「それでも縁は残る」シン・エヴァンゲリオン劇場版 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも縁は残る
破壊と創造の物語
自分はコアなエヴァファンではない。にわかファンだ。
深い考察も出来ないし、監督の人となりも知らない。ただ、このシリーズと同じ時代を生きただけの人間である。
そんな自分でも鑑賞後、心臓が激しく鼓動した。
多くの映画を見てきたけれど、こんなにもドキドキしながら劇場を後にしたのは数年ぶりだ。感動と喪失感と希望を与えてくれた本作に感謝。
アクションも人間ドラマも超一級
作画も構図も超一級
影響力、メッセージ性も超一級
エヴァンゲリオンは神話になった。
見た人の人生を変えるほどの力がある作品は数あれど、エヴァンゲリオンほど日本の文化に影響を与えた作品は今後生まれるだろうか。
必ず生まれるはずだ。本作が生まれるために糧にした素晴らしい作品が有るように、本作を糧に素晴らしい作品が創造されるのは必然だから。
恩返しというものが有る。恩は受けた本人に返さなくてもいい、誰かに返せばいい。
そうして築き上げられる円環こそがより良いもの、より素晴らしいものに繋がるはずだから。
そんな円環を意識せずにはいられない。本作に対する感想はこれにつきる。
シンジの引きこもり描写やゲンドウの人間不信、親子の対話。
見ていてグサグサ心に刺さった。
監督の心情がもろに出ていて苦しかった。
自分にも重ねてしまった。
物語が終焉に近ずくに連れて、終わらないでくれ、もっとこの世界に居させてくれと願った。
しかしラストで解き放たれた。
それは悲しいお別れではなかった。
「行こう」と言ってくれた。うれしかった。
生きる事は進むこと。
これはエヴァ直撃世代ならもうすでに知ってる答えだと思う。
この作品に教えてもらったものではなくて、自分なりに歩んだ人生から学んだ答えだろうから。
しかしその答えをエヴァが提示してくれた。答え合わせをしてくれたことほどファンにはたまらないものはないだろう。
憧れた作品が、手が届かなかった作品が、苦しい道を進んでいた事、寄り添っていたこと、自分と同じだった事に喜ばないファンはいないはずだ。
だから私は泣いた。希望と共感と後押ししてくれた事を感じた時、涙が出た。にわかファンだけれど「ありがとう」と心の中で叫んでいた。
もう生きる術は知っている、もう歩む道程も見えている。でもそれ以上に大切な進む力を背中を押してくれたエヴァンゲリオンに感謝せずにいられない。
本当にありがとう、あとは我々の物語だ。
エヴァが私にかけた魔法、呪い、夢は解けた。
次は魔法も呪いも夢もかける番だ。
おやすみなさい
開拓してくれて
おはよう
新たな始まりを迎えたさせてくれて
ありがとう
そばに居て導いていくれて
さようなら
後を任せてくれて
明日へのおまじないを全ての人へ。
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劇中セリフより
「今が一番若いから」
生涯現役とか一生青春とか「寒い」と思ってたけど、体じゃなくて心が大事なんだと気が付いた。心や気持ちを衰えさせないようにしていきたいものです。
皆様、この度は私のつたないレビューを読んでいただきありがとうございます。
さらに、共感、コメント、フォローをしてくださいまして本当にありがとうございます。
改めてエヴァンゲリオンと言う作品の影響力を感じ、こんな私にもさらなる魔法をかけてくださった本作に感謝と感動で一杯です。
皆様お気づきかも知れませんが、私のレビューは全て星の評価が0です。
星をつける機能を無視しています。理由は色々ありますが、星は映画を見た方、レビューを読んでくださった方にお任せしているのです。
今回たまたま0=∞の設定と合致してしまいましたが、自分ではまったく意図していませんでした。
お褒めのコメントしてくださった方々、すみません。
0=∞はコメントで気づいたしだいです。
星0はそれぞれお好きな解釈でよろしくお願いいたします。
素敵なレビューありがとうございます。
自分で言葉にできない感動を言語化してくれているようでとても心を動かされる文章でした。
フリントさんがレビューを投稿してくれた事に感謝します。
世の中、わざと低評価で短文レビューにして『この作品はつまらん!クソだ!』と言って、内心、『こういうこと言っているオレ、ワタシってカッコイイでしょ』と思っている、思い込んでいる方々と比べて、愛と感動を感じましたよ。
今作はスコアで判断出来ませんもんね。
まさに∞