「人の命が軽い……」The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 はち公さんの映画レビュー(感想・評価)
人の命が軽い……
「ミャンマーとは軍政によって変更された名称であって、我々の国はビルマである」…そういう思いが”ビルマ”という呼称に込められている。
政治的なことは避けたいという日本の気風があるのも事実ですが、作中でどうして”ビルマ”という呼称を使用しているのかについては、”歴史的に”で片付けるのではなく、これを見た皆に知っておいてもらういたいと思う。
どうして年齢指定?と思ったのですが、人がよく死ぬ。人の命が軽い。
いやおそらく、悲しむ間もなく人が次々死んで行く状況が実はリアルなのだろうと、そう思う次第。
物語自体は、ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー女史の伝記であって、それ自体は皆が知る所のもの。
ですが、この映画はそういった女史の業績よりも、夫婦愛・家族愛といった女史のプライベートに焦点を当てた物語。
どうしてノーベル賞を受賞したのかについてはあまり語られず、実際に独裁国家で軟禁にあった女史が何を考え、また、家族は何を思いどう行動したのか。
ただの偉人伝という事ではなく、皆に見て貰いたいと思える作品です。
民主化道半ばのかの国に、幸あらんことを。
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