ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のレビュー・感想・評価
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繋がらない伏線とストーリー
※原作小説は未読です
あだ名の由来
いじめられる幼少時代
円周率を暗記している天才設定
青年時代の恋愛
いきなり雷雨に興奮する主人公
どれもが何も伏線にもなっておらず、いきなり語られては消えていくストーリーの繋がらなさに気持ち悪さまで覚える始末
仕上げは邦題の「227日」
これも特にストーリーに絡まず、訳者にも見放されたか
それ必要?という内容が本編にもタイトルにも溢れ、原作小説の話の点を散りばめただけであろうことは容易に想像できる。
開始20分ほどで駄作の匂いがしたが、最後まで見終わって改めて駄作と呼ばせていただきたい。
景色の美しさが見事
全く好きなタイプの映画ではないのに
感動映画でも、観ていて楽しい映画でもない。
でも、映像美だけで認められた内容スカスカ映画でもない。
自分はあまりヒューマンドラマやロマンス映画、家族愛がテーマですみたいな、「泣ける系」映画は好きではなく、これも壮大な自然がテーマの泣ける系か、自然ってスゲー系の映像美頼りの映画なのかなーと思い、ずっと観賞していませんでした。
家族が見たがっていたものの、その後忘れていて、この度図書館で発見したため初めて観賞しました。
いやぁ、思ってたのと全然違いました。若干ダラダラして退屈な感じは想定内だったので、あまり気になりませんでしたが、観たいと言っていた家族はやや退屈だったようです。
特に序盤の30分程は、インタビュアーに漂流した時の話が聞きたいと言われ過去を話すシーンです。
殆ど主人公の生い立ち少しとキリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教の3宗教についての説明とそれに対しての主人公の語りで、宗教に特に関心の薄い日本人にとってはかなり退屈かもしれません。全部理解しようとする必要はなく、「(上の3宗教だけに限らず)いくつもの宗教を1人の人が真剣に学ぼうとするとどうなるのか?」という視点でぼんやり見ていれば大丈夫だと思います。
その後漸くインドからカナダへ、日本の大きな船に動物達を乗せ、出発です。皆さんが日本のCMを見て期待したであろう「トラと少年の漂流」シーンは、実は全体約2時間のうち半分もありません。
が、この漂流の間は全てファンタジックな出来で、映像の美しさを存分に楽しめます。
自分はVFXに結構違和感を持ってしまう方で、美しさを感じる一方「何か変だな~」とちょいちょい我に返ってしまいましたが、家族はこの点トラの動き等も不自然に感じることなく、満足だったようです。
光るクラゲや夜光虫、クジラ、トビウオの群れ…等々、大自然をただ撮影するより美しく表現しようとしているのを感じました。
さて、終盤ですが、旅(漂流)を終えた主人公が病院に担ぎ込まれ、唯一の生存者として(保険の関係で事故が船の責任か否かを知るため)日本から話を聞きたいと、2人の日本人がやってきます。
そこで、自分が体験した話を聞かせますが、夢のような話です。当然信じてもらえません。というか、「事故の原因が知りたいから事故の際の話を聞かせて欲しい」と言っているのに、主人公は「漂流して自分が如何にして生き延びたか」に重点を置いて話しているので、「いやいや、そこが知りたいんじゃなくてね」って話です。
そして、「もっと聞いた人間が信じられるような、『現実の』話をしてほしい」と言われます…
それは、一人自力で生き延びた子供には聞かない方が良いことでしょう。
ともかく、最後はちょっとした恐怖と物悲しさを抱え、映画は終わります。
恐らくこれを観て、シャマラン監督の『シックス・センス』を薄らと思い出した方もいたのではないでしょうか。
個人的には、思っていたより退屈ではありませんでした。
単調であり、かつ自分で掘り下げようと思えばいくつもの側面を持つ映画だと思います。
少なくとも、自分はここまで色々なテーマを持ちながら、ここまで纏まりのある映画を初めて観た気がします。そして、どのテーマに気付き、またどのテーマに全く気付かなくても、映画としては成り立っています。
