべてのエヴァンゲリオン
往年のファンの期待と疑問に答えてくれた
人類補完計画とは何か、サードインパクトとは何か、そんな考察されていても明確に示されなかった長年の疑問に全て答えてくれました
なのでちゃんと予習して見れば、そういう事かと謎が解ける爽快感を一挙怒涛に味わう事が出来ます
そもそもエヴァは考察して、深読みしてナンボの作品なので
予備知識なしで楽しめるかは人によると思います
なので最低限旧劇のラストと、新劇全作の予習は必要だと思います
以下重要ネタバレ含みます
本作のテーマを一言で表すなら「通過儀礼」だと思います
エヴァは子供にしか乗れないし
エヴァを見ていた子供達も、10年以上の月日を経て大人になっています
そんな人々の心の中にある「エヴァ」という概念を
人類補完計画にある相互補正という作用になぞらえて
また会うためのおまじないとして「さよなら」するのがこの作品のテーマだったんだと思います
視聴者の分身でガキだったシンジが
長い時間の中で成長し、一つの答えにたどり着いたこと
視聴者の分身であるシンジが観劇の世界を終わらせて現実を再構築した事
その成長の答えがエヴァというイマジナリーの放棄という答えに辿り着いたんだと僕は思いました
ラストがああいう結末になった事に、庵野監督から僕達へこれからの世界に対する関わり方へのメッセージ性が込められているのだと思います
これはひとつの物語としての「エヴァ」の終劇という庵野監督のけじめの物語なんだと深く理解させられました
考察の余地が尽きないのもファンとしては逆に嬉しい
マリの正体やニコイチ新弐号機の片割れの正体など、
シンエヴァで明かされなかった謎も多く残っています
完結してもなお、まだまだ深掘り出来るエヴァという作品にこれ以上無い感動と尊敬を感じます
これから先、エヴァは沢山の考察がされる事でしょう
そういった楽しみを残してくれたという点でも
他の作品には無いエンタメ性がエヴァにはあります
だからエヴァは古今東西他に並ぶもののない最高の作品だと僕は思います
全人類、エヴァを見て、そして僕と考察を思う存分語り合いましょう
CGが凄かった
ずっと楽しみにしていました。
初見で見た感想は、CGが凄くてみんなかっこいい!やはりエヴァの工場風景や送電線やら、退廃的な風景はとても素敵でした。
映像も音も素敵でした。
みんな割と生きてるじゃんと思いました。Qみたいに意味分からん気持ちで終わらなくて良かったです。ハッピーエンドでよかった。
殆ど伏線回収もされていた感じでした。マリのことはもっと知りたかったです。
神木隆之介が大人シンジやっていたのも、私は大人になったシンジを表現出来ていて悪くなかったと思います。
ミサトさん、シンジくんと目を合わせないように、加地さんのこともあって、目を背けたかったのかな、辛かったです。泣きました。艦長ミサトさんめちゃくちゃかっこよかった!
初日は、長年続きを心待ちにしていた方が多かったのか、拍手が沸き起こっていました。
話の流れは上手くできていると思いました。
やはり長すぎて、1回じゃ見逃していたこともあったので、2回以上見た方がいいと思いました。
2回見ましたが、また見に行きます。
また、いつか会いたいな
26年越しの完結
エヴァという体験をありがとう
当方、夕方のTV放送から見ていたリアルタイム世代です。こみあげる涙はそのままに観賞後は四半世紀に渡る強烈なエヴァ体験に、関係者やファンの方に感謝したい気持ちでいっぱいになりました。
エヴァというフィルターを通さなければ、物語は至極シンプルで、コミニティでの作法や、人間関係が拗れてしまってコミニティから逸脱してしまった者の復帰や関係修復のひとつの方法を特に前半〜中盤にかけて丁寧に描いているなと感じました。
後半は特に関係が拗れやすい親子間の和解の一例を描いたように受け取りました。和解までに至る道のりはめちゃくちゃですが、解決策はとてもシンプルで清々しさすら感じました。
エヴァという視点から見ればよくもまあこんなにも沢山のしこりを2時間半で鮮やかに回収かつスカッと終わらせたなと一種の爽快感を伴ってエンドロールを迎えられました。
そして涙の後に大爆笑と、過剰すぎるマニアックなサービスの連続に鑑賞中は庵野、やりやがった!の連続でした笑
四半世紀に渡るエヴァというコンテンツは一旦終わりを迎えますが、同時にエヴァという土壌であれば何をしても良いというアップデートを施したようにも感じられました。それは別監督でも実写でも良いし、最先端技術の投入、実験の場でも問題ない強度まで高められた気がします。
ただ、ひとつの映画としては後追いでは追いつけないような体験、場面も散見されるのでその点の評価がどうなるのか気になるところです。
実際、周りの古参は絶賛していますが、新劇場版からのファンはさっぱりと評価が分かれています。
ともあれ長きに渡ってエヴァという体験ができたことは個人的には大変貴重な経験であり、感謝を述べたいと思います。
エヴァ、今までありがとう!
