「影の消滅と26年の記憶。」シン・エヴァンゲリオン劇場版 Bluebeatbluesさんの映画レビュー(感想・評価)
影の消滅と26年の記憶。
イギリスの偉大なロックバンドLed Zeppelinの最後のALBUMは「Coda」。Codaは音楽で楽章終結部を意味する。ドラムのジョン・ボーナムが急逝したその年にバンドは解散したが、通算9枚目となるこのスタジオアルバムが発売されたのは2年後であった。
産みの苦しみよりも終わらせる苦しみを非常に強く感じさせる作品のひとつだ。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:|」を観てLed Zeppelinの「Coda」を思い出した。物事の終わりは必ずしも美しいものでは無い。物事の終わりは必ずしも酷いものでも無い。終結が美しいものではあっても酷いものであっても、そこに至るまでの世界には満身創痍の傷だらけの痛みがあちこちに散らばっている。良いも悪いも好きも嫌いも超えて、そこには終わらざるを得ない事実が存在する。フィクションであれノンフィクションであれ、始まったものには何かしらの決着をつけなければならない。さようならエヴァンゲリオン。ありがとうエヴァンゲリオン。26年に渡り影のように私に付き纏ってきたエヴァンゲリオンは、さっき姿を消した。
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