最悪、映像だけを楽しむにしても充分な出来です。
ミステリ映画のように考える必要は全くないと思います。「難しいテーマの映画なんだ」「内容を理解しなきゃ」と構えて観るのは全くオススメしません。それをすると、逆に楽しく観られないのではないでしょうか。
観ていて自然と何かしらに気付くように作られています。
動物がメタファーだと気付いた時。
動物達に隠された意味を理解した時。
そして、トラの最後の行動の意味を理解した時。
どの瞬間も、ハッとさせられます。
個人的には、最後に彼が猫を飼っていることがわかるシーンが好きです。
「これがハッピーエンドかどうかは君が決めること」。
トラは永久に去ったのに、猫を飼うことにしたんですね。
自分には少し物悲しい話に感じられましたが、恐らくこれも、感じ方は人それぞれ違うのでしょう。
その人の必要な時に必要なことに気付き、その人の人生によって、同じテーマなのに違う受け止め方になるように作られている。
監督の力不足で「受け取り方は観客に任せますよ」とぶん投げてきたと感じさせる終わりではなく、良い意味で、どんな風にも取れる映画だと思います。
次は大画面で、Blu-rayや4Kなど美しい画質で観たいものです。
映像のインパクト
基本的にはファンタジーです。
冒頭出てくるパイの叔父さんのコミカルさ、
少年時代のパイの逸話の数々。
歴史的背景はあるとはいえ、
船に動物乗せていくとか、ノアの箱舟か、
と思ったら、途中で箱舟の台詞もあるし。
登場する動物は虎以外にもたくさんいて、
それらのリアルさはかなりキテル。
ただ弱肉強食の残酷描写とかも、
出来るだけ見せないように撮っているし、
魚さばくのも見せないから、
なんか全体的に、お子様向けか?とも。
虎も、何かを襲うのは迫力あるが、
それ以外のシーンは猫科の徹底さ。
若干かわいい。
だからファンタジーと映像美、
これが楽しめればこの映画はありでしょう。
登場動物全て美しい。海も空も太陽も星も美しい。
遭難とか嵐のシーンは、
どーやって撮ったのか不思議だし迫力満点。
芸術性が高く、押し付けがましくない悟りの映画
何かの哲学を語りたくてしょうがなくて失敗してる映画。映像きれいだけ...
【”パイ”という風変わりな名前の男が語る青年時代の227日に及ぶ太平洋漂流生活(ベンガルドラ付き!)の面白さに魅入られた作品。】
ー 物語の見せ方が上手い。ー
・いきなり漂流の状況から入るのではなく、今やインドを代表するイルファン・カーンが成人になったパイ・パテルとして登場し、気乗りしない感じで、カナダ人ライターに若き日の漂流物語を語り始めるところから、物語は始まる。
◆ここからが圧巻。
・数々の試練(乗っていた貨物船が沈没した後、パイとともに救命ボートに避難したシマウマ、ハイエナ、オランウータンが相次いで命を落とす中、ベンガルドラとパイが何とか生き残る・・)を潜り抜けて、一人の少年とトラの長い長い太平洋横断漂流が始まる。
・サバイバル・アドベンチャーの大作。
<漂流途中にパイが遭遇する、幻想的な美しい海洋神秘シーンも忘れ難い作品である。>
<2013年1月26日 劇場にて鑑賞>
Ang Lee
脚本と監督の表現したいことが100%マッチした極上の作品。
リリースされた時期となんか有名すぎて見る機会を失った映画作品で、1本や2本ありませんか?私に取ってはこの作品がそうでした。当時は最先端のVFXを使った美しい映像ということで、ニュースで大きく取り上げられていたことを覚えています。でもなぜか観るのが後回し後回しになって、あんまり、絶賛の声も聞かなかったので、今の今まで観ていませんでした。しかし、蓋を開けてみる、めちゃくちゃ良質で大好きな作品でした。
