「勘違いしてる人多い」シン・エヴァンゲリオン劇場版 scummymanさんの映画レビュー(感想・評価)
勘違いしてる人多い
身も蓋もない言い方になってしまいますがご了承下さい。
感想でストーリーが~とか言って面白くないと言う人がいますが、最初からエヴァンゲリオンは複雑なストーリーがあるように見せかけた寓話ですから面白くはありません。
TV版から一貫して庵野秀明が言いたかったことは「自分の殻の中に引きこもってないで外の世界に出よう」って事です。「書を捨てよ、町に出よう」って事です。
それを旧約聖書とか持ち出していかにも意味ありげにスノッブ効かせて見せていただけです。
TV版では引きこもりのシンジ君が親父に無理やり外の世界に触れさせられた事によって他人のいる世界も案外いいもんだなと受け入れたって話です。外の世界は良いぞと言っているのです。なので最後はみんなからの「おめでとう」で終わるのです。
旧劇場版はそれでも引きこもる人たちに対して庵野監督が「気持ち悪い」と言っているのです。
サードインパクトを起こし好きな人(アスカ)と二人きりの世界になってもまだ首を絞め一人の世界に閉じ籠ろうとするシンジに対しアスカが放った言葉が「気持ち悪い」です。
僕はこの旧劇でもう終わりで良かったと思うのですが、パチンコマネーの関係でしょうね、またエヴァを作らざるを得なくなって庵野監督も今更エヴァで何を伝えれば良いのかすごく悩んだと思います。それが如実に出たのがQで、もうこれしか言えないとなったのが今作シンの「もうパートナーを見つけろ!(強制的に現実を受け入れざるを得ない)そうすれば世界は変わる!」ではないのかと。
庵野監督が結婚した事が当然影響しているのでしょう。
最後の方の特撮スタジオでのチャンバラシーンは庵野監督が、もういい加減に分かってくれただの作りものなんだエヴァを卒業してくれと言っているように感じられました。
よく感想でこんなエヴァは見たくなかった、期待して損したみたいなのを見かけますが、新劇しか見ていない人ならそういう感想も分かりますが、TV版から見ている人は僕から言わせるとエヴァに何を期待していたのかなと。
個人的にはカップリングは意外でしたがその他は「そうだよなぁ、こうなるよなぁ~」って終わり方でした。