「さよならというおまじない」シン・エヴァンゲリオン劇場版 hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)
さよならというおまじない
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涙が止まらなかった。
帰りにスーパーで平然と買い物をしたが、ほんとは今すぐうずくまって泣き叫びたかった。
最初にエヴァンゲリオンを見たのは中学生の時だった。
私の地域では夕方6時頃に放送されていて、自分の部屋にテレビは無かったのであんなシーンもこんなシーンも食事の支度をしている茶の間のテレビで夢中で見た。
最初の映画は高校生の頃。
読む用と保存用にパンフを2部買ったのに、帰り道にチャリで転けてどっちもボロボロになってしまった。
新劇場版:Qを見て、もう私のエヴァじゃなくなったと思った。
私も大人になり、長い時間が経ち、もうエヴァへの思い入れもほとんどないと思っていた。
それでも涙が止まらなかった。
シンジ君が大人になったことに、こんなにショックを受けるなんて。
「こんなアニメに、これ以上人生を費やすな」
「人類補完計画より大事なことがあるだろう」
「真面目に生きろ」
「大人になれ」
「働け」
「目の前にいる人を大切にして、真っ当な人生を歩め」
「できる限り、ちゃんと全部終わらせるから」
庵野秀明が、そう言ってるように感じた。
優しいな。
帰り道で「One Last Kiss」を聴いたら、こらえ切れず泣いてしまった。
もう一度見たい気持ちもあるけど、もう見ないことにする。
HDDの序も破もQもぜんぶ消す。
パンフは買ったけど。
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hhelibeさんのコメント
2021年3月9日
あと、あちこちに戦争や震災のモチーフが意図的に散りばめられてるように見えた。
ミサトさんに特攻を想起するのはもちろん、シンジ君が佇んでた場所は陸前高田の防災センターみたいだったし、ヴィレのメンバーが「ここにいては危険だから」って言われても残る決意をしたのは当時のフクイチで戦った人たちと重なった。