キャッチコピーは本当だった。
小さい頃にエヴァシリーズをアニメで見てからコアとまではいきませんが細々と追っていた者です。
タイトル通り本当に"さらばすべてのエヴァンゲリオン"でした。
アニメ、漫画、旧劇と全て見ておいて良かったと思わせてくれるそんな今作。カヲル君の謎やQで散々謎を散らかしていった産物をほぼほぼ回収、良い形に纏め上げたのは本当に大したものです。これ以上何を望めばよいのでしょう。
正直なところ鑑賞前は本当に終わるのだろうか?キャッチコピーでハードル上げ過ぎでは?なんて思っていましたが真実といっていいとそう思いました。
今作鑑賞後は本当に多幸感でいっぱいでエヴァシリーズを追っていて、10年弱待っていて良かったと心の底から感謝感激です。
劇場では泣いたりしませんでしたが帰宅し思い返すと本当に終わったんだという思いから少し泣いてしまい、そのままエヴァシリーズを見返すところまで来ています。
長い年月待ちわびたものが終わってしまうのは悲しいものですね。
今作はエヴァは破までで良い派やアニメ旧劇で止まっている人にも是非新劇シリーズを通して是非見ていただきたい。
そして、まだエヴァシリーズ見たことないけど話題になってるから見たい!という方は是非、いや、個人的には必須なほどアニメ、旧劇、漫画を踏まえてから新劇場版シリーズを見ていただきたいです。
新劇場版のみでも恐らく十分楽しめる代物になっておりますが今作のキャッチコピーの通り"全て"のエヴァンゲリオンを楽しんでから見るとより一層二層etc思い出深い作品になります。
最後に一言。
今作の綾波最高。
心に残る映画
前回までのストーリーや設定をかなり忘れていたので所々理解出来ない箇所もあったが、丁寧かつ温かいタッチで物語が展開されており、満足した。終劇として終わり方が良く、作者なりの総括も視聴者の満足のいくものになりそうな気がした。そして、その感覚が作者と共有されていて温かい気持ちになれた。そのせいか、驚くような展開は少なかったが、皆が共有できるハッピーエンドにするというのがエヴァ史上最大の難問であり最も求めている事でもあった。これが達成されただけでも観た甲斐があった。
映画で特に印象に残ったのは碇ゲンドウというキャラクターの存在についてだ。彼を通じて完璧な存在は否定される。自らの弱みに向かい合わず、知恵や戦略によって弱さを克服しようとしても弱さは決して浄化されない。それどころか、自分の弱さを認められない弱さにより、完璧で永遠なる存在を渇望し始める。しかし、その願いも結局叶わない。不可能を可能にしようとする事は否定される。現実と同じだ。彼が自分の弱さを認めた瞬間、渇望は消えて、物語は逆転し始める。弱い事実はなくならないが、弱さを認め回避を止める事で、彼の精神を蝕むものはなくなり、弱さは浄化されるのだ。
彼の行動は精神医学的には神経症の表れだと思うが、現実世界を観ても、このような病(もはや病ではなく現代的気質と呼ぶに相応しい気がするが)に侵されている人は非常に多い。彼の気質には現代の精神的傾向が如実に反映されている。そして、彼のとった行動はまさに神経療法的側面からしてみても病を克服する上で正しいものだ。しかし、やはりこのような乗り越え方は感動を伴うものだと感じた。
主人公達が大人になったラストシーンも同じように乗り越えた結果なのだろう。素晴らしい表現シーンだ。
まずは、この映画が放つメッセージを大切にしていきたいと感じた。
衒学として考える考察。そして今の思いはお疲れ様でした。改めて今まで有難うございました。の気持ちです。
前作から早7年。まだかまだかと楽しみに思いながらも“この時が来なければ良いのになぁ…”と思っていた「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…どう解釈して良いのか?と上手く言葉に出来ない所が多数と言うのが正直な所ですが、一言で言うと「良かった。面白かった。今まで有難う。」と言う気持ちです♪
旧作から「リビルド」された新劇場版シリーズを含めた全てのエヴァンゲリオンの集大成で完結編。
前作の「Q」が?を幾つ付けたら良いのかと言うくらいに謎と言うか、置いてけぼり感があり過ぎてフラストレーションが溜まりまくりでしたが、今作でそのフラストレーションを払拭しながらも様々な伏線を回収出来たのか?と言うと、個人的には限りなく伏線は回収出来たのではないかなと言うのが感想。
