「【”組織の中で生きる人間こそ、信念が必要だ。と刷新された警察組織の、警視庁長官に就任した室井は言った。”今作は、警察内に蔓延る隠蔽体質の数々を、前作までのコミカルシーンを抑えて描き出した作品である。】」踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”組織の中で生きる人間こそ、信念が必要だ。と刷新された警察組織の、警視庁長官に就任した室井は言った。”今作は、警察内に蔓延る隠蔽体質の数々を、前作までのコミカルシーンを抑えて描き出した作品である。】
ー 前作までは、コミカル要素とシリアス要素とのバランスが面白きシリーズであったが、今作では最序盤こそコミカルだが、それ以降はシリアスでスリリングな展開に引き込まれる作品である。今作では、それが奏功していると思う。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では、キャリア組トップたちの過去の誘拐事件の際に隠蔽した事が、徐々に明らかになって行く。
それを暴こうとしたのは、過去の誘拐事件で被害者になった女の子の親族であった前作まではクールに見えた鳥飼管理官(小栗旬)であり、当時捜査をしていた久瀬(香取慎吾)なのである。
彼らは、腐った警察上層部に見切りを付けて、世間に警察の実態を晒すために敢えて、新たなる誘拐事件を起こしたのである。
そういう生き方もあるのかもしれないが、私はどんなに腐った組織でも、そこに残り刷新していく方が男らしいと思う。何故ならば、そちらの方が大変だからである。
故に、青島と室井の選択を指示したい。
■このシリーズでは、組織の中で働く者には心に響く言葉が随所で披露されるが、今作では室井が”所轄”達の前で言った””組織の中で生きる人間こそ、信念が必要だ。”という言葉が印象的だったな。室井はその後に照れ隠しで”何てね。”と付け加えるが、彼になかったユーモアのセンスが加わったのかな。
それにしても、室井の言った言葉は、サラリーマンには響く言葉だと思う。
このシリーズが人気があった事が分かる気がする。
・そして、お決まりの室井が青島に言う秋田弁は、今作では”おじまげな”(格好つけるな)である。ちょっと、嬉しい。何でかと言うと<以下、自粛>
・鳥飼管理官の告発により、愚かしき保身に走る警察庁長官、次官には退職勧告が行政人事院の男(故、大杉蓮)から書面で渡され、退職勧告を受けていた室井は刷新した警察組織を作るために警察庁長官に就任し、青島には室井から警部補と書かれた警察手帳が手渡されるのである。
天は、正しき行いをする者をキチンと観ているのである。
<今作は、警察のキャリア組トップの保身を図ったが故の数々の隠蔽と、それを暴こうとする側との攻防がスリリングに描かれている。
そして、その中でもキャリアの室井の姿勢はブレないのである。
私は、警察組織で働く方々は、キャリア、ノンキャリアに関係なく、日本国民の安全のために激務をこなしていると思っている。
今作は、人気俳優多数出演の大人気シリーズであるが、この作品を観て”ボクも、室井や青島の様な警官になりたい!”と思った人が結構いたのではないかな、とも思った作品である。
もし、そうであれば、今作シリーズの意義は更に大きなモノであるのではないかな、とも思った作品でもあるのである。>