「死なないんだから作るか、やっぱり」ダイ・ハード ラスト・デイ しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
死なないんだから作るか、やっぱり
世界でもっとも期待されていない続編(しんざん調べ)
の本作ををまんまとある意味「期待通り」に作ってしまう20世紀FOXさん。
さすがである。
「ダイ・ハード4.0」がそこそこあたったからといって、続編を期待されていると思うところが、商魂からくるものなのか、社風なのか。どっちでもいいが。
さらに監督は1000年に一度しかこない06年06月06日に公開するがためだけに作られた「オーメン」リメイクの監督ジョン・ムーア。
デキは火を見るより明らかである。
だけどこれは「ダイ・ハード」ではない、などと言ってはいけない。ブルース・ウィリスがマクレーンを演じ、FOXが製作しているのである。紛れもなく「ダイ・ハード」シリーズ。
「スーパーマン4 最強の敵」などと比べてはいけない。
であるので、それなりに心して望まないといけないのである。
ましては「4.0」の後なんだから。見るのは自己責任。
デデン、デデン、デーーデデン。
あれ~、スクリーンが伸びねえな~、ってビスタかい!
と作り手からいきなり本編前に俺たちに本作を見る姿勢を示してくれる。
こりゃ親切だね~。
さて本編。
派手なカーアクションあるけど、「派手なカーアクション」という時点で「もう違う」のだから、それはそれで楽しまなければいけないが、
それでもたのしくねえええ。
だって展開的にも必要ないんだもん。
「テロリストのあいだで超有名人のジョン・マクレーンの息子」が「CIAのスパイ」だなんて、ある意味、逆転の発想で「アリ」なのか?それとも笑うところなのか?
しかし意外とこの「息子」が面白く、じじいとの掛け合いは悪くない。
じじいは回を重ねるごとに死線を乗り越えてきたのだから、当然「ずぶとく」なるのだから、じじいが敵を欺いてブチ殺す余裕っぷりもOK。いよいよ殺されるってときに「ぐへへへ」と笑うウィリスの演技が俺は好きだ。
このシーンで息子はじじいの凄さを感じた場面であったので、その点はちょっとだけプラス。
だけど今回もっとも気になったところ
世界的に人気の「ダイハード」シリーズだが、意外と全シリーズ他国をバカにしている。(4.0は違うか)
今回もロシア人と日本人をバカにしている。そこを映画のデキどうのうこうの、は置いといて、所詮はアメリカ映画なのだ。
「これは『ダイハード』ではない」
とか
「これは『ジョン・マクレーン』ではない」
というトンチンカンな文句をいうより、おいおいチェルノブイリでそのジョークはないだろう、ぐらいの突っ込みは日本人としてはするべきだ。