「ファンには可、ファンでなければ不可」踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 Spenserさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンには可、ファンでなければ不可
「踊る」のファンにはうれしいかもしれないが、前半は細かい笑いを取りにゆき過ぎで間延びした感を否めない。その分、ストーリーの本筋に入り込むのが中盤過ぎたころになり、派手だがあっけない終わりかたに物足りなさを感じた。充分に演技を見せられなかったゲストもかわいそうで、それがお目当ての観客にはヒンシュクを買ったに違いない。
例によって描かれる事件そのものは現実味や論理性を欠くが、このシリーズのテーマは組織のありかたとか人間模様のシニカルな描写であり、事件の内容は実はどうでもよいのだろう。警察組織の不具合露見や、すみれさんが悩んだ末に彼女らしく大活躍することのほうが大事なのである。この点でもファンには可、ファンでなければ不可の出来といえる。
特記事項として、久しぶりに登場の雪乃さんを見ることができて良かった。
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