「序盤のカーチェイスからグダグダ」ダイ・ハード ラスト・デイ 永賀だいす樹さんの映画レビュー(感想・評価)
序盤のカーチェイスからグダグダ
最序盤こそ、ワクワクさせる雰囲気作りになっているものの、いきなりのカーチェイスがグダグダになっててテンションが一気にダウン。そのままろくすっぽ回復しないままにエンディングになってました。
何がグダグダって、クラッシュしているシーンこそスピード感あるものの、キャストが乗ってる車両以外がいかにもふつう。緊張感ナッシング。
その上、つなぎが不自然なカット入りまくり。どうして急に無関係車両にクラッシュするのか意味不明。
しかも冒頭、「近辺の道路はいつも渋滞しているよ」と地元タクシーの運転手に言わせているっていうのに、そんな感じが一切ないというのもご都合主義的かと。
思えば、これがそのまま続いたような気がします。
装備もバックアップも失って緊急事態だと自動車ドロボーしてみれば、トランクには銃器がどっさり積んであるわ。
手がかりないのに事件の大元に行こうと遠く離れた現場に向かって走ればビンゴだわ。
特殊装備がなければダメなところに都合よすぎるケミカルが投入されから大丈夫という体で納めるわ。
こういうのを許しちゃうなら、いっそのこと"おバカ"満天で映画作ってくれたらいいのに、そういう次元では踏み込まない中途半端さ。
「ダイ・ハードの魅力は"運の悪さ"だけじゃないでしょうよ、ブルース」とスクリーンの向こうに呟いてもむなしい。
敵役まで意味不明な急展開でキャラ落ちしてしまった上に、わざわざ倒されにいってるのかアンタら的な展開でズルズルと。
「ダイ・ハード」というタイトルだけで予算を引っ張り、「ブルース・ウィリスがそれっぽいこと言って、火薬をボンボン爆発させたら観客は喜ぶんじゃない?」というノータリンなプロデューサーの声が聞こえそうな作りこみの浅さ。
映像だけはむやみと豪華な分、ビッグシリーズにふさわしい大作を見せてるけど、それがもう痛々しい。否、豪華さは認めてあげたい。じゃないと、他に見るべきところがなくなっちゃうから。
では評価。
キャスティング:4(ギャング・リーダーのラシャ・ブコヴィッチがいい味出してました)
ストーリー:1(とにかくシーンとシーンのつなぎがひどい)
映像:4(悪くないんだけど、どこかデジャブなカットが続きます)
チェイス:2(あんなにトロく感じるチェイスもないと思います)
豪華さ:7(ええ、豪華だと思いますよ)
というわけで総合評価は50満点中18点。