また、今作の為にQを半ば捨て石の様にしたとするならば…庵野監督、恐ろしい子…w
面白いと面白くないで言えば、面白かったし、ベタ的な展開もかなりサービスされていて、集大成で締めに相応しい感じ。
長く観ていると、“こうであって欲しい”“こうでなければいけない”的な理想や願望、考察がそれぞれにあるんですが、それを上手くスカしたり、敢えて飛び込んだりとワクワクポイントが沢山w
セリフのチョイスが今回は色々と面白いんですよね。ニヤニヤしましたw
それでも話はかなり難しいので、過去作を知らない人には付いていけないのはいつもの通りですがw、何処か閉店赤字覚悟の出血大サービス的なのも入れつつ、媚びない姿勢は逆に嬉しかった♪
いろんな思いがあってもなんかスッと洗い流された感じでスッと納得出来た感じ。いろんな事があったけど終わったら激闘の末のノーサイドみたいと言うか。
まぁ振り返ればこの作品って始まりから終わりまで激闘の日々でしたねw
※ここからはネタバレ多数です。
今までの新劇場版を振り返るダイジェストから、2019年7月6日に公開された「0706作戦」と称されたイベントでの「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1 0706版」でスタート。
もう、これだけでテンション上がりまくりw
その後Qの続きとエヴァの世界観の外界的な日常を描かれていて、そこにシンジやアヤナミレイ、アスカが溶け込もうとする姿が微笑ましくもなんか嬉しかった。
中盤からはNERV=碇ゲンドウ、エヴァ第13号機と移行していくが、最終決戦なんて本筋としての王道な展開ながら超難解で観る側の斜め上どころの騒ぎではないぐらいのブッ飛んだ展開と構成はこうなんだろうなあと思いながらも、理解が難しい。
この辺りが「エヴァ」の所以たる所以。
キャラクターもまさかこうなるとはと思うのもあれば、結局この人は何だったの?どうだったの?と言うのもあります。
その辺りは全てを明瞭にしなくても良いし、それをどう解釈してどう理解するがかこの作品の面白い所と解釈。
何よりも圧倒的なスケール感と独創的な世界観に美術的なセンス。もはや宗教と言っても過言では無いぐらいの構築は映画館のスクリーンで観る為の作品かと思います。
話は説明するには難しいのでまさしく「百聞は一見に如かず」なので観てちょうだい!としか言えないし、要所要所での説明は出来ても「では完結編の説明を」と言われても上手く説明出来ない。
過去にブログで書いた引用ではありますが、2004年にNHKの「トップランナー」と言う番組に出演した庵野監督が「エヴァンゲリオンは哲学的と言われるが、実際はそうではなく「衒学的」(げんがくてき)である。衒学とは知識がある事を自慢する事であり、知ったかぶりという言葉が一番近い。エヴァの一見謎に満ちたストーリーも、何か裏がありそうな雰囲気を出すための演出であり、実際に裏は存在しない。」と言うコメントを発していますが、まさしくそうなんですよね。
ネットなんかでは“あそこのシーンはこうだった”“あれはこうだったから、こうなるんだ”とかいろんな議論が展開されているが、当の本人に“そんな裏は無い!”なんて言われたら、ミもフタもないけど、本人が言っているのならそうだろうw
でも、当人の庵野監督も多分自身の掌では収まりきれない程大きくなった作品の落とし所は「正直どうしたら良いのか解らない」と言う時期があったのではないかと思うんですよね。
以前、お仕事で一緒になったエヴァのTV版の演出を担当された方からも“もしかしたら、もうまとめられないかも知れないよ。それぐらい製作者の手を離れすぎてエヴァと言う作品は膨らみ過ぎている”と言う話を聞いたことがあります。
「哲学」ではなく「衒学」。
なんとなくその言葉を思い出し、この衒学と言う言葉がキーワードなのだと感じたりします。
TV版の放送からエヴァは、その難解な展開からか制作スケジュールが押していた事もあり、庵野監督も第拾八話・第拾九話の時点でスケジュールが“行き詰るのが目に見えていた”と語っている。また「あれ(このような物語の終わらせ方)が僕のサービスなんです」とも語っていた。