まず、一番最初に話したいのは、VFX。この当時は、Avatarなどが公開された時期でもあり、空前のVFXブームでした。(今もそのブームはどこが残っていますが。)この作品の8割を占める戦場でのシーンは、ほとんどのVFXショット、トラなんかも全てVFX.ここで話したいのは、そのVFXの質が高いということはもちろん、数段レベルの上がっている現在2019年に観たとしても、その違和感を感じないVFXの使い方。一言に言ってしまえば、パイの夢の中のような話なのですが、その話は後にしておいて、その夢の中のようなファンタジー世界という一枚の壁を取り払い、現実と夢の世界が区別できなくなるような世界を作り上げた上で、VFXでさらにその幅を増幅させている。まるで、美術館に行ったような感覚。我々なんかでは、到底理解できないような芸術の歴史は置いといて、世界の芸術作品に囲まれている空間というのが、自分がとても小さく感じるぐらい、広い広い世界がその作品にはあって、その奥行きさえも感じてしまう。大きくいえば宇宙を感じる時間。それをこの映画では感じることができました。
その夢の中という話ですが、主人公のパイはインドで3つの宗教を信仰しながら、円周率πの桁を無数に覚えるという変わり者。宗教と科学。これが1つのテーマ。昔から大きな対立を生んできた両極とも言える分野。そしてもう1つのテーマが大人と子供。その中でも子供の好奇心、可能性、未来を中心に描いています。パイは好奇心から、3つの宗教を信仰しながら、聖水を飲む禁忌を犯してしまう。いじめられながらも円周率をめちゃくちゃ覚えて学校のスターに。まさにテーマにぴったりのキャラクター。そのパイが漂流して、トラのリチャードパーカーと船上で生きのびるストーリーなのですが、その世界はまさにファンタジー。とても美しい空や海。波と共に訪れる多くの生き物たち。流れ着いた島での木々やミーアキャットの大群。どれも現実とは信じがたいものばかり。最後に救助された時に日本人ジャーナリストは彼のストーリーなんてまったく信じない。ぁれらがも止めているのは、読者が信じられる真実っぽいこと。しかし、子供というのは実際に現実とは信じがたい経験をしています。初めてのことは常に冒険で、毎日が自分が主人公の物語の1ページなんです。それが好奇心を触発し、夢を作り、芸術の礎を築き、成長していきます。その無限大の可能性を秘めた時期の唯一無二の感覚が、VFXを使って太平洋の上のポツンと浮かぶ一隻の船の上で描かれます。
その美しい光景には理由なんて必要ない。感じたことが正解なんだから。映画を観ているときもまったく同じ感覚。視界を埋め尽くす超現実的な映像と、耳に届く音を吸収し感じるだけで十分。その考えるスペースを自分の世界との架け橋として使い、超現実と現実とを溶け込ませる時間。この時間が映画体験。1800円の価値以上のものがあるところです。そして最後にトラのリチャードパーカーがとった行動はとても悲しい。いつかは好奇心よりも社会性、人間性が勝ってしまうときがくるのだと。
完璧。アンリー最高。
ん~~。
虎と人の絆だけでなく、漂流記という所に感銘を受けるべきだったのだろうが語り手の胡散臭さが拭えきれず、インタビューしている役者の表情と言葉の違和感がすごかった。そこに何か意味があったのかもしれないが。。。
ファンタジーの世界のトラではないのね
信じたいものを信じれば良い。
とにかくキレイな映画。
漂流が始まってからの映像美だけでも楽しめるレベル。
クロウト好みというか映画マニア向けの内容を、
可能な限りの映像美でくるんだ感じだろうか。
個人的にはその「クロウト好み」が鼻につくというか
散りばめられたメタファーとか、伏線的なセリフとか
制作者のドヤ顔が透けて見えるようでちょっとうんざりした。
「どちらの話が本当か」って気になるところだけど
それはもう自分が信じたい方を信じれば良いのかな、と。
個人的にはファンタジーを期待して観たので、
「含蓄」の部分をもっとオブラートに包んで欲しかった。
気づかない人は気づかないままでOKみたいな。
ただね、必要なんでしょうけど前半が退屈すぎる。
繰り返すけどファンタジーを期待して観た自分としては
けっこう辛い時間でした。
まぁ敢えて人に勧めたいとは思わないかな。
最後まで見ると、面白さが少しわかる。
最後まで見ると、いろんな不自然だったことが、全部嘘の可能性が出てきて、結局、今まで見てきたのはなんだったみたいな話にもなります。うーん。壮大な不自然な嘘を見せられていたようで、微妙でした。虎との生活はありえないと。最後、謎解きみたいに、あれはあーゆー意味だったのか的な楽しみはあると思いますが、映画としては、楽しめませんでした。残念。
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