劇場公開日 2012年3月10日

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「従来のお決まりに決別したプロット」セットアップ R41さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5従来のお決まりに決別したプロット

2024年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

最後のシーンでサニーが言う「目には目をじゃ終わりがない…」
これは従来の同じジャンルの新しい視点だ。
でも果たしてこの作品はうまくいったのだろうか?
マフィアのボスがブルース・ウィリスという設定は、凄みや性質的不可思議な要素が足りない気がした。交渉の場でも、敵に相当な覚悟が必要だったはず。短絡的な要素は拭いきれないように感じた。
そしてあのヒットマンなるものも、素人に簡単に殺されてしまうのでは、登場する意味に疑問が残る。
しかし、この映画を主人公の黒人サニーの視点で捉えると、これはこれで面白い。
冒頭でサニーは「幼い時の夢が神父になることだったが、今はただの悪人だ」そう嘆いているが、これこそがこの映画の内容を暗示している。
そしてダイヤモンド強奪事件を起こすが、裏切り者によって友人は射殺され自身も危うく死ぬところだった。
サニーは裏切った友人を探す。
その友人は、裏切ったお金で収監されている父を救いたかったのだ。
親父を殺されたくなかったら金を払え。おそらく脅迫している連中も、ダイヤ強奪に加担した奴らなのだろう。
彼の選択肢は裏切りしかなかった。友人を射殺してまで。
ダイヤ強奪計画は、車の運転手(友人の彼女)、ダイヤを裏取引する連中、そして実行犯が彼らだったわけだ。
サニーは既にお金やダイヤのことなど頭になく、マフィアに呼び出されて穴埋めの仕事まで捺せられるが、どうして一緒にいたやつが役の密売人の住居で勝手に振り回していた銃の暴発で死ぬのだろう???
それによって状況がややこしくなり、マフィア同士の争いになるのは、少し単純だった。
サニの行動する動機はどこまでも金ではなく死んだ仲間に向けられている。
しかし、ダイヤ強奪現場での自動小銃の撃ちまくりに甚だ疑問が残る。
仲間が少なくとも一人を射殺したのだ。
サニーも運転手のミアにしばらく銃口を向けている。
サニーは親友の彼女に現金を送っている。彼氏の名前で。
悪人サニーは誰も殺さず、コトを収めていく。
行き当たりばったりすぎる内容ではあるが、後味は悪くなかった。

R41