劇場公開日 2021年3月8日

「Beautiful World」シン・エヴァンゲリオン劇場版 ripc02さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5Beautiful World

2021年6月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

公開後すぐに観劇してから、ずっとレビューを書けないでいました。
考察やレビューが巷には溢れかえっていて、自分がなにを書けば良いのか
分からなくなっておりました。
そんな中、終映が迫って新バージョンが上映されるとのことで再度劇場へ。
同じ映画を2度劇場で観劇するなんて、映画館が入れ替え制になってからは初めてです。

で、です。
わたしたちはいったい何を見せられているのだろう?
2回目を見ても、そう思いました。

エヴァンゲリオンっていうロボットアニメに見せかけて
わたしたちは1人のクリエータの思い出語りなのか、自戒なのか、諦めなのか
本当のところは良く分かりませんが、とにかく庵野さんの独白を見せられたと思います。
もう完全に「庵野秀明物語」です。

TV版、旧劇、Qと
「なんで君たちは僕が意図することを理解してくれないんだ」って
想い悩んで、苦しみ抜いて、25年かかってやっと捻り出して生まれた作品を観劇したのです。

でもそこには、良いものを創りたいというクリエータの必死の気概と、その産物を享受して楽しんできた人たちの幸福感に満ち溢れた世界がただただ流れておりました。

たとえ、クリエータの自己満足と揶揄されようとも
こんなラストは望んでいないと落胆しようとも

一人の人間の創作物をこんなにも多くのひとが共感し、ときには支え、必死になって世に送り出し、それを享受している消費者が嘆いたり、称えたり、考察したり。

そしてなんといっても興行的には大成功を収めているわけで。
庵野さんにとっても、エヴァファンにとってもエヴァに係ったすべての人にとって、こんなに幸せなことはないのではないかなと思います。

この物語を紡ぐ側のみなさん、そしてそれを享受してきたみなさん、
ほんとうにほんとうにみなさま、おつかれさまでした。

わたしは、いま
#シンエヴァ薄い本
に収録されたのカットの数々で
経験したことのない幸福感で包まれています。

ripc02