「ありがとう、庵野監督」シン・エヴァンゲリオン劇場版 ごとうさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう、庵野監督
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TV版、旧劇場版を視聴したのが四半世紀前。
当時からずっとモヤモヤして続けていたことを
すべて、すっきり、きれいに片づけてくれた。
「良い作品を語るために多くの言葉はいらない」
そんな気にさせる映画だった。
・強くしなやかになった碇シンジ。
「涙で救えるのは自分だけだ。僕が泣いても他の誰も救えない。だからもう、泣かないよ」
は人として自立することができた証。
・旧劇場版で成り損なった、シンジの母親役を務め切ったミサト。
Qで14年の歳月を経過させたのは、そのためだった。
最期の戦艦特攻は泣けた。
・息子のまえで素直に「すまなかった」と謝罪できたゲンドウ。
ユイとひとつになり、新劇場版でもっとも救われたのは彼だった。
・ほかにも
「人間らしさを手に入れたレイ」
「新たな相棒を得たカヲル」
「ケンスケが心の支えとなったアスカ」など
すべてのメインキャラが救われた。
・さんざん空気と揶揄されながら、
シンジのパートナーとして重要な役目が与えられていたマリ。
物語の終焉とともに虚構は解体され、現実に還る。
彼らは大人になり、街に飛び出す。
そして最後に流れる宇多田ヒカルの『One Last Kiss』。
製作者も観客も、キャラクターでさえも、
「エヴァ」という名の呪縛から解き放たれ、
爽やかな余韻を残す、完璧な締め方だった。
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