また2006年6月の雑誌インタビューで、最終2話について、大月俊倫プロデューサーは「エヴァが現在あるのは、あの衝撃的な展開によって皆さんに『なにか違う』『俺ならこうする』とそれぞれ”補完”してもらえたおかげ。僕らにとってあの結末は肩透かしでも消化不良でもなく、長い時間をかけて”永遠に終わらない最終話”になれた唯一無二のクライマックスだと考えています。これが僕たちからの回答ですね」と答えている。
だからこそ、それぞれの答えがあって、納得出来ない部分も多数あるとしても、それはそれで良し。
『:||』の部分は、リピート記号が正式表記でありますがそれですら衒学の遊びにも思えるんですよね。
伏線や余白を残す事で哲学的な要素も含んでいるが、実は衒学で有ったり無かったり…それでも自身のライフワーク的な作品でありながら、何処か他人の手に委ねたいぐらいのワガママに育った作品でそろそろ嫁に出したいのに誰ももらってくれる人がいないみたいなw
でも、立派に送り出せたのではないかなと思います。
ちょっと難点と言うか、気になった点はエンドロールに制作スタッフにガイナックスの文字が見当たらなかった事…(一応チェックしたけど確認出来なかった)
ここ数年のガイナックスの没落と安野監督との関係を知ると仕方無しではありますが、ちょっと気になりました。
これだけ長く付き合った作品になるとは思わなかったし、それでもいろんな思い出が有り過ぎて、それぞれのキャラクターには思い入れが沢山。
今までが不幸な結末が多いので出てくるキャラクターには“出来るだけ幸せな結末であって欲しいなぁ”と思うんですよね。
テレビシリーズから約四半世紀。旧劇場版から23年。
新劇場版の「序」から14年。
最初は住んでいた地域でテレビシリーズの放送がやってなくて、ビデオで後追いで追いかけて見てましたがそれでも解んない所が多数。
全てを理解も出来ないままに旧劇場版を鑑賞しても更にちんぷんかんぷん。正直一時期は嫌いな作品でしたw
その後パチンコでエヴァが出てくるとも思わなかったし、そのエヴァパチが大ヒットして、今も続くシリーズになると思わなかったw
そんなエヴァが再構成で新劇場版で上映させるのなんて青天の霹靂状態。でも正直嬉しかった。
自分の中で長い時間を掛けて咀嚼出来、その栄養素の有り難さが分かった時点でまたエヴァを咀嚼する。この工程がこの作品の意図でもあると解釈し、あえてその流れに乗っかる。それで良いのではないかなと思います。
ラストに近づくにつれ、物語のクライマックスの感動を噛み締めながら、この作品との長い長い付き合いが終わる事に万感の思いが込み上げてきて、涙が込み上げてきました。
今はこの作品をリアルタイムで観れたことが嬉しくて感謝。こんなに作品の余韻に浸れると思わなかったし、それが嬉しい。
また、新しいエヴァが生まれるかもしれないし、そうじゃないのかも知れない。
それならそれで良い。そうなったらそうなったで素直に受け入れようと思う。
そんな感じがするんですよね。
アニメーション映画作品に想いを寄せ過ぎる事は無いんですが、その思いに沿えた事も嬉しい。
今は登場した全てのキャラクターに、作品に関わった全ての人に「お疲れ様でした」「改めて今まで有難うございました」と言う思いで一杯です。
IMAXなんかで再度観てみたい気持ちもありますが、今はゆっくりと余韻に浸りたいと思います。
補足
3月22日の午後7時30分からNHK総合で放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」を見ました。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の制作の舞台裏を4年間にわたって独占密着した内容で宮崎駿さんが仰られてた「庵野は血を流して映画を作る」の意味が十二分に理解でき、この番組を見て府に落ちたところが多数。
映画を観て理解がしずらかった点や難しかった点が補足や補填されたと言うかなり見応えのある番組でしたが、良く考えると監督の考えや人となりが取材番組で分かると言うのはよくありますが映画作品の理解の補足をされる取材番組ってかなり稀有ですよねw
でも、庵野監督のこの作品にかける執念の様な思いが少しでも知れた事で、やっぱりこの作品と同じ時を過ごせた事が改めて嬉しくなりました♪
追記!
