「スッキリして終われました」シン・エヴァンゲリオン劇場版 nnnさんの映画レビュー(感想・評価)
スッキリして終われました
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思えばエヴァを初めて観たのは小6の夏休み再放送だったのを覚えています。田舎だったのでアニメが放送される事が少なく、思春期入口年代の男子には色々な意味で面白く、話題の中心でした。ちょうど旧劇場版も公開されていた時期だったので友達とドキドキしながら観に行った事を覚えています。しかし、観終わった時の混乱と虚無感といったらQなんて可愛いもんでしたよ…
当時はオタクの風当たりがキツく、学校で話題にして良いのは週刊漫画系アニメ作品だけでした。しかもネットも無かったので考察を共有化する場も無く自身で受け止める事しか出来ませんでした。だけどその体験のおかげでこの歳まで興味を持ち続けたんだと思います。
全体的な感想は他の方が書かれているので、自分が1番胸を打った所を書かせてもらうと、ゲンドウの葛藤シーンです。TV版・旧劇をリアルタイムで観ていた世代は確かに大人や他人への不満や怖さがあったと思いますが、その人達は月日が経ち、他人を完全に理解は出来ないけど、それなりの落とし所を見つけ、結婚をし、親となっている人がほとんどです。逆に今はゲンドウのように自分の子供が何を考えているか分からなくて悩んでいる人がほとんどでは無いでしょうか。だから、TV版・旧劇で多用されていたシンジの葛藤シーンは無く、逆にゲンドウ=視聴者として描かれ、完璧の象徴だったゲンドウが人間くさく現されています。結局は大人=完璧は幻想で死ぬまで葛藤の連続だということを自覚しろというメッセージだと思いました。
若者が望むキャッチーで衝撃的な展開はありませんが、観た人は必ず納得する事が出来る作品だと思います。
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