劇場公開日 2013年11月1日

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「映像は良いが相変わらずキャラの魅力不足」パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映像は良いが相変わらずキャラの魅力不足

2013年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

最初に結論から言うと、1作目よりは楽しめた……かなあ。

前作ほどのあっさりサクサク展開ではないし、主人公パーシーも
自分には本当に優れた力があるんだろうかと悩んだりするので、
前作よりはシンパシーを抱きやすくなった感が無くも無い。
新キャラ・タイソンが少しずつ打ち解けて行く流れも嫌いじゃない。

それにクリーチャーデザインもずいぶん面白くなった。
からくり牡牛、屋根裏の予言者、クレイジータクシー、
玉虫色に輝く“海馬”。いいねえ、ファンタジーって感じで。
あと、ラヴクラフトの小説が好きな自分はバミューダ
トライアングルの巨大な怪物にワクワクしました。わーい、ダゴンっぽい。

まあそんな感じでビジュアル面はさして悪くないのだが、
ツッコミどころはずいぶん多い。
あんな重要な“予言者”が何で屋根裏なんかにいるのかとか、
何で牡牛に直接あの木を倒させなかったのかとか、
海馬はステキだけど水を操れるのなら不要じゃね?とか、
いくらなんでも敵集団の船の警備が薄すぎるだろとか。

あ、それに、中学生の落書きみたいな巨神クロノスのデザインは
ヒドイっす。ファミコン時代のRPGだってあれよりは凝ったデザインの
ラスボスが出てくるよ。びっくりするほど退場も早いし。
間違って一寸法師の鬼か何かを復活させちゃったのかね。

まあ僕は多少ストーリーや映像にアラがあっても、キャラクターが
魅力的だったら割りと許せたりする人間なのだが、
キャラの魅力も前作同様イマイチ。何だろうかこの薄い感じは。

主人公パーシーとタイソンの間の葛藤も薄いし、彼の運命を揺るがす
『予言』にも妙に重みがないので思い悩む姿にピンとこない。
他の仲間についてもあんまり活躍の場は無いし、ライバルのあの人も、
その行動がいちいち間が抜けてるので敵として張り合いがない。
けど、もうひとりのライバル・アレクサは存在感のあるヤな奴っぷり。
ヤな奴なのであんまり好きにはなれないが、他よりもキャラ立ちはしていた。

以上。ビジュアル面でやや面白みが増したが、キャラの魅力は相変わらず
イマイチ不足。前作と同じく、まあまあの3.0判定で。

一応急展開を迎えたまま映画は終了するのだけど、これ、続編
作られるのかなあ。まあ1作目を観た後も同じ感想を抱いたので
3作目が出ないとは限らないが……。
パーシーの続編よりもピーターの続編の方が楽しみ……て、
あんまりな言い方かねえ。

〈2013.11.02鑑賞〉
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追記:
今回は2D字幕で鑑賞。
派手な映画を観たい気分だったので本当は3Dで観たかったが、
3Dは吹替版しか上映していなかったので2D字幕版で鑑賞。
AKBやゆるキャラに恨みは無いが、話題作り先行で
声優を決めて作品の原形を崩すのは勘弁していただきたい。
まあ鑑賞した今となっては、2D字幕で正解だったんだろうと思う。

浮遊きびなご