1度の鑑賞で分からなかった部分もいろんな情報が入った上で2回目の鑑賞でなら理解出来る部分も増えるかな?と思い、IMAXでの再上映の情報を聞き、IMAXで再鑑賞しました。
前作では映像の情報を読み取る事にいっぱいいっぱいだったので、今回は割りと理解と把握を出来ました。
やっぱり2回観ないと分かんない事が沢山で、それ以上に再発見やうろ覚えだった事も再認識出来て満足♪
それでもマリの存在と立ち位置は現実とのリンクでの説明はついても、物語の中ではやっぱり説明が難しいw
でも、儀式の様に始まる前の緊張感と万感の想いがこみ上げる感動はやっぱり観て良かった!
でも、何度も観て、その感動を薄れさせたくないなぁ~と言う思いも改めて認識。
この思いだけでお腹一杯なので、当分は観たくないかとw
いろんな意味で「さよなら!そして有難う!!エヴァンゲリオン」な思いを堪能出来ました。
終劇
コレは25年に渡って描き続かれた、『愛』の物語だ。愛が命を育み、その命が愛を紡いでいく。14歳という一番多感な分岐点。エヴァに乗る事を決意した少年。残酷で理不尽な巨悪と陰謀に立ち向かい、未来のため愛を貫く。無論、私が勝手に解釈した事だ。当事者の彼らにはそんな気は毛頭無いのかもしれない。しかし、私はエヴァンゲリオンという作品で、そしてこの映画で、確かに愛を感じた。父の愛、母の愛、親友、仲間、シンジくん自身の愛を。心が溺れるほど涙した。贈りたい言葉は一つ。「おめでとう」。
……ってかマジでエモいから皆んなに観てほしい。アニメ、漫画、劇場版、全部が全部好きな終わり方だったけど、今回の終わり方が一番……お洒落?じゃない?ぶっちゃけまだイミフなとこあるし、シンジくんの選択が正解なのかなんて分からんけど、超好き。
演出、音楽、そして破れたプラグスーツのスケベさ、ぜーーーーーんぶ好きでした!
あれ?もしかして自分が・・・
熱くなってる!?
初めてのレビューです。
これまで感動大作、衝撃のラストと謳われた作品、いろいろ観てきましたが、
正直、がっかりさせられた作品もあり、
いつからか、その「がっかり」に備えて、
身構えながら映画を観てしまってます。
映画鑑賞中も、少しでも隙があれば冷静バイアスが働き、
作品に感情移入できないまま観終わることが多く、
なぜこんなにも素直に向き合えないのか、
自分自身に嫌気がさすこともあります。
そんなひねくれた僕なので、
「シン・エヴァンゲリオン」に対しても、
ガチガチに身構えたまま鑑賞しました。
異変があったのは、中盤当たりだったと思います。
なんか館内が暑い?・・・いや空調は効いてる。
あれ?もしかして自分が熱くなってる!?
なんだろう、この高揚感・・・
そして、その熱を帯びたままエンドロールを迎えることが出来ました。
なんとも言えぬ感情を吐き出したくなった。
これまでまったく興味のなかったレビューサイトに、
なぜか、今書き込んでます。
初めてのレビューです。
ありがとう。
とてもいい映画でした。
そうか、これを吐き出したかったんだな。
素直な気持ちって、なんだか嬉しい。
全1015件中、821~840件目を表示