「往年のファンの期待と疑問に答えてくれた」シン・エヴァンゲリオン劇場版 明月さんの映画レビュー(感想・評価)
往年のファンの期待と疑問に答えてくれた
人類補完計画とは何か、サードインパクトとは何か、そんな考察されていても明確に示されなかった長年の疑問に全て答えてくれました
なのでちゃんと予習して見れば、そういう事かと謎が解ける爽快感を一挙怒涛に味わう事が出来ます
そもそもエヴァは考察して、深読みしてナンボの作品なので
予備知識なしで楽しめるかは人によると思います
なので最低限旧劇のラストと、新劇全作の予習は必要だと思います
以下重要ネタバレ含みます
本作のテーマを一言で表すなら「通過儀礼」だと思います
エヴァは子供にしか乗れないし
エヴァを見ていた子供達も、10年以上の月日を経て大人になっています
そんな人々の心の中にある「エヴァ」という概念を
人類補完計画にある相互補正という作用になぞらえて
また会うためのおまじないとして「さよなら」するのがこの作品のテーマだったんだと思います
視聴者の分身でガキだったシンジが
長い時間の中で成長し、一つの答えにたどり着いたこと
視聴者の分身であるシンジが観劇の世界を終わらせて現実を再構築した事
その成長の答えがエヴァというイマジナリーの放棄という答えに辿り着いたんだと僕は思いました
ラストがああいう結末になった事に、庵野監督から僕達へこれからの世界に対する関わり方へのメッセージ性が込められているのだと思います
これはひとつの物語としての「エヴァ」の終劇という庵野監督のけじめの物語なんだと深く理解させられました
考察の余地が尽きないのもファンとしては逆に嬉しい
マリの正体やニコイチ新弐号機の片割れの正体など、
シンエヴァで明かされなかった謎も多く残っています
完結してもなお、まだまだ深掘り出来るエヴァという作品にこれ以上無い感動と尊敬を感じます
これから先、エヴァは沢山の考察がされる事でしょう
そういった楽しみを残してくれたという点でも
他の作品には無いエンタメ性がエヴァにはあります
だからエヴァは古今東西他に並ぶもののない最高の作品だと僕は思います
全人類、エヴァを見て、そして僕と考察を思う存分語り合いましょう