「マジックレアリスム」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 cocnoさんの映画レビュー(感想・評価)
マジックレアリスム
現実と非現実は表裏一体であることが最後に明かされる。まさに現実の中の神秘、神秘の中の現実の構造が見て取れる。このような「宗教的世界」か「科学的世界」のどちらを信じるべきかという問が本作品にもパイの根底にも存在する。この「世界への問」としてパイの葛藤・悩みが冒頭の食事シーンで描写されている。実際、彼は複数の宗教を信じているし、名前は神秘的な数である。
227日間の漂流体験を通して彼は上述の問に対して「どちらも信じる」、「宗教と科学は魔術的に組み合わされている」という境地に至ったのだろう。
保険調査員がパイの物語を受け入れることができなかったのは現実的な側面からしか見ていないからだろう。
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